2008年3月21日、エクソンネフテガス社.によって提示された「ピルトゥン潟貫通パイプラインオドプトゥ2−チャイヴォ事業仕様書」の公的生態調査の専門家委員会の組織的なセッション第一回目が開催された。委員会は主にサハリンの科学研究所からの科学者などの9人の専門家から構成されている。
専門家はまだサハリン北東のピルトゥン潟貫通パイプライン建設の環境影響についてコメントしていない。 この独立の公的調査遂行の決定はピルトゥン潟貫通工事方法の潜在的危険性を受けたものである。
2008年冬から2009年にかけて、エクソンネフテガス社は海底上のトレンチ工法で潟の最も広いセクションにおいて、北東から南西までピルトゥン潟を通るパイプライン工事を計画している。このために氷の通路は氷が底に辿り着き、30mから60mまでの幅で凍り、潟全体を覆うだろう。推測されるのは、この氷路が自ら解けてしまうことだ。(ピルトゥン潟の氷は夏の訪れによってのみ解け始める。)氷のダムが実際に2008年冬から2009年春に建てられれば、オホーツク海と湾の広大な北の地域の間で水流を妨げ、そのデザイン決定はピルトゥン潟の魚と他の動物に潜在的に多大な危険を及ぼす可能性がある。
約三分の二の海域が数カ月間海から隔離されるだろう。 何人かの科学者によると、冬から春にかけて酸素不足が起こるために、もし海からの水の流入が止まれば、魚、植物、および潟に生息するすべての生物が失われるような大規模な海洋現象が発生するかもしれないという。そのうえ、南部からチャイヴォ湾までのパイプラインのさらなる配管は、このプロジェクトに関して既に繰り返して懸念を示している北部先住民のトナカイの夏季牧草地、繁殖地を脅かすかもしれない。
しかしながら、公的調査は、ピルトゥン潟を通り抜けるパイプラインの一部だけしか対象にしていない。興味深いことに、最近の法律改正伴い、陸上パイプラインは生態的調査対象ではなくなっている。
この公的調査の結論は、ロシア連邦自然利用監督庁(Rosprirodnadzor)に組織された州環境調査専門委員会によって検討される。
また、市民にも、モスクワの州環境調査委員会に彼らの意見を提供する権利がある。 サハリン環境ウォッチはこの権利を利用し、エクソンネフテガス社が、プロジェクトの公的協議をユジノサハリンスクで行わず、また、議論の詳細を連邦及び地方紙で公表しなかったことから法律違反があるとし、その情報をすでに自然利用監督庁に提出した。サハリンの自然保護検察官はエクソンネフテガス社による法律違反に関して既に警告をだしている。
サハリン環境ウォッチによれば、この環境調査は2008年4月末まで継続される予定だという。