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「16カ国41団体 日本からの融資決定に待ったの声―サンロケ多目的ダム灌漑事業」
(2006.3.21) |
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※要請書にご賛同いただいた皆様、どうもありがとうございました!
「16カ国41団体 日本からの融資決定に待ったの声
――フィリピン・サンロケダム灌漑事業(アグノ川統合灌漑事業)」
3月21日(火)、日本政府が現在、フィリピンの円借款事業として融資の拠出を検討している「アグノ川統合灌漑事業(旧称:サンロケ多目的ダム事業
灌漑部門)」について、現段階での融資の決定を見送るよう求める要請書が外務省、財務省、経済産業省および国際協力銀行(JBIC)に提出されました。同要請書は2月21日にフィリピンの地元2団体および国際環境NGO
FoE Japanが提出したものと同様ですが、同3団体の呼びかけにより、今日までに16カ国の38団体(NGOや住民団体)が賛同しています。
フィリピンの地元2団体は、これまでにもサンロケ多目的ダム事業の問題解決を
JBICに求めてきた「アグノ川の自由な流れを取り戻す農民運動(TIMMAWA)」と
「コルディレラ民衆連合(CPA)」。同2団体とFoE Japanは、同要請書のなかで、
(1)補償の未支払いなど、サンロケダムの建設が引き起こした問題が未解決であること
(2)農民の灌漑のニーズを満たす代替案の検討がなされていないこと
(3)予測される環境社会影響やその緩和措置が十分に議論されていないこと
など、問題点を指摘。
(1)サンロケダムの建設が引き起こした環境社会問題を解決すること
(2)サンロケダム建設に伴い起きた問題の要因を調べ、勧告をつくること
(3)灌漑事業の環境社会問題について、地元住民の意見を聞きながら、独立した審査を行うこと
(4)上述の要請が満たされるまで、灌漑事業への融資を決定しないこと
を日本政府およびJBICに対し要請しました。
→要請書の全文はこちらをご覧ください。(正文は英語です。)
(英文) https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/pdf/20060308e.pdf
(和訳) https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/pdf/20060308j.pdf
「アグノ川統合灌漑事業(総工費約160億円)」は、当初、JBICが約7億米ドル
を融資し建設されたアジア最大級のダム「サンロケ多目的ダム」の「灌漑部門」
として計画されたもので、ダム下流の70,800ヘクタールの灌漑を目的としていま
す。2000年来、日本政府からの融資が期待されてきましたが、サンロケダムの建
設に伴う地元の環境社会問題に対し、国内外から批判の声があげられるなか、
2001年、日本政府は「灌漑部門」への融資に懸念を示していました。
フィリピン政府は、2002年、「サンロケ多目的ダム事業 灌漑部門」の計画と名
称を変更。対フィリピン第26次円借款パッケージのなかで、「アグノ川統合灌漑
事業」として、再度、日本政府に融資を要請しました。しかし、日本政府はこれ
まで、同灌漑事業に伴う「移転問題」などを懸念し、同事業への借款供与の決定
を見送っています。
現在、フィリピン現地では、116世帯の移転住民への補償金の支払いも始まり、 着々と事業開始の準備が進められており、日本政府の融資決定も間近と伝えられています。
しかし、サンロケダムの建設に伴い被害を受けた多くの住民が、依然、適切な補
償措置を受けていないなど、地元で多くの問題が山積したままのなか、サンロケ
ダム灌漑事業のような大規模な灌漑事業に伴う同様の環境社会問題の発生を懸念
する声があげられています。日本の融資案件に伴い、サンロケダムのような問題
が再び起こらないよう、日本政府による慎重な融資の検討が求められています。
→地元農民団体の灌漑事業に対する懸念については、こちらをご覧ください。
「TIMMAWA 灌漑事業に関するポジション・ペーパー」(正文は英語です。)
(英文) https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/pdf/2006Febe.pdf
(和訳) https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/pdf/2006Febj.pdf
→サンロケダム灌漑部門の概要(2005年6月作成)はこちらでご覧ください。
https://www.foejapan.org/aid/jbic02/sr/doc/20050711.html
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