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11月12日、サンロケダム用地内へ続くメイン・ゲート前に500名以上の人々が集まりました。同ダムの建設の影響で生活の糧を失ったパンガシナン州の農民および砂金採取者が中心で、(1)適切な補償、(2)持続的な生計手段、(3)今年雨季に起きた中部ルソンの洪水被害に関する第三者による調査(サンロケダムも原因の一つとして挙げられている)――の3点を事業者に要求するためです。
1998年にダム建設が着工されて以来、事業者らは土地や家屋、農作物に対する金銭補償、また、生活再建計画といった補償措置により、生活はより良くなると広言してきました。しかし、5年が経った今、現地で目につくものの一つに、事業者の用意した再定住地の空き家があります。たとえば、事業者も認めているように、カマンガアン再定住地には、1999年に約180世帯が移転してきましたが、そのうち、少なくとも72世帯(今年9月時点)がすでにその場を後にし、再定住地の外に「再」再定住しています。水・電気代の支払いが苦しいのに加え、事業者の提供する狭い再定住地では、自分たちの消費用の野菜を栽培することすらできないため、新たな生計手段を求め別の土地に移ったり、家をレンタルすることで収入源にしようとする人々が出てきているからです。
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<洪水掃きから放水するサンロケダム> 6ゲートある洪水掃きのうち2つを開き放水。雨季の大雨により水位のあがった貯水池の水位を調整する。(2003年9月 FoE Japan撮影)
<カマンガアン再定住地の空き家> 生計手段がないため、水・電気代などを払えずにここを後にする人がいる。(2003年9月 FoE Japan撮影) |
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