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ダム上流に位置するイトゴン町ダルピリップ村の風景(2002年9月)
ダルピリップ村バロコック集落の砂防ダム(2003年3月) |
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同町評議会議員の話によれば、NPCは、過去の1997年決議第109号のなかで盛り込まれ、また、1999年決議第16号のなかで再度取り上げられた17の条件を実質的に守ってこなかったということである。
サンロケ多目的ダム事業への承認を取り消したその決議文のなかで、イトゴン町評議会は、フィリピン政府および関連政府諸機関が、何度も深刻な懸念が出されたために行なった約束をまったく遵守していないと非難した。
さらに、カーリング氏は、同ダムの商業運転は、フィリピンの電力消費者により大きい財政的負担を強いるだけであると説明した。彼女によれば、フィリピンはすでに電力の供給過剰の状態にあるため、この事業は経済的に継続不能なものであり、また、NPCとサンロケパワー社との間で取り交わしている電力購買契約(PPA)によって、消費者は今よりずっと高い電力料金を支払うことになるということである。
PPAは、NPCの従わなくてはならない月の支払い予定などの内容も含んでいる。例えば、設備容量費として7億6,935万ペソ、維持管理費として3,750万ペソ、これに加え、さまざまな筋書きが想定される電力料金を毎月支払わなくてはならない。
「これまでに、ダムの建設によって経済的な打撃を被っているにもかかわらず、依然として補償を受け取っていない農民や砂金採取者の人々がいる。」とカーリング氏は述べる。
アグノ川の自由な流れを取り戻す農民運動(TIMMAWA)は1999年以来(FoE Japan注:TIMMAWAがグループとして対話を始めたのは2001年。それ以前は、個人として各自が対話を行なっていた。)、サンロケパワー社およびNPCと行なってきた一連の対話のなかで、サン・マニュエル町とサン・ニコラス町の砂金採取者が失った現金収入3年間分に対して、砂金採取者各々に補償を行なうよう、サンロケパワー社とNPCに要請している。また、農民らは、サンロケパワー社が過去3年間行なった採石活動が原因で、収穫のできなくなった農地についても、適切な補償を行なうよう要求している。さらに、カーリング氏は、「生活再建計画の不備や汚職などの事例が聞かれるため、それらの計画や補償の支払いに関する独立調査が必要である。」と考えている。 |
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