これまでの過程


 

亡命チベット人組織を中心に反対運動が行われ、99年6月18日には世界銀行の査察パネルに苦情申し立てが提出されたが、6月24日の理事会では1億6千万ドルの融資承認が決定された。アメリカ、ドイツが反対票を投じ、4ヶ国が棄権、日本は賛成に回った。しかし査察パネルはプロジェクトの調査勧告を提出し、理事会は9月3日にパネル勧告を承認した。

この間、8月に現地に聞き取り調査に訪れたアメリカ、オーストリアの研究者2名が中国の公安当局に拘束され、うち1名が逮捕を逃れようとして重傷を負う事件が発生した。中国政府が約束していた現地への自由なアクセスが実際には保証されていないのは明らかで、これも理事会がパネルの調査勧告を受け入れる一因になったと考えられている。

パネルの調査報告書は2000年4月28日に理事及び世銀の業務部に提出された。その内容は一般には公開されていないが、ファイナンシャルタイムズが内容を入手、公表した。報道によれば、報告書はプロジェクトの融資決定が世銀の政策に違反しており、プロセスや制度などの問題点も指摘している。

一方、世銀業務部は、中国政府に対し、追加の詳細な環境アセスメントを実施すること、独立調査団の派遣を認めることなどを条件に、プロジェクトの続行を認める考えを示しているようである。これを受けてプロジェクトの続行可否を最終判断する理事会は、7月6日に開催される予定である。

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このプロジェクトについて
独立審査パネルの報告書 概要
NGOの要望書
プロジェクト取り下げ(2000.07.06.)


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