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森林認証勉強会・林業視察報告  〜第1回 埼玉・西川林業〜

日本に合った森林認証に、林業の現場の声を反映させようと、各地の林業地視察をすることになりました。1回目は、埼玉の西川林業地を訪れました。

池袋から電車で約1時間、埼玉の吾野にある井上淳治さんの林業地を見学しました。西川林業地は、名栗川・高麗川・越辺川の3流域の林業地です。西川という名は、江戸時代に用材を高麗川・名栗川から荒川を経て流送していたことから、「江戸の西の川からくる材」との意味で呼ばれたそうです。

井上さんの森は、間伐・枝打ちなどの手入れがされていて、地面まで日が入るとてもきれいな森でした。ところどころに径の太い木がありましたが、大径材を残し育てるというのが西川林業の特徴だそうです。この大径材は「立て木」と呼ぶそうです。

昔は完全に売り手市場だったと話す井上さん。でも、林業で生計が立てられたのは戦後の一時期だけの話で、昔からずっと、林業・薪炭材生産・養蚕の複合経営だったということです。

ここではかつてはha当り4,500〜6,000本植えていました。足場丸太など細いものも需要があったからです。 いまは需要がなくなり、ha当り3,000本、1.8m間隔で植え、それでも数十年も手をかけて育てた木の値段は、搬出するだ けで相殺されてしまうこともあります。

井上さんは、厳しい状態でもなんとか林業を続けていきたいと、西川材を使って誰でも好きなものを作ることができる工房「木楽里(きらり)」を開いています。

 

井上淳治さんの林業地を訪れた。
西川林業を説明する井上さん。
下層にはさまざまな植生が。
歩道には運び出された間伐材が積まれていた。
林内作業車デルピス。3輪駆動車。後ろのトレーラで材を運搬する。
ところどころに見られる「立て木」と呼ばれる大径木。
災害の後、皆伐して新しく苗を植えた。下草刈りをしたばかりだった。
二段林のエリア。二段林や複層林は雪や台風によって被害を起こすことがあり、どこでもできるものではないそうだ。
絞り丸太の杉林。超密植にする。趣味で始めたとのこと。
少し登ると、緑豊かな山々を見渡せる。
いのししが体を洗う場所にも案内してくれた。
こちらは手入れがされていない森。倒れかかっている木が多い。
吾野原木センターを訪問。西川材だけでなく、各地から材が運ばれる。
林業地での合同勉強会。
井上さんの工房「木楽里」。西川材を材料に好きなものが作れる。
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