【声明】県民投票で示された沖縄の民意を尊重し辺野古新基地建設の中止を
国際環境 NGO FoE Japan
美ら海にもやんばるにも基地はいらない市民の会
辺野古新基地建設の是非を問う 2 月 24 日の沖縄県民投票では、またもや建設反対の圧倒的な民意が示されました。新基地建設反対が 43 万 4273 票 72% を獲得。すべての市町村で反対が賛成を大きく上回りました。
沖縄の民意は繰り返し繰り返し示されてきました。昨年 9 月 30 日には、辺野古新基地建設反対をかかげる玉城デニー氏が、対立候補に8万票もの大差をつけて圧勝。近年の国政選挙でも、軒並み基地建設反対を掲げる候補が当選を果たしています。今回もまた明確に辺野古新基地建設の民意が示されたことになります。日本政府は繰り返し示されてきた沖縄の民意を尊重し、辺野古新基地建設を中止すべきです。
例のない難工事 総事業費は青天井、工期も不明なまま
以前から埋立海域の大浦湾側には「マヨネーズ」並みの超軟弱地盤があることが指摘されてきました。防衛省はその事実を隠し、問われるたびに「まだわからない」と言を左右にしてきましたが、その傍ら既成事実を積み重ねるように土砂投入を急ぎました。最近になって、軟弱地盤は最大で水深 90 メートルもの深さに達することがわかりました。このような深さの軟弱地盤の改良工事は国内でも実績がなく、世界でも類をみないといいます。
総事業費はいくらになるのでしょうか。工期は何年になるのでしょうか。
辺野古新基地建設は普天間返還の見返りとされていますが、仮にそうであっても何年先になるかわからない新基地完成を待つのでしょうか。
事業費や工期というもっとも基本的な情報すら示さず、強引に進める。そのようないいかげんな公共事業は他に例があるでしょうか。使われるのは私たちの税金です。
普天間基地は即時返還を
面積にして日本の 0.6% にしかすぎない沖縄に、 70 %を超える米軍基地が押し付けられてきた理不尽を、私たちは直視しなければなりません。 1995 年の米兵による少女暴行事件を機に、あまりのことに耐えに耐えてきた沖縄県民の怒りが爆発しました。高まる反米反基地に危機感を覚えた日米両政府はSACO(沖縄に関する特別行動委員会)を設置し、沖縄の米軍基地の整理縮小を方針としてかかげました。日本政府が、もし沖縄の怒りや悲しみに寄り添うのならば、「世界一危険」と言われている普天間基地が、即時に無条件に返還されるようにアメリカに求め、その実現に力を尽くすべきです。辺野古新基地建設を既成事実として推し進めるべきではありません。
いのちの海を破壊する
辺野古・大浦湾は世界でも有数の生物多様性を誇る「命の海」です。日本では絶滅の恐れが最も高い哺乳類のジュゴンを含め、確認されているだけでも絶滅危惧種 262 種を含む 5,300 種以上の生物が確認されています。
いま、沖縄県との約束を反故にしたまま、環境破壊が進められている状況です。大浦湾で確認されていたジュゴンは、調査と工事の影響のせいか姿が見えなくなっています。埋め立て海域や周辺で見つかった オキナワハマサンゴやヒメサンゴなどの希少なサンゴ類も危機にさらされています。
移植が生態系の保全にはならないことは、専門家が指摘している通りですが、沖縄防衛局は自らの約束すら蔑ろにしています。「移植が必要」とした 7 万群体を超えるサンゴのうち、オキナワハマサンゴ9群体のみ、護岸工事がほぼ完了した段階で移植しました。しかしほとんどは放置されています。埋立区域には、沖縄本島周辺では最大の海草藻場が広がります。海草は「海のゆりかご」と呼ばれる多くの生物のすみかで、国指定天然記念物のジュゴンの餌となっています。
防衛局は 1 月 28 日、大浦湾側のN4護岸の建設に着手しました。護岸は大浦湾に流れ込む海流を遮り、サンゴや生態系への影響ははかりしれません。
人々が未来を選択する権利を守れ
人々が、ふるさとの豊かな自然環境を保全し、未来に受け継いでいくのは当然の権利です。辺野古新基地建設は、人々が未来を選択する権利をまで奪うものです。
現在進行していることは、人権、平和、環境、法の支配、民主主義といった私たちが大切にしてきた人類的な価値を踏みにじるもので、到底看過できるものではありません。私たちは日米両政府に、辺野古新基地建設を中止するよう強く要請するとともに、国際社会がこの問題に注目し、声をあげることを求めます。
以 上
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