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2002.11.13(水) |
第155回国会 衆議院外務委員会 第4号 |
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質問者 前田雄吉 衆議院議員
回答者 古田肇 外務省経済協力局長
○前田委員
時間が来まして、最後の質問ですけれども、前委員会のときに私が阿南中国大使に、いわゆる二千二百年の歴史を持っているユネスコの世界遺産の都江堰、これが日本の資金協力による紫坪鋪ダムの建設により影響を受けるのではないかといったことを質問しまして、中国側の史跡への影響調査、これを阿南大使が調べると言われましたけれども、いまだに私の手元にその調査の結果が来ておりません。ぜひ、この影響についてどうなっているのか、いち早くお教えいただきたいと思います。
○古田政府参考人
御答弁申し上げます。
御指摘の本年七月の外務委員会で質疑のありました後に、私どもといたしましては、本件にかかわる中国側の対応状況につきまして、改めて先方の関係機関に確認をしてまいったところでございますが、現時点で判明していることについて、この場をおかりしまして御報告申し上げます。
第一に、ダム建設サイトそのもの及びその周辺の住民の移転は既に完了しております。これまでのところ、この移転に関して具体的な住民の反対というものは見られないというふうに承知しておりますし、移転した住民の方々の移転後の生活についても、収入の増加等の改善があったというふうに聞いております。
また、水没予定地につきましては、現在、詳細移転計画を策定中でございまして、来年の上半期には担当当局の承認を得る方向でやっているというふうに承知しております。
第二に、環境影響評価報告書において、都江堰への影響を防ぐための対策が提案されておるわけでございますが、中国側では、この提案に基づいた対策の具体化に向けた作業を開始しておりまして、引き続き、都江堰を保護し活用するべく必要な対応を行っていくというふうに見られるわけでございます。
第三に、都江堰から三百メートルの地点に建設が予定されておりましたダム、いわゆる魚嘴ダムでございますが、これにつきましては、建設する予定にないということを確認いたしております。
いずれにいたしましても、本件につきましては、今後とも、中国側の対応を注視しながら慎重に対応していくこととしたいと考えております。
○前田委員
時間が来ました。ありがとうございました。
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