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地元農民団体 ポジション・ペーパー（JBICの融資拠出を求めるNPCの要請に関して
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2005年1月27日
TIGNAY DAGITI MANNALON A MANGWAYAWAYA ITI AGNO (TIMMAWA)
(PEASANT MOVEMENT TO FREE THE AGNO RIVER)
アグノ川の自由な流れを取り戻す農民運動
JBICのサンロケダムへの融資拠出を求める
NPCの要請に関するポジション・ペーパー
先日、フィリピン電力公社（NPC）は、サンロケダムの建設および操業に対するNPCへの4億ドルの融資のうち残りの10％を拠出するよう国際協力銀行（JBIC）に要請した。NPCはサンロケパワー社（SRPC）とともにサンロケダムの建設および操業を実施している政府機関である。JBICによれば、JBICは現在、今月（1月）中にNPCへの残りの融資を拠出できるよう、融資契約に基づき必要な手続きを進めているということだ。（拠出されれば）これはサンロケダム事業に対する最後の融資となる。
私たちTIMMAWAは、この残りの融資の拠出、つまり、サンロケダムの操業に対する更なる融資について、いかなるものであっても強く非難し、反対する。その代わりとして、私たちは、変えられてしまった環境の回復、影響住民の生活および生計手段の再建、また、サンロケダムの撤去に融資が向けられるよう提案したい。
サンロケダムの建設が始まって以来8年目となるが、直接的に事業の影響を受けた住民は、ダムの建設前の生活水準にまで生活を回復できていない。ダム建設が影響住民の生活および生計手段に及ぼした悪影響を克服できるよう、事業者も融資者も影響住民を支援できていない。建設に使用され破壊された土地の大部分は十分な金銭補償を受けていない。ダムができたことによって止めざるをえなくなった川での砂金採取など、主要な生計手段に取って代わる生計手段も依然としてない。
5ヶ月前、並の台風がこの州（パンガシナン州）を襲った。台風はそう並外れたものではなかったにもかかわらず、同州とその他の近隣の州はインフラや農業、商業に巨額の損害を被る洪水を経験した。パンガシナン州では災害事態宣言さえ出された。これはダムの放水によるもので、台風の雨が止んだ後でさえ、ダムからの放水が続けられているのが確認できた。それに加え、電気料金の値上がりは、特に、（財政的に）負債を抱えるフィリピン政府からサンロケパワー社への巨額の支払いに起因するものである。とりわけ、サンロケダムの建設は現在、すでに取り返しのつかない損害を周辺環境に及ぼした。さらに、その稼動によって現在、周辺の地域のみにとどまらず、アグノ川の河川系全域、つまり、アグノ川の注ぐリンガエン湾から上流のイバロイ先住民族の地域社会までを含む環境、生物多様性、また、生態系に大規模かつ継続的な損害が及んでいる。
私たちは、JBICがNPCへの4億ドルの融資の残額を拠出したとするならば、以下のような結果しかもたらさないと考える。
1. 追加的な税や貸付を通じ、フィリピン国民にさらなる負担を課す結果となる。これは、（フィリピン政府の国家予算がさらに債務返済に向けられることによって）社会サービス部門への予算の低下を意味する。
2. 住民や環境に同様な損害を与え悲惨な結果をもたらすことになる、サンロケダムに関連した他の事業を実施することで、すでに悪化した影響住民の状況をさらに悪化させる。
3. 地方や国家機関・役人の汚職・収賄の新たな温床となる。
私たちは、残りのNPCへの融資の拠出、つまり、サンロケダム事業、また、アグノ川洪水制御事業、アグノ川統合灌漑事業など、サンロケダムの関連事業への日本からのいかなる追加の融資に対しても、断固として反対する。
サンロケダムの操業の中止を！
ダムの撤去を！そして、アグノ川に自由な流れを！
日本の資金や財源によってフィリピン人の生活を破壊しないで！
負担を増加させるような事業への日本の融資やODAの拠出を止めて！
ペーパー提出先：
財務大臣 谷垣 禎一 氏
（財務省担当官：大臣官房参事官（国際局担当） 石井氏、
国際局参事官室 課長補佐 宮崎氏）
国際協力銀行 総裁 篠沢 恭助 氏
（国際協力銀行 総務部 広報室 報道班 調査役 根岸 氏）
在フィリピン 日本大使館
（財務・円借款担当官：池田 賢志 氏）
国際環境NGO FoE Japan
FoE Japan プレスリリース （2005.01.28）
「JBIC融資の最終拠出は止めて！」住民が日本政府へ要望
https://FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/press/20050128.html
地元 住民団体の声明文 （2005.01.31）
「残りの融資の拠出 NPC・JBICに反対し、強く非難する!」
https://FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/statement/20050131.html
FoE Japanから日本政府に対する意見書 （2005.01.31）
「フィリピンのサンロケ多目的ダム事業および関連事業に関する意見表明」
https://FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/pdf/20050131.pdf
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