ケニア円借款案件(ソンドゥ・ミリウ水力発電事業)
外務省による現地調査(6/16-20)の報告(2001.07.06)

北野有償資金協力課長の現地調査(61620)報告

  1. 概要
  2.  本件計画の現状確認と現地の多様な意見の把握のため、現地サイト視察、現地住民・NGO及び海外青年協力隊員からの聞き取り調査、「技術委員会」メンバーやプレス、NGOとの面談、ケニア政府・実施機関との意見交換を実施。

  3. 調査結果

    (1)本件計画に関する現地住民及びNGOからの聞き取り調査

  • 本件計画への批判派を含め、「本計画を中止すべし」と答えた人は皆無。約3分の1が「特に問題なく、事業を実施すべし」、約3分の2が「環境・社会面の問題はあるが、これに対処しつつ事業を実施すべし」と回答。
  • なお、本件計画について最も批判的な問題提起を行ってきたNGO一部関係者も、「自分たちは本件計画の熱烈たる支持者である」と言明し、環境・社会面の問題に対処しつつ事業を実施すべしとの考え方を示した。

    (2)環境・社会面の問題

    現地住民及びNGO関係者より種々の環境社会問題が言及されたが、次のとおりと考えられる(注)。

     (イ)「問題の重要さに鑑み、計画の継続に際し確認を行うべきもの」:対話集会と技術委員会の有効性・中立性の維持・確保

     (ロ)「計画推進の過程で適切な対処を行うべきもの」:指摘された多くの問題(例:補償、雇用、埃による健康被害、河川維持水量の確保等)

     (注)その他、「問題が存在するか再確認が必要なもの/事実関係を確認しがたいもの」、「本計画とは別途に対処が検討されるべきもの」も若干数存在した。

    (3)「対話集会」と「技術委員会」への評価

      多くの人が、現地住民の意見を吸い上げる組織として、「対話集会」と「技術委員会」の役割を評価。ただし運営につき改善要望もあり。

    3. 今後の対応振り

     まずは、ケニア側の環境・社会対策、76日の対話集会の議論を注視。その上で、今般の調査結果を踏まえ、本計画への追加の円借款の供与につき、引き続き検討していく。

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