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8月17〜18日、衆議院議員 宇佐美 登 氏が国際協力銀行(JBIC)の融資するミンダナオ石炭火力発電事業のサイトを視察しました。川崎重工および日商岩井がボイラーやタービンなどを輸出し、大成建設や東洋建設が建設の一部を請け負う同事業が、地元の人々のニーズに沿って建設されるものかを確認するためです。
現地を訪問中、宇佐美議員は建設現場の視察、移転住民との対話、事業の影響を懸念する地元農民や漁民との対話――と限られた時間のなかで、住民との直接対話に多くの時間を割いていました。
地元の住民からは国会議員に対し、「石炭火力発電所は自分たちへの健康被害など公害の恐れがあるから反対。」「事業の反対運動をすることで事業者から嫌がらせや脅しを受けているが、自分たちは反対運動を続ける。」「雇用や生計手段を確保してくれると言ったから移転したのに、すでに解雇されてしまった。」「日々の貧困のため雇用や収入は欲しい。だから、石炭火力発電所での雇用を約束されると黙らざるを得ない。決して事業者の雇用の約束を信じているわけではないんだが。」など、事業への反対の意に加え、自分たちの日頃の生活の困難さも多く伝えられました。
農民・漁民らの生活不安や事業への不満が募る一方、建設現場では着々と工事が進んでいます。建設現場へのアクセス道路の仮整備はすでに完了。その道路を大型トラックが何台も通りすぎ、建築資材を運んでいました。
今回、宇佐美議員が視察した中には、JBICが訪問していない場所が多く含まれています。JBIC自身、自分たちがどのような場所・状況下に多額の融資を行なっているのか、地元住民の声を聞き、しっかりと把握すべではないかと痛切に感じま
した。
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<国会議員に事業の懸念を伝える地元住民ら>
(2004年8月18日 FoE Japan撮影)
<ミンダナオ石炭火力発電所の建設現場>
(2004年8月18日 FoE Japan撮影)
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