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9月初めから10月初めにかけて1ヵ月、国際協力銀行の融資で続けられるフィリピン・サンロケダムの建設現場周辺で、ダム建設の影響を受けている人々の聞き取り調査を行なってきました。これまでにも多くの問題が住民・NGOから指摘されてきましたが、それを解決せずにきた代償か、サンロケダムの影響を受けている人々の生活難の陰がかなり色濃くなってきています。
プロジェクトは1998年に着工してからこれまでに約98%が完了。8月に住民の強い反対の声を押し切って開始された貯水により、すでにダム湖の水位は約152m(堤の高さは200m)にまで達し、10月中に発電機の試運転が始まるとも伝えられています。
しかし、プロジェクトが順調に進む一方で、現地の住民は、
(1)アグノ川沿いでの砂金採取ができなくなり、
(2)土地の収用で農地を失い、
(3)プロジェクト・サイトでの露天掘りの採石作業が原因で起こっている水不足のため、農業ができなくなり、
(4)8月に始まった貯水によってアグノ川の流量が減少したため、水不足で農業ができなくなり、
(5)ダムの建設現場で雇用されていた数少ない人々も解雇され、
――あらゆる生計手段を奪われた今、今後の生活の目処も立てられず、不安な日々を過ごしています。
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<ダムと貯水池> 撮影日の時点で、ダム湖の水位は約125m。(2002年9月 FoE Japan撮影)
<水の涸れた灌漑用水路> 1998年のダム工事着工以来、水が来なくなり、5年間、使われていない。この農業収入の喪失に対する補償は支払われていない。(2002年9月 FoE Japan撮影) |
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