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第二ダム(楊柳湖ダム)事業の中止を求める都江堰市市民団体からの声明文

中国四川省紫坪鋪ダム - 現地住民からの声
"第二ダムは作らないで!世界遺産、都江堰を守ろう!!"


中国四川省、長江の支流である岷江上流部において建設が進められ、国際協力銀行から約322億円の融資が行なわれている紫坪鋪(シヘイホ)ダム。現在、このダムの調節ダムとして、第二ダム(楊柳湖ダム)の建設計画が持ち上がっています。

これを受けて、2003年7月、中国四川省、都江堰市の市民環境団体が第二ダムの建設に反対する声明を出しました。これらのダム建設により、2200年もの歴史を持つ世界文化遺産「都江堰(トコウエン)*」が破壊の危機にさらされてしまうためです。

FoEJapanでは、これまで紫坪鋪ダムの建設に伴って、第二ダムの建設の可能性が大きく、第二ダムが世界遺産である「都江堰」に大きな影響を与えてしまう可能性が大きいことから、紫坪鋪ダムへの国際協力銀行による融資に反対してきました。しかし、日本政府は「第二ダムの建設は、現在中止されている(2002年7月26日衆議院外務委員会)」とし、紫坪鋪ダムへの融資になんら問題はないとの認識を明らかにしています。

この第二ダムは、岷江の下流に建設され、紫坪鋪ダムの放水を再調整し、その発電能力を50%以上向上させるとも言われ、第二ダムなしの紫坪鋪ダム事業では、毎年5000万元(約7億円)近くの損失が出るとも予測されています。ダム建設を推進する都江堰管理局によると、「楊柳湖ダムの建設は都江堰を守るためにも必要である」と主張されていますが、この第二ダムが都江堰の中心部からわずか350mしか離れていない場所に建設されることで、世界文化遺産である都江堰が破壊される危険性はかなり高くなり、専門家や市民の間でも都江堰への影響が強く懸念されています。

たった一度のダム建設で、重要な世界文化遺産を失うことになっていいのか?なかなか市民が声をあげることのできない国で、必死に戦っている人がいる…その事業の根本を支えているのは、日本政府によるODA(政府開発援助)、私たち日本人のお金なのです。第二ダムの建設が明らかになった今、その事実を真に受け止め、日本政府は紫坪鋪ダムへの融資を見直すべきです。

*都江堰とは…、洪水防御・灌漑・排砂の3つの目的に沿って造られた設備で、2200年もの長い歴史を持つ重要な遺産です。2000年にユネスコの世界文化遺産にも登録され、観光名所としても知られています。

第二ダム(楊柳湖ダム)事業の中止を求める都江堰市市民団体からの声明文(日本語訳)

「世界遺産「都江堰」に作られる新しいダム」 (中国青年報 2003年7月9日)

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