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「フィリピン・サンロケ灌漑事業
中国輸出入銀行から回答――移転の有無等、更なる確認が必要」(2009.09) |
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2009年9月、中国輸出入銀行(以下、輸銀)からFoE Japanに対し、サンロケ多目的ダム事業の灌漑部門である「アグノ川統合灌漑事業(ARIIP)」に関する回答文書(中文)がFAXで届きました。これは、2009年6月22日付けでFoE Japanが中国輸銀に提出したレターを受けてのものです。6月のレターの中で、FoE Japanは、同事業の環境社会問題に関する懸念を中国輸銀に喚起し、慎重な融資判断を求めていました。
中国輸銀は、9月16日付け回答の中で、
・ 同事業はすべてのフィリピン現地法を満たしている
・ 同事業に伴う移転は発生しない
との認識を示しましたが、中国輸銀が自身で現地調査等を行なったかについては言及されていませんでした。
この回答を受け、FoE Japanでは現在、同事業の計画変更により移転を伴わない設計となったのか、あるいは、計画変更が無いにもかかわらず、中国輸銀が移転について誤った認識のまま事業への支援を行なっているのか等、事実関係を確認中です。
(注:日本政府が同事業への融資を検討していた段階では、調整池の水没予定地に居住する約100世帯の移転を伴うことがわかっており、その移転・補償措置を巡り、懸念が挙げられてきました。)
FoE Japanが6月のレターで指摘した主なポイントに対する中国輸銀の回答は、以下のとおりです。
<FoE Japanレターの主な内容>
(1) 十分な代替案の検討が行なわれておらず、国際基準(世界ダム委員会の勧告等)を満たしていないこと
<中国輸銀の回答>
(該当する回答なし)
<FoE Japanレターの主な内容>
(2) 環境影響評価が十分でなく、中国輸銀の環境ガイドライン13−1項(事業者は当該国当局の発行した承認文書および環境社会影響評価の報告書を提出)に違反していること
<中国輸銀の回答>
私達が知る限り、調整池の設計や建設現場、および、取水口の数等はいずれも、フィリピンの環境管理局(EMB)の関連法を遵守している。
同事業の環境適合証明書(ECC)はフィリピン政府によって発行されている。
<FoE Japanレターの主な内容>
(3) 移転計画・土地収用計画が十分でなく、中国輸銀の環境ガイドライン12−3項(地域住民の土地及び資源に対する権利を尊重し、移転問題を適切に処理)に違反していること
<中国輸銀の回答>
調整池事業の建設現場は、350メートル長の筋状の地域で、そこには一人も居住者はいない。したがって、立ち退きは一切伴わない。
※サンロケ灌漑部門の概要・問題点に関するより詳細な情報は、こちらでご覧いただけます。
https://www.foejapan.org/aid/jbic02/sr/doc/20050711.html
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