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11月23日「サンロケ多目的ダム事業」について行なわれたJBIC環境ミッションとの会合の間、ダム建設現場の外では抗議活動が行なわれた。(2002年11月 FoE Japan撮影)
抗議活動の最中、町の有力者によるハラスメントで動揺する住民に状況を説明するTIMMAWAのリーダー |
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これらの懸念や要求は、依然として多くの問題が未解決のまま進んでしまっている「サンロケ多目的ダム事業」の教訓を踏まえたものです。1998年に着工された「サンロケ多目的ダム事業」では、
@先住民族の権利の侵害
A影響を受けた地元住民の生計手段の確保の失敗
B不当な電力購買契約の下での電力料金の高騰
――など、数多くの問題が指摘されてきましたが、今年8月には貯水が開始。その後も、住民の反対の声に真摯に耳が傾けられることなく、事業と融資のみが継続され、来年早々にも操業運転が開始されることが伝えられています。TIMMAWAは、この「サンロケ多目的ダム事業」のような事態が起こらないよう、同灌漑プロジェクトへの事前の「社会の合意」が必要不可欠であることも指摘しています。
しかし、現在、その「社会の合意」を得るプロセスとして欠かせない「適切なコンサルテーション」を行なうことが、非常に難しい社会状況も生まれています。灌漑プロジェクトの予定地周辺では、サンロケダムに反対し、灌漑プロジェクトの計画変更とそのプロセスへの適切な参加等を要請している住民への地元の政治家・有力者による監視の目がかなり厳しくなっており、とくに、TIMMAWAのメンバーへのハラスメント、活動の妨害は顕著です。11月23日(土)、国際協力銀行の現地環境調査ミッションと住民との間で行なわれた会合(「サンロケ多目的ダム事業」の問題点について協議)の最中にも、ダムサイト前で抗議活動を行なっていた住民らを町の有力者が糾弾する
というハラスメントがありました。
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