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同様に、ダムの商業運転は収益を生み出すものでもありません。というのは、民間独立発電事業体がすでに発電超過の状況で電力の供給を行なっているなか、さらに過剰な電力を供給するだけだからです。深刻な国家財政赤字を考えれば、フィリピン政府がダムの商業運転を行ない、SRPCに毎月最低でも5億ペソ(注:約1000万米ドル。US$1=PhP52.5)に相当する莫大な費用を支払うことは不合理なことです。この費用は消費者の負担となるか、もしくは、フィリピン政府が負うことになります。これは、電力料金の支払いに加え、法外な料金負担をフィリピン国民に強いることとなり、さらに、限られた国家予算や政府資金がSRPCへの支払いに消えてしまうため、フィリピン国民が真に必要としている基本的サービスの提供に支障が出てしまうでしょう。したがって、(再交渉が行なわれた後でも、)依然として他に例をみないPPAという(不当な)契約は、フィリピン国民を無駄な事業のためにいたずらに増えてしまう財政的負担から解放するため、無効にされるべきなのです。 |
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<サンロケダム建設現場 全体図 (上空から)>
写真右下に見えるのは、ダムによって堰き止められてできたダム湖。ダムの下流から写真左へ伸びる砂地は、ダムの建築資材を掘り出した採石場の跡。(2002年12月 FoE
Japan撮影) |
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