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「フィリピン・サンロケ灌漑事業へ融資しないよう日本政府に要請」
(2008.6.23) |
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→要請書の全文はこちらでご覧いただけます。
https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/pdf/20080623.pdf
国際協力銀行の融資で建設されたフィリピン・サンロケダム。現在、そのダムを
使った灌漑部門が、「アグノ川統合灌漑事業」として進められようとしており、
フィリピン政府からの要請を受けた日本政府が円借款の供与を検討中です。6月
23日、FoE Japanは、同灌漑事業が計画されている地元での環境・社会・人権
問題を指摘し、日本政府に現時点での円借款供与の決定を行なわないよう、要請
しました。
サンロケダムは、2003年に竣工しましたが、そのダム建設によって引き起こされ
た地元住民の生活破壊などの問題は未だに解決していません。また、同灌漑事業
も、大規模水路の建設によって洪水被害が拡大する恐れ、あるいは、小農民の生
活の糧である農地が奪われる恐れなど、様々な懸念が出されているにもかかわら
ず、より小規模な灌漑事業への転換といった代替案の検討について、十分な議論
が地元で行なわれいません。
また、同ダム事業と灌漑事業に反対してきた農民団体の代表が暗殺された事件
(2006年5月)についても、去る6月10日、実行犯2名中1名への有罪判決が出さ
れましたが、同暗殺の政治的・社会的背景や動機等に踏み込んだものではなく、
政治的殺害という文脈での真相も明らかにされぬままであったため、事件の真の
解決には至っていないのが実状です。地元の農民団体代表の殺害が、その地域住
民に与えた脅威も、決して軽視されるべきではなく、地域住民および現地NGOが
同事業の議論について自由に発言、参加できる素地は、いまだに損なわれたまま
だと言えます。
日本政府は、決して、農民団体リーダーの暗殺事件に関する有罪判決を受けて、
円借款供与の決定を即断するべきではなく、現在も残る地元における言論の自由
等への脅威、あるいは、未解決かつ地元での議論が尽くされていない環境社会問
題について、十分に配慮し、同灌漑事業への融資を検討していくことが求められ
ています。
→サンロケダムに関するより詳細な情報はWEBサイトでご覧いただけます。
https://www.FoEJapan.org/aid/jbic02/sr/index.html
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