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―― サンロケ裁判 カンパのお願い ――
フィリピン・サンロケダムの 違法性・不当性を問う!
日本の国際協力銀行の融資約800億円で建設が進むフィリピン・サンロケダム。現地では、この事業がフィリピンの国内法に違反しているとして裁判に訴える準備が着々と進んでいます。(裁判3件の内容は、下をご覧ください。)
しかし、裁判の準備のために必要な調査には時間がかかる上、これまで、その経費もかなり嵩んできています。裁判の準備を中心になって進めているNGO(コルディリェラ民族連合)の拠点とするバギオ市から、調査地であるダルピリップ村やパンガシナン州に行くための交通費(車を1日チャーター)、また、調査中の食費なども馬鹿になりません。
そこで、日本からも、この裁判にかかる費用を幾分でも支援しようと、一口1000円のカンパを広く呼びかけることにしました。
地元の住民や先住民族は、この事業が自分たちの伝統的な川沿いでの生活を脅かしているとして、約7年間、ダムの建設に反対してきました。しかし、現在、彼らの反対の声もむなしく、工事は約98%まで終わり、貯水が開始されてしまいました。彼らにとって、今、法的に事業を差し止めることが急務となっています。フィリピンの裁判所で違法の判決が出れば、国際協力銀行も残りの融資10%を止めざるを得なくなります。
ぜひ、皆さんのご協力をよろしくお願いします。
なお、カンパをいただいた方のお名前をFoEのホームページに掲載させていただくことにしていますが、掲載をご希望されない方は振込み用紙にその旨お書きくださいますようお願いいたします。
●カンパしていただける方は――
一口1000円を基本として、以下まで郵便振替でお願いします。
郵便振替口座 00130−2−68026
加入者名 FoE Japan
※通信欄に 「サンロケ カンパ」 とご記入ください。――
●締切は――
2002年12月31日まで
●お問い合わせは――
国際環境NGO FoE Japan(担当:波多江)
TEL: 03-3951-1081 FAX: 03-3951-1084
E-mail: hatae@foejapan.org
◆裁判では、サンロケのここを問う!
裁判1.事業自体のフィリピン法違反を問う ――最高裁へ
*サンロケのどこが違法なの?――
@地方自治法に違反
A先住民族権利法に違反
B投資に関する規定に違反
C公共の利益に反する
D基本市民権を侵害
@地方自治法
フィリピンの地方自治法では、「事業の実施前に、関連する地方自治体の承認がえられない場合、いかなる
事業も実施するべきではない。」と規定。
サンロケダムの建設地上流にあるベンゲット州イトゴン町ダルピリップ村は、土砂堆積や移転の影響を受け
る人々(主に先住民族)が生活しており、明らかに「関連する地方自治体」である。しかし、現在、州レベルにお
いても村レベルにおいても、評議会からの承認決議は出ていない。
事業者のこの違法行為にもかかわらず、国際協力銀行は、「フィリピン行政府の法解釈では、現時点で事業
は違法とは言えない」とし、融資を継続している。
A先住民族権利法
フィリピンの先住民族権利法では、「いかなる事業であっても、先住民族の地域社会に影響を及ぼす場合、
その先住民族の「自由意思による、事前の、情報を十分与えられた上での同意が必要である。」と規定。
しかし、イトゴン町のダルピリップ村の先住民族は、事業への事前の同意をしていない。この事実は、2001年
6月にフィリピン政府(先住民族委員会)が行なった調査の中でも、明らかにされている。
B投資に関する規定
フィリピンの投資に関する規定では、「最低、事業の60%の投資はフィリピン資本でなければならない」と定
めている。
この事業は、100%海外投資で進められている。
C公共の利益に反する
事業者がフィリピン電力公社(NPC)と結んでいる電力購買契約によれば、NPC(フィリピン政府)は何十億ド
ルもの大金を発電コストとして事業者に支払わなくてはならない。この大金は、結局、フィリピン国民が高い電
力料金として支払うことになるもの。
また、事業者は、環境・社会コストおよびリスクについて、負担する義務はまったくなく、この事業が利益のあ
がらないものだと見切った場合に、いつでも事業から撤退できる契約になっている。
D基本市民権
同事業の影響を受ける住民は、事業が始まる以前に適切なコンサルテーションを受けていない。つまり、同
事業は、住民が市民として当然享受すべき「自由意思による、事前の、情報を十分与えられた上で同意する
権利」を明らかに侵害している。
*現在の準備状況は?――
弁護士が提訴に必要な文書を作成・準備中。
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田植えに精を出すダルピリップ村の先住イバロイ民族の人々(2002年10月)
生活調査の風景。一家族毎に丹念に生活の状況を質問していく。(2002年10月) |
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裁判2.ダムが上流域に及ぼす悪影響に対する
責任を問う ――地方裁へ
*背景は?――
サンロケダムの上流域に位置するベンゲット州イトゴン町ダルピリップ村の先住民族は、ダムによって土砂堆積が悪化し、自分達の生活が脅かされることを懸念して、7年間、ダムの反対運動を続けてきた。
貯水が始まってしまった今、彼らが事業者に引き続き「貯水・操業の中止」を求めるのはもちろんのことだが、自分達 の生活にダムによる悪影響が及んだ場合の責任の所在を明らかにする必要がある。
例えば、先住民族が生計手段として使用している資源がダムによって破壊された場合のために、常設の基金を設立するよう事業者に要求することも一つの方法だ。
*現在の準備状況は?――
9月から10月末にかけ、弁護士およびロー・スクールの学生により、先住民族に対する生活調査が行なわれた。この調査は、現在の彼らの生計手段を明らかにすることを目的としたもので、あらかじめ用意されたフォームには、農地の面積から所有している家禽の数、また、砂金採取に関するデータなど、多様な質問項目があげられている。今後、サンロケダムによる影響が彼らの生活に及んだ場合、これらのデータが、その影響を示す基準・根拠となるため、調査は世帯毎に繰り返し、丹念に行なわれた。
今後、これらのデータを集計・整理し、弁護士および先住民族の人々と再度相談した上で、集団訴訟を起こす予定となっている。
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裁判3.貯水予定地での強制立ち退きの
真実・不当性を問う ――地方裁へ
*背景は?――
事業者によって7月に行なわれた貯水予定地での強制立ち退きについて、その不当性を問う訴訟。住民からは、@家を焼かれ、立ち退かざるをえなかった、A武装したガードがいた、B未払いの補償があるなどの証言があがっている。
詳細は、現地住民の声明文をWEBでご覧いただけます。
→/aid/jbic02/sr/statement/20020805.html
→/aid/jbic02/sr/statement/20020829.html
*現在の準備状況は?――
8月末から宣誓供述書の作成が進められ、これまで、数回にわたり、弁護士およびロー・スクールの学生による調査・事実確認などが行なわれてきた。
当初は、@刑事裁判(家屋への放火罪)、および、A民事裁判(補償支払の不履行)について提訴する予定だったが、家に対する補償の支払いが完了していることから、刑事裁判については法的に問えないという弁護士の判断の下、現在、民事裁判に絞ったより詳細な事実確認が進められている。
今後、必要文書を取得し(補償に関する事業者との合意文書など)、必要な手続きをとった上で、補償の未払いについての民事裁判を起こす予定となっている。
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貯水池域から移住した人々に集まってもらい、事実確認を行なっていく。(2002年11月)
一人一人、立ち退きの状況や補償の受取り状況について確認する。(2002年11月) |
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◆サンロケダム事業とは?――
ルソン島北西部を流れるアグノ川上流で建設中のサンロケダム(345MW)は、 発電、灌漑、水質改善、洪水制御を目的とした多目的ダム。事業の発電部門を担当するサンロケパワー社は丸紅や関西電力などが出資する現地の合弁企業だ。ま
た、事業の総工費12億ドルのうち約7億ドルを日本の国際協力銀行が融資している。このダムは下流で多くの立ち退き者を出すだけでなく、土砂堆積や集水域管
理計画の不備により、上流の先住民族にも多大な被害を与えると考えられるため、住民組織や自治体、国際NGOが計画の見直しを求めてきたが、ダム建設は現在
99%まで進んでしまい、2002年8月、ダム湖への貯水が開始された。
※より詳細な情報は、WEBサイトでご覧ください。
→https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/index.html
◆これまでにカンパいただいた方々(12月20日時点で合計202,900円のカンパをいただいております。)
ご協力ありがとうございました!
小野 健太郎様、 木原 滋哉様、 柳瀬 真保様、 藤本 伸樹様、 吾郷 健二様、 安田 悠様、
氏家 雅仁様、 内山 賢治様、 大澤 香織様、 高瀬 喜与江様、 坂本 勝様、 篠田 耕児様、
大河内 秀人様、 福岡県有志の皆様、 (有)桜組様、 石橋 昭夫様、 野村 安子様、
計良 光範様、 帯谷 博明様、 津村 信太郎様、 石橋 昭夫様、 近藤 ゆり子様、
長谷部 あゆみ様、 天野 理様、 岩本 乾治様、 長井 聖治様、 田中 敬三様、
内海 晃ニ様、 山下 とも子様、 萩原 たか子様、 森本 竜ニ様、 森田 奈美様
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