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波多江 |
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今回先住民族と資源開発というセミナーを開こうと思ったきっかけは、最近のガソリン代の高騰、飛行機の燃料費の高騰など、資源価格の高騰を生活の中でも強く感じられるようになってきたことです。その一方で、日本には資源というものが全くないので、海外から輸入してこなければなりません。
こういったことから考えられるのは、日本政府・日本企業が共同で資源開発にかなり力を入れているということです。社会問題に取り組む環境保護団体が注目するのは、そういった資源開発によってフィリピンやインドネシア,ロシア、アフリカなどで自然環境破壊、そこに住んでいる人たちの強制移転等、様々な問題が起こっているということです。例えば黄砂に関して言えば、山際で開発をすることで、何百年も住んでいる先住民族が強制移住させられ、文化が破壊されるなどの問題が起こっています。
そういった背景には、私達の生活に必要なニッケル、金、銅などを開発するという事実があり、そこで起こっている地元での文化破壊・環境破壊の実態を知ること、また私達に何ができるのかを共に考えていくこと、そして地元ではどんな活動がなされているのか、たとえば、先住民族の方々は資源開発に対してどう思っているのか、どういう風に自分達の生活を守っていきたいのか、を皆さんに知ってもらう機会を設けたいと考え,このセミナーを開きました。
今回はフィリピンからジョアン・カーリングさんを招いています。彼女はコルディレラ民族連合という、フィリピン北部のコルディレラ地方に住む先住民族の権利の保護活動を行っている方です。元は代表でしたが、2006年に代表の座は降り、現在はアドバイザーという形で熱心に活動しています。彼女は昨日日本に着いたばかりなのですが、昨日まではアメリカにおり、アメリカでは国連の先住民族の権利に関する会議に出席していました。このことからも、国際的に活動している方だといえます。
では、早速ジョアンさんのお話をお聞きいただきます。ジョアンさんの話は40分(訳を入れて80分)、その後質疑応答を受け付けます。
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ジョアン |
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みなさんこんにちは。みなさんの中にフィリピンに行った事がある方はいますか。また、先住民族にお会いになった方、あるいはフィリピンの先住民族を知っている方はいますか。今日は先住民族に関しての話ですので、先住民に会ったことがあるかを知りたかったのです。今日はフィリピンの先住民族の話をするわけですが、特に土地や資源の問題など、世界の先住民に共通の問題に焦点を当てる。また先住民の権利における状況や政治的殺害の状況などにも触れ、そして今どういう行動をとっているのか、最後に国連において先住民族がどういう扱いになっているかについても触れます。
フィリピンの先住民はこれまでに確認されているだけでも110の民族に分かれており、一番多いのは南部のほうで、51%がミンダナオ、33%がルソン、さらに北部ルソンがコルディレラ地方であり、私はそこの出身です。他の島々にも散らばっています。コルディレラ地方の先住民はヒゴロットと総称されます。その意味は「山の民」です。そして、南のほう、ミンダナオ島は先住民の60%が存在しており先住民の大半を占めます。
今フィリピンの人口は8500万くらいで、その内1200万くらいが先住民族です。北部から南部まで先住民族は様々な顔をしています。彼らの今日の姿がこれなのです。
そして今日は、特に土地と天然資源の問題について話すが、これはフィリピンに限らず世界中で先住民との関係で問題になっていることです。なぜなら、先祖の土地こそがアイデンティティーの拠り所であり、その土地を我々が持っている、私達の土地なのだということ、そして先祖が長年その土地を大切にしたからこそ今のわれわれがあるのだ、という大切なものなのである。
ということで、我々の生活の一番重要な基盤が、土地であり、資源であり、おしてそれがまた民族としてのアイデンティティーの拠り所であり、私達が先住民として人として、土地や資源との関わりの中で我々のアイデンティティーがあるのです。
また写真で分かるように、土地というのは、ただ単に陸地の部分だけではなく、先住民にとっては水などの資源も含まれる。特にフィリピンの南のほうでは沿岸地域であるので、水も土地の一部である。それから、いかに土地や資源が重要であるかということは、私達の生活の基盤そのものであるということもありますし、それを大切にして将来の世代にも残すという意味もあるのです。
ですから、我々にとって土地や資源というのは大切であり、とても大事にします。よって自然を乱開発することはせず、自分達のニーズを満たす分だけ活用するということです。
そしてまた、土地・資源と私達の関係が、私達が民族として持つ制度の基盤の有り方、具体的には意思決定プロセスの有り方、高齢者の役割のあり方、そしてコミュニティのみんながどう協力していくかという地域社会としてのあり方そのものを決めています。
ここで、フィリピンの法律の中での、先住民の位置付け・存在を確認しておきます。1997年の先住民県議法の中での、先住民の定義を引用します。「先住民とは、緊密な社会の一つの集団であり、それは自らのアイデンティティーによってそれが示され、または他の人々がそれを確認することによってアイデンティティーを示され人であり、そして組織だったコミュニティとして閉塞的に生活をし、彼らの了解によって定義され、また、古代よりそこに住み着き所有し活用してきた領土を持ち、共通の言語・習慣・伝統・その他の文化的特徴を共有し,そして植民地化などによる文化の侵入,あるいは政治的・社会的な侵入に、または非先住民的な宗教・文化に抵抗し、歴史的にフィリピン人の多数派とは区別している人々」です。
以上のように、法律では先住民の存在を認め、彼らの持つ土地や資源に対する権利を認めているわけですが、実際には先住民はそれらを奪われているわけです。まだ皆さんはその事実を知らないと思いますが、依然として先住民族の件に関してはフィリピンには君主制が残っているともいえます。かつてスペインがフィリピンを植民地化した時には、スペインの国王がフィリピンの土地や資源を所有していた。現在では国王に代わって国家がフィリピンの資源を保有しているのです。これは憲法で決められているからです。
1987年の憲法でも君主制の名残のようなドクトリンがあります。それを引用すると、「パブリックドメインの全ての土地・水・鉱物・石炭・石油・その他の鉱物資源・潜在的なエネルギーになるもの・漁業資源・森林・材木・野生生物・植物・動物・その他の天然資源は、国家がこれを統治しする」とされています。これは国家が生まれる前,まだスペインの植民地だった頃から、先祖が大切に育んできた土地も資源も憲法により国家によって奪われているということになります。
また憲法では、先住民の文化的なコミュニティとしての権利を,国家の開発の統一という名のもとに認めるということになっています。よって国の開発の権利というものを掲げれば、我々の権利は認められないということになってしまいます。
ですから国家の開発に寄与しなければ先住民の権利は認められないという、逆のことが起こるということです。そういった点でフィリピンにおいては問題が生じます。それは、国によって我々が抑圧されるということであり,搾取を受けるということであり、我々がますます弱い立場に追いやられるということです。それから、一つ説明しておくと、このパワーポイントのファイルに出てくる写真は、すべてフィリピン各地に住む先住民の写真です。
国による抑圧というのは,先住民が社会的・経済的・文化的開発を自ら求め、自分達の政治的な立場を自分達の意志で決定するという権利を否定するということなのです。
そして政府は必ず、「国の発展のため、開発のため、国益のため」ということを言うが、それらの土地や資源の利用は、実際はフィリピンの大多数にとってもプラスになっていないのです。実はフィリピンを支配しているエリートや、外国のパートナーの為のものなのです。
実際には、それらの土地や資源を利用しているのは企業ということになります。そして企業ということになると、当然日本の人たち・日本の投資家たちが関わっているということになります。
そして国による抑圧というのは、先住民の土地に対する権利を奪うということでもあるし、開発の名のもとに進出してきて土地や資源を奪ってしまうということ、武力を行使してまでそれを行うということ、先住民の社会的・政治的制度・先住民の声を反映させない動き、制度化された差別、先住民の文化の商品化という問題でもあるのです。フィリピンの先住民のみならず、世界の先住民に共通の問題でもあります。つまり日本のアイヌの方々、沖縄の方々にも共通した問題であるといえます。
そして具体的な例を紹介すると、土地に関する法律が不公平にできており、元は自分達の土地なのに所有者として認めてもらえないということがあります。森林開発や鉱山開発、またアグリビジネスの開発をするのだという時、土地の所有者は企業のものになっています。これは、ミンダナオの一つの村の写真ですが、アグリビジネスの開発のために家を取り壊して農地にするということになるのです。
ここに書かれていることは,法律の問題で複雑ですので、あまり立ち入りませんが、一つだけ述べておくならば、最初に行われるべき自由なインフォームド・コンセントという考え方があります。皆さんご存知でしょうか。これは先住民の権利を守るという上では、一つの国際的な基準になっています。ですから先住民がいる場所でのプロジェクトを進めたいという場合には、自然に住民にとって自由な形での意思表示を、「こういうことをやります、そしてどういう結果になるか」、という情報を十分に与え、納得してもらった上で、同意を得るというのがFree Prior Informed Consentということの意味なのです。先住民権利法はフィリピンにも存在し認められているが、たびたび破られるということが起こっているのです。そこで先住民の人たちの土地や権利が奪われるということが起きているのです。
そして、先住民の意思決定のあり方を、企業などプロジェクトを進める側は操り、先住民の権利は守られないわけです。それはたとえばどういう形で行われるのかというと、法律の中では住民の代表が協議に参加しなくてはならないということになっており、そしてそれは年配のリーダー・長老のような人が関わることになります。確かにそれは先住民の伝統の中に長老が意思決定を行うということがありますので、その点では伝統を重んじているといえます。しかし実際にどうするかというと、カナダのPDIという鉱山会社は、インフォームド・コンセントを確かに自由な形で事前に行わなくてはいけないわけですが、企業側が勝手に引っ張り出した偽の長老が賛成したからこのプロジェクトは進めるのだということを言うわけです。
具体的には公共サービスを提供するから、その見返りとして開発プロジェクトに賛成してくれないか、ということを企業側は持ちかけるわけです。この写真は、典型的な先住民が住んでいるような村の状況です。電気も水道も、病院などの医療施設もありません。学校もあったとしても遠くにしかないのです。そういうところに鉱山会社であるとかアグリビジネスの人がやってきて、その村の人たちに言うのです。「皆さん、学校は欲しくありませんか。道路はどうですか。雇用も必要なのではないですか。我々が提供しましょう。ただし我々のプロジェクトに賛成してくれたらです」と話を持ちかけるわけです。そういったエサを目の前にぶら下げられて、「いやです」と言える人が果たしてどれだけいるでしょうか。そういう交換条件を突きつけて、我々の土地や資源を奪うというのは、とても公平な交換条件ではないと思います。
そしてもう一つ行われるのは、賄賂です。サンロケダムという巨大プロジェクトでもそれが見られました。地元の政治家などに、お金や車が贈り物として渡すのです。地元の自治体の支持があったという形にするのです。その他にも道路作りや、生活の向上や、農作業の為の器具を提供するなど、いろいろな話を持ちかけるのです。このサンロケダムというダムは、日本の国際協力銀行の融資でできたプロジェクトであり、そこでは元の意思決定プロセスを踏みにじるようなことが国際協力銀行によってなされたのです。地元住民や地元自治体の支持がこのプロジェクトにはあります、という見せ掛けの合意を形成したのです。
また、地元のリーダーのような人たちの中で、こういったプロジェクトに反対であったり批判的であったりする人に対する嫌がらせ、脅し、脅迫が行われます。つまり、やかましいことを言う人を黙らせようということが行われるのです。
次に、住民に対して間違った情報を与えるということが行われているということです。たとえばサンロケダムのケースでは、ダムができることによって河に堆積物が溜まっていきます。しかしそういうことは言わず、いいことばかりを並べるのです。たとえばサンロケダムができれば助成金も降りる、雇用条件も良くなるということなどです。このようなコミュニティプロジェクトによって地元は有利になるのだということを言うわけです。一方で口にしないこととして、河の汚染や土砂の堆積で田んぼまでが埋まってしまうことなどです。
そしてインフォームド・コンセントの条件や中身をもっと詳しく見ると、まず自由でなくてはなりません。どういう意味かというと、その合意の強制があってはならないということです。あるいはそこに条件がついていてはならないということです。それから「先に(Prior)」、つまりプロジェクトが始まる前に行われなければならないということです。ところがサンロケダムでも、この部分で明らかに違反があったのです。住民に話が持ちかけられたときには、プロジェクトは既に始まっていました。これは明確なこの原則の違反です。それから「Informed」とはどういう意味かというと、十分正しい情報を与えなければならないということです。どういう融資が行われるのか、その融資にはどういう条件がついているのか、そのプロジェクトによって環境・社会にどういう影響があるのか、きちんとしたアセスメントは行われたかどうか、について、それらの情報を住民に分かりやすい形で提供しなくてはならないということになっているのです。言語にしても住民が理解する言語でなくてはなりません。たとえば、国際協力銀行団から日本語でそういった情報を持っていっても意味がないのです。また英語でも住民達は十分に理解できないのです。ちゃんと理解できる言語でなければ意味をなさないのです。つまり、正しい情報が、理解できる形で与えられ、それに納得したことで、住民の意思の決定にあたらなくてはならないという原則になっているということです。
そして最後に、インフォームド・コンセントにおける「Consent」の部分に関してですが、これは「同意」という意味ですし、住民の「総意」でなくてはなりません。よって一部に反対があれば、住民から「Consent」を得られたということにはなりません。ですから、プロジェクトは進められないはずです。そしてこの「Consent」というのは、「Consultation」、つまり「協議」とは別物であるはずです。「協議」というのはプロセスであり、「Consent」というのは結果です。世界銀行では、先住民に関する原則があるのですが、ここでは「Free
Prior Informed Consultation」となっているのです。
そのような状況があっても、開発プロジェクトが進んでしまいます。私達はそれを「開発侵略」という言葉で呼んでいます。非常に破壊的な鉱山開発、森林の伐採、ダムの建設、そしてそれに伴う先住民の苦しい生活、資源、アイデンティティーまでもが破壊され、奪われるというものなのです。この写真を見ていただくと、左側が先住民の住んでいる土地にある田んぼです。それが開発の結果、右のような状態になってしまいます。当然そういうプロジェクトが起これば、住民は抗議行動に出ます。そういった反対の声が出たときに、プロジェクトを進める側はどういった対応に出るかというと、軍事的な対応であるのです。武器でそれらを抑えるのです。
そしてプロジェクトの中でも、例えば大規模鉱山開発というものがあります。1995年のフィリピンの鉱山法によって、鉱山の外国企業による100%の所有を認めるようになりました。これにより、現在先住民の人たちが住んでいる土地の半分ほどに対しては既に外国企業の鉱山開発許可を求める申請がなされています。それらを行っているのは、カナダやアメリカやニュージーランドの大企業なのです。ですから、そういった開発でどういった破壊が起こるかは想像できると思います。
この写真は、私の住んでいるコルディレラ地方の露天掘りです。これまでは私達の活動で何とか食い止めてきましたが、今多くの企業が入り込んできていて、これから様々な地域で破壊が進むと思われます。
これはもう一つ別の写真です。私の出身地方の鉱山開発です。こういう開発によって先住民の土地の環境破壊が合法化され、そして土地の収奪、資源の収奪、多国籍企業によるこれらの開発が制度化されたということなのです。そして、それはフィリピン国民の利益というより、多国籍企業の利益になるのです。
先祖の土地をそういった鉱山開発によって奪い、人々の生活を奪い、人々の生活の安全を奪い、農業の為の土地を奪っていったのです。そういった破壊をすると同時に、環境汚染、特に河への有害物質の垂れ流し、大気の汚染も起こしました。たとえば、一個の金の指輪を作るのに、私の土地では有害廃棄物7トンから8トン(トラック10台分)が生みだされています。大規模鉱山の場合はそうで、小規模な鉱山ではそこまでにはなりません。
ですから、大規模鉱山開発には必ず環境破壊が起こるのです。どうか皆さん、大規模鉱山開発の結果作られる装身具は買わないようにしてください。先住民の人たちが行っているような小規模で作られるものは逆にお勧めです。彼らの生活を支援することにもなりますし、彼らは環境に対して適切にそれらを行っているからです。
次にダムに関してですが、現在既に稼動中のもの、計画中のものを含め、先住民の土地で7つのダムがあります。それはいずれも外国の企業がそこに関わっている、または、所有しているというものになります。
ダムについては既にサンロケダムのことを紹介しましたので、これ以上話すのはやめましょう。次は、土地利用の変換についてです。これは食糧の安全保障という問題を先住民の人々に投げかけることになります。土地の変換を行って、現金作物の単一栽培を行おうということで、マンゴー、パイナップル、バナナなどを植えるのです。そして日本に輸出されます。しかしそういった農業のあり方のために、先住民は土地の変換を強いられているという状況なのです。また、お米が先住民にとっては主食であるが、それに代わって野菜などを栽培しようということになります。そしてそれを換金作物として売って収入を得ることになるのです。すると、米を自分たちのために作っている分には食糧の安定供給は確保されますが、現金作物になると、お金に依存するという生活に変わっていきます。ですから自分達が売るものと買うものというのが出てきて、そのプロセスの中で先住民は損をしてしまうことになるのです。なぜなら自分達が売るものよりも買うものの方が高いからです。たとえば、台湾から一部買うものもあるのです。
そして国による住民の抑圧の中には、文化的なものも含まれます。いわゆる文化の商品化です。先住民の文化を盛んにpromoteするのですが、先住民のアイデンティティーの一部としてそれをpromoteするというより、政府は私達を利用してビジネスにしているということなのです。その結果、私達は前と貧しい状況には変わりないけれども、文化を売り物にすることを強いられているのです。この写真はイフ河という世界7大不思議の一つの写真であり、確かにきれいな写真ではあるが、写真を撮らせるためにお金を取るという、文化の商品化がなされているのです。
そして先住民の状況に関する問題の一つは、公共サービスがあまり行き届いていないということが挙げられます。公共サービスに関して言えば、フィリピンの中でも先住民は最も貧しい状況にあるといえます。医療施設あるいは教育施設、水道などが行き渡っていないのです。これが先住民の人々が学ぶ教室の典型的な一つの姿です。読み書きのレベルも低いのです。
加えて、食糧の安全保障に関する先住民の状況はよくありません。依然として飢えている状況があるのです。アジア開発銀行の1988年から1997年までの調査によると、フィリピンのそういった状況はよくなっていません。とてもフィリピンの先住民の経済的状況に進歩・向上・前進は見られません。そして去年の調査においても、飢えている人々の大半は先住民ということになっています。
もう一つの問題は軍事化という問題です。自分達の土地や資源を守るため、先住民が立ち上がり、抗議をするということになると、それに対する対応があります。それは武力です。上の写真は、ヘリコプターで兵士が監視している写真、下の写真は、村に行く車をチェックしている写真です。軍事化の状況の中でも、最もたちが悪いのは準軍事組織の設立です。正規の国軍ではなく、武力を持った兵隊ではあるが、"準"という位置付けです。その人員を先住民の若者から補充していくのです。つまり、先住民に武器を与え、先住民を取り締まるということです。それがまた紛争の種になり、いっそう人々の対立が深刻化するのです。
軍事化によって、様々な人権侵害が起こります。たとえば強制移住、(上の写真にあるように)上からの空爆、無差別発砲、虐殺、殺人、兵糧攻め、拷問、恣意的な逮捕、違法な拘束などが行われています。
次に、政治的殺害という問題がフィリピンでは起こっています。中でも、先住民が犠牲となったケースとしては、2003年1月から2007年6月までの間に83人が殺されてしまいました。
いろいろな場所・どのような人、という内訳には載っていませんが、右上の写真は、典型的な開発に抗議している写真です。彼は、ドマダクトダムに抗議したリーダーであったのですが、2006年6月8日に殺されました。実は今日はマッコイさんの一周忌にあたるのです。私は彼と同僚で、同じオフィスで働いていました。非常に活発で献身的な活動家であったのですが、去年殺されたのです。
そしてもう一人、私と一緒に活動していた人が殺されました。右上の写真に載っているホセ・ドトンさんです。サンロケダムに反対した重要なリーダーでした。彼が殺されたのは去年の5月16日でしたが、いまだに何も当局からの反応はないのです。そしてマッコイさんは6月でした。また、左の写真で三番目の人の場合は、身体中に弾丸を浴びて亡くなっていたのです。他にも二人の人が亡くなっており、写真の左側にはロビーさん、ペペさん、アルバートさんの三人が載っています。いずれも私と同じ地域で、私と共に活動していた人たちです。当局はこういった事件の解決に、いまだ何も動き出していません。
もう一つ政治的殺害について述べるならば、それはカリンガの人についてです。このケースでは一家が殺されました。待ち伏せ攻撃に遭って、奥さんは命を落としました。夫は、外科医であったが手に負傷をし、手はもう動かなくなり、手術を行うことができなくなってしまいました。さらに、三人の女のお子さんがいたのですが、国にいては危ないということで、カナダに亡命しました。私は今回カナダにも行って来たので、彼女達に会ってきました。外国で生活を続けるのは大変だと思います。特に医師であったのに、手術ができなくなった外科医である夫は大変だと思います。写真は彼が待ち伏せ攻撃を受けたときに乗っていた車です。彼は非常に有力な家系の出身であり、おじさんは元上院議員、もう一人のおじさんはカトリックの司教でありました。つまり、もう誰も安全ではなくなった、というフィリピンの状況があるのです。
ここまで、どういう人たちが殺されているのかという例を紹介してきましたが、中には五人の政治家というケースもあります。彼らは、地方で住民の意思によって選ばれた政治家であり、土地や資産を守ろうという住民の運動に非常に理解を示してくれていた人たちなのですが、だからこそ殺されてしまいました。他にも、教会で働いていた三人の人が殺され、さらには女性も殺されているのです。内四人は妊娠中の人でした。もう誰も安全ではないのです。また子供までもが殺されており、16人は18歳未満の未青年であったのです。彼らは虐殺事件で殺されています。それから、狩猟をする人も七人殺害されています。彼らは政府に対する反乱軍と間違われて殺されました。よって、政府に反対し、自分達の権利を主張すると狙われ、殺されるという状況があるのです。
そういった政治的殺害に関しては、強い非難の声があるのですが、今なお政治的殺害は続いています。そして懸念されるのは、謎の失踪事件の数が増えているということです。突然何者かに連れ去られ、跡形もなく消えてしまい、事件の目撃者もいない、という事件に巻き込まれた人が200人余りになりました。しかしこのような事件に関しては、裁判を起こすことや、捜査をしてもらうことが難しいです。まず死体が見つかりません。そして証人もいません。また、リーダーの人たちには、絶えず当局の監視が続くのです。去年以来、私もこういった運動を行っていますので、暗殺リストの上に載ったということで、絶えず監視が続いているのを感じています。24時間バイクなどが付きまとい、私達のことを監視しているのです。私の家や車の中も調べられた状況がありました。ですから私はボディーガードをつけていますし、警察にも自分の状況、同僚たちの状況を相談しました。しかし私達にはほとんど助けの手立てがない状況です。無防備でもありますし、それに対して彼らは武力・暴力で向かってくるのです。それに対して、私達は暴力を使いたくないのです。よって私達はただ正しいことをやっているのに、自分達を守る手立てがないという状況です。しかし私達は正しい主張をし、正しい行動を取っているのであるので、怖がる必要はないという気持ちで、胸を張ってこれからも運動を続けていくつもりです。
しかしながら、このような状況はさらに悪化すると我々は予測しています。なぜなら、新しい対テロ法の動きがあるからです。その中でも、2007年には人間安全法ができます。安全法といいながら、どのようなことをするのかというと、テロの容疑者であれば、起訴もなく、証拠もなしに恣意的な逮捕・無期限の拘束が可能であるということです。これは警察官が、目つきが悪い、顔つきが気に食わないという理由で勝手に逮捕できるということなのです。おまえはテロリストだと一方的に決め付けられるということなのです。あるいは自宅軟禁やパスポートの取り上げ、銀行の通帳の取り上げ、資産の凍結など様々なことが、テロリスト容疑ということでできるようになるのです。よってこれからもさらにそういった抑圧を受ける活動家や、政府に対して批判的な意見を持っている人が増えていくだろうと、私達は思っています。しかしそれは、国際的な圧力が高まらなければそうなってしまうということです。あるいは、今裁判が持ち上がっており、最高裁においてこういった法律のあり方は憲法違反ではないのかということに関して、判断が下るところです。よって、そういった裁判で憲法違反の判断が下されなければ、また、国際的な非難の圧力が高まらなければ、こういう状況はどんどん悪くなるということです。
最後に少し希望をもてる形で、私の話を終わりにしたいと思います。それは国際的なレベルにおいての動きです。国連の人権理事会において、国連において先住民の権利を認めるという宣言を既に採択しました。これは非常に重要です。なぜなら、今先住民の人権が甚だしい侵害を受け、事件がどんどん生まれているという状況は、フィリピンだけでなく、アフリカ・アジア・ラテンアメリカなどで広く起こっているからです。そして今年9月に同じ宣言が、さらに国連総会において採択の方向に向かえばと思っています。フィリピン政府も既に、人権理事会ではこの宣言に賛同しています。そして日本政府は他のアジア諸国に対しても、多大な影響力があると思います。ですから、総会においてもこれが採択される方向に向かってくれればと思っています。そして先住民の社会正義に対して対応がとられるようになっていくこと、ついには、先住民の土地・資源の権利が認められなくてはならないと思います。もし認められれば、今私達が直面している問題も少しは和らぐことになるでしょう。加えて、国際金融機関の動きの中にも、歓迎される動きがあります。日本の国際協力銀行、あるいはアジア開発銀行でも、自分達の方針を見直そうという動きがあるのです。ですからその中で、私が今日話した"Free Prior Informed Consent"という原則が採択されるように期待したいと思います。そしてODAであれ、外国からの融資・投資であれ、その中で先住民の権利が守られる事を期待している次第です。以上、ありがとうございました。
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波多江 |
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ジョアンさん、どうもありがとうございました。経験豊富でいらっしゃるので、資源開発に伴ってフィリピンの先住民族が直面している問題を具体的に話していただけたと思います。フィリピンには非常に多様な先住民族がいる中で、彼らが開発において直面している問題、たとえば同意を取るにあたって企業や融資者がmanipulateし、伝統的なリーダーでない方達をリーダーに立てることや、間違った情報を先住民族の方達に与えて同意を取らせるなどの問題があり、そういった状況の中で開発が進められているのだ、ということを報告していただけました。その上で、先程金の指輪の話にもありましたように、何百ヘクタールもの自分達の土地がそういった形で奪われているという状況があるということを報告してくださいました。そういった状況下で、彼女の同僚の方もここ5・6年の間に次々に殺されているわけですが、自分達は命をかけて自分達の文化・社会・コミュニティを守る為に活動しているというご報告でした。これから、ジョアンさんのご報告に対して、質問等を一つずつ伺っていきたいと思います。質問の際によろしければ、お名前とご所属を伺えればと思います。では、前の方からお願いいたします。 |
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質問者@ |
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今日はお話本当に有難うございました。現実の問題として捉えられるようになった気がします。いくつかある質問の中から、一つを取り上げて質問したいと思います。フィリピンではこれまで政府のリーダーが何回も変わったと思うのですが、その変化の中で、先住民の権利に関する交渉はありましたか。また、政府と軍部は一体化しているのか、それとも先住民への武力の行使は軍部が独立して行っているのですか。つまり、政府の意思で武力行使が行われているのか、それとも政府の意思とは異なるところで武力行使は行われているのか、ということです。 |
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ジョアン |
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非常に興味深いご質問をありがとうございます。国のリーダーが変わり、政権が変わっても、先住民の状況は変わらないのです。そして殺害の状況や人権侵害の状況は変わりません。むしろ殺害の状況や人権の状況はひどくなってきています。マルコス軍事政権の時代よりも悪いとは言いませんが、ほぼ同じぐらいの状況になってきています。当時は戒厳令がありました。今は、戒厳令はないのですが、それでも殺人が行われ、恣意的な逮捕が行われ、失踪ということが起きています。ほとんどルールがないような世界になってきているのです。
それから、軍が政府と一緒なのか離れているのかという質問に関してですが、確かに大統領という政府のトップの人が、軍部の最高司令官でもあるということで、政府の下に軍部があるべきはずなのですが、軍はある程度政府から離れた力を持っています。特にこういった政治的殺害を背後で操り、支持していると考えられるのは、軍の中でも右派の人たちです。そういった右派・強硬派の人たちは、大統領とはいえ思うようにはなりません。大統領は軍の最高司令官ですから、彼らにやめろということは確かにできるのですが、それを行うと軍のほうで、大統領を支持しないという票を入れるかもしれません。軍から支持されなくなると、この政権は終わりということになってしまいますので、そういう指示は出せないというわけです。と同時に、今の政権は殺害が行われることによって利益を得ているともいえるのです。なぜなら政権に対する批判を消しているわけだからです。
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質問者A |
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A:有難うございました。私We21 Japanの松沢と申します。お話の中で、先住民の若い人たちが準軍事組織に勧誘されて入っているということでしたが、それに対して、若い人たちに話をするなど、CPAは何か活動を行っているのですか。 |
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ジョアン |
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準軍事組織が先住民に対して人員を募集するという状況において、私達も政府に対してやめてくれ、先住民の中で仲たがいが増えるばかりだ、というように抗議しています。そして長老達も、若者に伝えています。しかしながら、子供達には仕事がないという現実があり、軍に入れば給料がもらえるという魅力があるのです。また、銃も与えられます。銃を与えられると、力を持ったかのように感じてしまい、これは非常に魅力になっています。ですからこれは大きな問題なのです。私達も働きかけて、組織に加わらないようにと伝え、少なくともその数を減らしたいと考えているのですが、簡単にはいきません。仕事がなくて、収入がないから加わるのであって、自分達と同じ先住民には敵対しないから認めてくれ、という答えが返ってくることもあります。 |
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質問者B |
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和歌山大学環境システム学科の平田と申します。かつて、先住民族の中で少し生活していたことがあります。聞きたいことは、1970年代から80年代にかけてチコ河ダムの開発があったと思います。(サンロケダムと)同じように、日本の協力銀行が関わっていたと思うのですが、その時は先住民の方々による反対運動が見事に成功しました。その後、山間部で自治権を得るまでになったと思います。しかし、話を聞いていると、サンロケダムはかなり様子が違うような気がします。それはなぜなのでしょうか。そしてサンロケダムに関する反対運動は、なぜチコ河の時のようにいかないのでしょうか。今日のプレゼンテーションを聞いていると、かつては政府や軍など敵が分かりやすかったのではないか、そして住民のほぼ全員が反対していたのではないか、と予想されます。しかし現在は、軍の中にもチームがたくさんあり、住民の中にも開発に賛成していると思わされている人がたくさんいる、ということから、反対運動が行いにくくなっているのではないか、という気がしました。 |
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ジョアン |
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チコダムとの違いに関して触れてくださって、ありがとうございました。チコダムとサンロケダムとの間には様々な違いがありました。まず、チコダムは高地に作られたもので、ダムの建てられる場所にいくつもの先住民の村が存在していました。ところがサンロケダムの場合は、ダムの建設地は、先住民の住む村の外であったのです。しかも、村よりも低地にダムを作るという計画でした。そういう理由から、チコダムの場合は、村人達が物理的に身体を張って、ダムの建設を阻止するという行動に出たのです。また、性格的な違いもあります。チコダム辺りの先住民の人たちは、非常に好戦的で激しい人たちであり、自分達の土地を守る為には命を捨てても構わない、というような戦士でありました。ですから、村人を守る為に戦うつもりだったのです。ところが、サンロケダムの方は、イバロイという人たちなのですが、ここの人たちはおとなしく平和的な人たちなのです。だから、自分達の土地が奪われるという嫌なことが起こるのであれば、戦いを挑んで守るのではなくて、自分達が他所へ移動してしまおうという姿勢だったのです。ですから、サンロケではダムが完成してしまったのです。 加えて、サンロケの場合、もう一つ重大な点があります。チコの場合にはいくつもの村にまたがるような形で、ダムが作られるという状況であったのに対し、サンロケダムの場合は、その土地は既にその土地のオーナー(企業側)に売り払ってしまっていました。先祖の土地ではなくなっていたのです。ですから、法的に企業が所有権を得た土地ですから、その土地で何を行っても勝手、という状況がそこにあったのです。フィリピンの他の地域での開発においても、法的に企業が土地の所有権を得てしまうというケースがあり、そういった場合には、チコの時のようにはいかないということなのです。
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質問者C |
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静岡から来た玉木と申します。前半の先住民族権利法に関してなのですが、条文を読む限り、画期的な権利を保障したものになっています。しかし、今日の話にあったように、いくらすばらしい条文であっても、事実上開発による権利侵害が起きています。とはいえ、あの存在が無意味なわけではないと思います。一つの欠陥は、罰則の規程が全くないということです。先住民族権利法の定める意図が実現に向かうことを目指すべきだと思います。また、もう一つ忘れられていますが、先住民の定義自体にも欠陥があるということです。たとえば、先祖伝来の土地の権利を強調するときに、何百年もそこに住み所有していたという、「先祖代々」といった言葉が使われているわけですが、それを拠り所にすることは可能であると考えます。しかし、裏を返せば、動き回っている先住民はその対象からもれてしまうということになります。私が十年来付き合っているケソン州の先住民族が村に定着したのはここ20年くらいのことで、森の中を動き回っていたのです。ですから、いくら現在彼らが自立のために自分達の権利を主張しようとしても、「先祖代々」の概念には全く当てはまらないのです。よって、「先祖代々」のように限定されない先住民族の権利を考える必要があるのではないでしょうか。 |
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ジョアン |
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おっしゃる通りです。紙の上では、世界で最高の先住民の権利に関する法律の一つであると思います。先住民の集団的な権利をそこで認めているからです。しかしながら、実際面に問題があって、紙の上と現実との違いということが挙げられます。そして、特におっしゃられたように、懲罰がないということは、この法律に違反が起きても処罰がないということです。ですから我々は、その法律の施行状況をモニタリングするメカニズムを作って、違反に対応して欲しいと訴えています。それで初めて先住民の社会正義の場とされるのだ、と訴えているのです。
それから、その法律の中にある「太古より」という表現ですが、私はこれで適切だと思います。それで、定住せず動き回る人たちの土地に対する権利も保障されるようになると思います。と言うのも、土地と言っても広い範囲が関わるということです。例えばアイタという先住民は、ヒナツボ山も自分達の土地であると主張しています。彼らは山から山へ動き回っていますが、別にある特定の時間、ある特定の土地にいなければ、先住民として認識されないということにはならないと思います。ですから、「先祖の領地」という表現は広い概念であり、「太古から」という表現でも適切であると考えます。また、動き回ることも権利の一つと言う意味で、今の表現のままでも、アイタの人たちも先住民であるという認識は得られると思います。それから、先住民族権利法でいえば、最低30年同じ土地で過ごせば、先祖代々の土地として認められるとされています。
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波多江 |
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ありがとうございました。いろいろとまだ議論・質問もあるかと思いますが、17時半になりましたので、質問は打ち切らせていただきたいと思います。今日は二時間お付き合いいただいて、先住民の権利をどのように資源開発の中で守っていくのか、どのように先住民の権利が侵害されているのか、について話していただきました。ジョアンさんの実体験に基づいて、地元の状況を話していただくことで、地元でどういった被害状況があるのかという認識を深め、また、そういった問題を考えるきっかけにしていただければと思います。その後、自分達には一体何ができるのかということを、続けて考えていただければと思います。セミナーを終わらせていただきます。ありがとうございました。 |
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