サンロケ多目的ダムプロジェクト ※6月22日に開催された多者間会合について
6月22日の会合には、ダム賛成派の灌漑によって利益を受ける方が 大人数で押しかけ、事前申請がないということで会場内に入ることができなかっ たダム反対派住民、約500人は建設現場のゲートの前でデモを行ないました。彼 らのダム反対の声が、どこまで会場内の政府関係者やメディアの方に伝わったのかは疑問です。 会合の始めに、今回の会合の主催者であるルソン島北部地域の大統領補佐官から、 会合では問題解決の具体的な方法を探っていきたいとの挨拶がありましたが、事業によって影響を受ける、あるいはすでに受けている地元住民からは「問題解決 の唯一の方法はプロジェクトの中止でしかない」との意見が出されました。 FoE Japanとしても、今年7月か8月には始められることになっている貯水の開始 は、なんとしても止めなければいけないと考えています。また、日本政府は99年 に事業に伴う問題はダム建設と並行して進めていくことを前提に融資を再開しま したが、今回の会合で改めて地元住民は補償を求めているわけではなく、プロジェ クトの中止を求めていることが明らかにされたのです。 4年経っても解決の進まない、土地を失い、砂金取りの場所を失ってしまった人々の生活の再建は、今後も回復のめどはありません。FoE Japanでは、国際協力 銀行は融資を凍結する必要があると考え、要望書を本日付で国際協力銀行 に提出しました。 今後、一人でも多くの皆さんから同内容の要望書へのご賛同をいただければと思っております。その上で、再度国際協力銀行に要望書を提出したいと考えておりますので、皆さんのご協力をよろしくお願いします。 ●第1回集約日 7月8日(月) ●下の要望書にご賛同いただける個人・団体の方は
―< 国際協力銀行への要望書 本文 >― 2002年7月○○日 国際協力銀行 総裁 篠沢 恭助 殿
フィリピン・サンロケダムへの融資凍結についての要望書
貴職におかれましてはますますご活躍のこととお喜び申し上げます。 私ども、国際環境NGO FoE Japanは98年からフィリピン、サンロケダムに伴う社会環境問題について取り組んできました。サンロケダム事業について、去る6月22日にプロジェクトサイトで行なわれた「マルチステイクホルダーによる会合」に参加し、多くの問題が解決されないままに進められてきた本事業について、改めて問題の大きさを痛感し、プロジェクトによって影響を受ける地元住民が表明されていたように、事業に伴う問題の解決は、「事業の中止」以外にないのではないかという意を強くいたしました。
○会合の開催形態の偏り
○生計手段の喪失から事業中止を要請
○灌漑事業についての不十分な説明
○先住民族や地元自治体による事業への合意
○フィリピンの法律への違反
○必要とされない民間セクターによる発電
○FoE Japanの見解
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