COP16 (メキシコ・カンクン会合)
FoEインターナショナルから、みなさんへのメッセージ
メッセージ1:先進国は大幅かつオフセットに頼らない排出削減を今すぐに。オフセットは解決策ではない。
先進国は、国内排出量を早急に削減し気候変動に取り組まなければなりません。カーボン・オフセット(先進国が削減をしない代わりに途上国からカーボンクレジットを購入すること)は、気候変動と戦う公正な国際合意においては、いかなる役割も持ち得ません。
先進国政府は、気候変動対策においてオフセットは効果的でないことを知っていますが、人々に対して気候変動に対する真のアクションであるかのようにオフセットへの投資を奨励し、人々を欺こうとしています。
カーボン・オフセットは、気候にも途上国にもまったく利点がありません。いつも通りにビジネスを続けたがる先進国、民間投資家、大量汚染者のみに利益をもたらすだけです。
メッセージ2:森林を利用したカーボン・オフセットによって目をそらずに、気候変動と森林減少対策の両問題の本質的な解決策を。
森林を取引することは、気候変動に取り組む公正な国際合意において、いかなる役割も持ち得ません。森林を含めてしまってはカーボン・オフセット・イニシアティブは動きようがないし、排出量を削減し森林減少を防ぐための本質的な解決策から目をそらすことになり、生存のために森林に依存している先住民と地域コミュニティを脅かすことになります。
メッセージ3:気候変動対策の公的資金は、全て国連を通すべき。世界銀行を通してはならない。
世界銀行は、石油と天然ガスプロジェクトに資金供与する多国間最大の貸手であり、森林減少における主要な当事者です。世界銀行は、破壊的な石炭、石油、天然ガス抽出への資金拠出を停止すべきという組織内からの勧告を受け入れていません。
世界銀行は、透明性が確保されておらず民主的な組織ではないし、その意思決定は「ドナー」国に支配されています。また世界最大のカーボン・ブローカーでもあり、気候変動緩和の資金供与の世界最大のルートとなることは、利害の対立を招くでしょう。
さらに、世界銀行の気候投資基金(CIF)を含むUNFCCC外の資金拠出は、先進国が約束を果たしたと見なされるべきではありません。気候資金は、先進国の公的財源から無償資金(グラントベース)で開発援助(ODA)への新規及び追加的に拠出されなければなりません。炭素市場のいかなる関与も拒否しなければなりません。
メッセージ4:コチャバンバ合意は、国連の気候交渉で行われる非生産的な提案と不均衡な力関係に対する、大切なカウンターバランスだ。
FOEインターナショナル及び我々の仲間は、気候変動の議論において革新的な発展である「コチャバンバ人民合意」及びポスト・コチャバンバに付随するプロセスに関与しています。我々はこの合意を、(民衆及び法的な)住民投票及び裁決機関とコミュニティの権利を促進させ、否定的な提案や産業界によるロビー活動等へのカウンターバランスとなるようUNFCCC交渉における革新的な提案としてその正当性を強調するために活用しようと模索するものです。
メッセージ5:クライメート・ジャスティス(気候の公平性)の実現を!
クライメート・ジャスティスは、気候変動の原因に歴史的に最も責任のある国々が、これ以上の被害を防ぐ最大の努力を行い自国内で大幅に排出量削減を行うことで達成されます。
途上国は、京都議定書の第2約束期間に法的拘束力のある排出削減義務を受け入れるべきではありません。
豊かな先進国が今日大気中にあるほとんど全ての温室効果ガスに対する責任があり、気候変動に対して最も責任があるのです。先進国は京都議定書の下での第2約束期間にコミットしなければなりません。
途上国や、脆弱なコミュニティ、脆弱な人々は気候変動の原因にほとんど貢献していないが、最も影響を受けているのです。
先進国は、途上国の持続可能な社会へ発展する権利を認めつつ、低炭素経済への移行と気候変動の影響への適応を支援する資金を提供すべきです。
メッセージ6:大企業や汚染者は、公平な気候合意に向けた交渉を弱体化させるためのロビー活動を行っている。彼らは人々と地球の利益を犠牲にして、自分たちの利益獲得を進めているのだ。
UNFCCC気候交渉には、交渉官と並び、産業界から何百人ものロビイストが参加し、世界の人々と環境のためではなく、産業界のビッグビジネスの利益を促進する合意を確保しようしています。そうした人々は、強力で公平な国際気候規制がつくられるのを妨害しようと、数百万ユーロものお金を費やしています。こうしたロビー活動は不透明であり、強力で公平な気候合意へ近づこうとする努力を損なうものです。
◎FoEインターナショナルがCOP16に求めることについて、詳しくはこちら(英語)をご覧ください。