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昨日、500人以上の農民が肩をがっくりと落として家路についた。サンロケパワー社と話し合いを持ち、彼らの正当な要求――適切な補償、持続的な生計手段、そして、中部ルソンで(注:今年)続けて起こった洪水の原因(サンロケダムが関連していると考えられている。)に関する独立調査――に対する回答を迫ったものの失敗に終わったからだ。
TIMMAWA(アグノ川の自由な流れを取り戻す農民運動)、BAYANパンガシナン、AMGL(中部ルソン農民連合)のリーダーらがサンロケパワー社Admiral Marcelo(注:副社長)と話し合いをしている間、その他の農民らはサンロケパワー社のメイン・ゲート前で抗議活動を行なっていた。
闘争運動に参加した農民と砂金採取者らによれば、Admiral Marceloは、その3時間の話し合いの間、彼らの要求に対する議論は口にすることなく、傲慢な態度を示していたということだ。サンロケパワー社の中に入った目的は意見交換をすることであったが、そのMarceloの対応に、リーダ達はそれ以上話し合う気が失せてしまった。
影響を受けている地域社会は現在、経済的な生活苦が悪化しているため、絶望感に見舞われてきていると、農民らは証言した。養豚や小規模の生活協同組合といったフィリピン電力公社やサンロケパワー社が行なっている生活再建計画のほとんどは、人々の持続的な現金収入源となっていない。何千人にものぼる砂金採取者らは、彼らが失った生計手段に対する補償をもらう権利があると強く主張する。リーダーの一人は、「ダムの建設前、私たちは砂金採りで十分な収入を得ることができたし、子供たちの教育費も賄えた。今、私たちは食糧さえままならず、自分たちを扶養する生活の糧すら持っていない。」と語った。
一方、サンロケダムに反対するパンガシナン州の被影響住民らと密接な協力関係にあるコルディリェラ民族連合(CPA)は、この事業が人々のためではなく、この事業で金儲けをしてきた貪欲なサンロケパワー社や政府関係者らの利益のためにあるという主張が正しいことが明らかになったと強調した。
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<抗議活動打ち合わせ> 抗議活動の前にダム用地近くで話し合う人々(2003年11月13日 CPA撮影)
<抗議活動> サンロケパワー社の建物前で抗議のバナーを掲げる人々(2003年11月13日 CPA撮影) |
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