公開セミナー報告(2000年10月27日) | |||
〜コミュニティと文化の破壊に対抗して〜 | |||
日 時: | 2000年10月27日(金)18:40〜20:30 | ||
場 所: | 東京都オリンピック記念青少年総合センター・センター棟304号室 | ||
ゲ ス ト: | ロナルド・M・コサラン氏(フィリピン下院議員) | ||
通 訳: | 中嶋氏 | ||
配布資料: | ・国際協力銀行融資とサンロケダム | ||
・コサラン氏プロフィール | |||
・サンロケダム周辺地図 | |||
・イバロイ民族の文化的背景 | |||
・コルディリェラ地方の開発と歴史 | |||
・ サンロケダム関連記事(月刊オルタ2000年2月号より) | |||
・12月シンポジウム案内「JBIC環境ガイドライン策定に向けて」 |
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★★セミナー報告★★ | →→ * セミナーの全内容 はこちらをご覧ください。 | ||
10月26、27日の2日間、フィリピン下院議員のロナルド・コサラン氏が来日
されました。現在フィリピン・ルソン島北部で建設中のサンロケ多目的ダム
プロジェクトに対して、国際協力銀行(JBIC)がこれ以上の追加融資を行わ
ないよう要請するためです。来日の間にコサラン氏は、日本の国会議員、メ
ディア、そして国際協力銀行、大蔵省と会合をもち、現地の環境破壊、先住
民族の土地の権利の問題、また彼らに対する補償問題など、多くの問題が依
然として未解決のままであることを訴えかけました。そして、日本の私たち
のお金が国際協力銀行を通じてフィリピンでどのように使われているのか、
27日に開かれたセミナーで明らかにしてくださいました。
セミナーは27日夜、東京都オリンピック記念青少年総合センターにて、約 50名の参加者をえて行われました。コサラン議員はサンロケダム建設現場の 上流にあたるベンゲット州選出の代表であり、プロジェクトによって大きな 影響を受けることになる先住イバロイ民族のご出身でもあります。講演は、 フィリピンの先住民族が国家の開発のためにどれだけ犠牲になってきたのか そうした犠牲にもかかわらず先住民族の権利はいまだに確保されておらず開 発から利益を得ようとする企業との対立が続いていること、その経験を踏ま えて自分たちの命とも言える先祖伝来の土地を守るために先住民族権利法を 起草してきていることなどについてお話をいただきました。 サンロケダムに関してコサラン氏は次のように話されました。「日本国民 である皆さんのお金で私たち先住民族の生活を奪わないでください。私たち の環境を破壊しないでください。皆さんには国際協力銀行に圧力をかけるこ とでそれができるのです。」コサラン氏の訴えに私たちがどう応えていける のか、私たちの責任ある行動が迫られているのだと、誰もが痛切に感じたセ ミナーだったのではないかと思います。
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→サンロケダム問題の詳細をみる |