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公共事業チェック議員の会からJBICへの 「独立評価および融資凍結についての申し入れ」
2003年7月24日


フィリピン・サンロケダムに関する
独立評価および融資凍結についての申し入れ


国際協力銀行
総裁 篠沢 恭助 殿


 貴職におかれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、国際協力銀行が融資を継続されているフィリピンのサンロケ多目的ダム事業に対しては、流域住民の十分な生計手段の確保、あるいは、土砂堆積による上流域の村への影響など、これまでにも多くの問題が指摘されてきており、議員からも貴行の融資に関する申し入れをしてきた経緯がございます。

 このたび、同事業に関して、再度ご連絡さしあげておりますのは、去る5月に事業自体は開業を迎え、また、貴行が融資を決定されて以来、すでに5年近くが経つにもかかわらず、依然として地元住民や国際社会が問題の解決を求めつづけているためです。

 これまでにあげられてきた(1)流域住民の生活状況の悪化、(2)土砂堆積による上流域の村への影響などの問題に対しては、事業者が補償措置や対策を提示し、貴行もその問題解決の枠組みに納得されている と承知致しております。

 しかしながら、現状では、(1)電気・水道料金も支払えず、代替の生計手段を求め、事業者の用意した再定住地を出ていく者がいる、(2)事業者の対策に不満をもつダム上流の自治体(ベンゲット州イトゴン町)が事業への支持を撤回する(2003年3月)など、地域の人々は将来に不安を抱えたまま生活を続けています。これは、問題の解決に向けた根本的な対策がとられていないためと考えます。

 今後、本来、受益者であるべき地域の人々の苦しみが続かないよう、また、これ以上、生活への被害が拡大することがないよう、早急に問題の解決に取り組んでいく必要があると考えます。

 そこで、これまでにない新しい措置として、

(1) 事業者が取り組んできた既存の問題解決の手段の妥当性を適切かつ効果的に評価し、既存の問題解決の手段をよりよいものにするため、また、必要とされる追加的な措置について勧告を行なうため、独立評価調査を実施すること、

(2) これまで、事業のみが進み、問題の解決が先送りされてきた経緯を踏まえ、(1)の独立評価により、問題の解決に向けた新しい枠組みが整い、問題解決が図られるまで、貴行から事業者に対する残り10%の融資の拠出を停止すること

を強く申し入れします。

 貴行は、移住世帯の生活再建の確保などが十分に確保されること、また、先住民族の権利の保証を前提に、98年10月および99年9月、融資の決定を行なわれたと理解しております。また、貴行は近年、国際的にも先進的な「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」を制定されました。今回、貴行が同事業に対する適切な対策をとられることは、同事業に対する残り10%の融資の拠出が十分に環境社会配慮されたものであることを示す機会でもあり、貴行の新しい環境社会配慮の姿勢を国内外に示す又とない機会となると考えます。篠沢総裁の良識あるご判断をお願いいたします。

以上


公共事業チェック議員の会


Cc: 財務大臣 塩川 正十郎 殿  
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