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9/24付要請書に対するSEICからの回答と、それに対するFoE Japanからのレター


9/24付要請書に対するSEICからの回答と
それに対するFoE Japanからのレター


9月24日にFoEJapanがサハリンエナジー(SEIC)に対して提出した要望書(内容詳細はこちら)に対して、10月8日にSEICから回答がありました。

SEICからの回答の主旨は次のようなものでした。

1 サハリンII はロシアでの事業であり、ロシアの法律と国際基準に基づいて行っ ている。
2 日本のステークホルダー(影響を懸念する人もビジネスをする人も)と協議 することが重要であると考えるため、年に二回説明会と議論を行うことにした。
3 参加者に対し、別に適格な参加者がいたら声をかけるよう言ってある。
4 この「説明会」の目的は、事業による影響を受ける方々に、SEICの環境関連 活動と計画を理解してもらう機会を作る。また日本のステークホルダーの懸念を 聞く。SEICは建設的なコメントや提案を受ける(receive)門戸を開いている。
5 受けた提案は、技術的にあるいは経済的に実行可能な場合、SEICによって 検討され、実施するかもしれない。
6 「説明会」の透明性を確保するため、議事録をウェブサイトに掲載している。
7 いくつか資料も日本語で公開している。EIA補遺版は日本語にも訳される。
8 メディアのフォーカスはステイクホルダーと違うことから招待しない。別の 機会を設ける。

この回答を慎重に検討した結果、FoE Japanは会合のあり方やプロセスにおいて、 非常に基本的で重要な点がSEICによって理解されていないと考え、今回の会合に は参加しないことを決めました。
以下、SEICに提出したレターです。





SEICの回答に対するFoE Japanからのレター

English
2004年10月8日

サハリンエナジー・インベストメント社
最高経営責任者  Ian Craig 様
広報渉外マネージャー Matthew Bateson 様
日本向広報・渉外担当 成瀬 正美 様


 サハリンエナジー・インベストメント社(SEIC)が東京と北海道で10月12日、13日に予定しているサハリンU石油・天然ガス開発事業の説明会に関し、FoEJapanが提出したレターへの回答をついに頂きありがとうございます。

 まず、EIAの補遺版が日本語に翻訳されることを歓迎します。このことに関して、油流出やオオワシなど越境する問題に留まらず、どの部分を日本語訳にするかは日本のステークホルダーとの協議をもとに決定されるべきだと思われます。また、環境行動計画など他の資料に関しても、日本語に翻訳されるべきです。

 今回いただいたレターを慎重に読みました。日本の関係者と実りある協議を持つために必須であるとして、我々がレターの中で確認した会合の基本的な条件を、SEICが受け入れないことに対し、大変遺憾に思います。開発事業を行うにあたって、会合のプロセスに「透明性」や「説明責任」が確保されることは、ベストプラクティスを実践し、環境や社会に適切な配慮を行ない、開発による被害を回避あるいは最小化のものにするために欠くことのできない条件です。

 これらの基本的な点を、SEICの会合は全く備えていません。例えば、SEICの回答には、「透明性」を確保するために、これまでのミーティングの記録をウェブサイトに掲載しているとあります。しかしその記録とは、一日中費やしたミーティングに対し2ページのものであるなど、あまりにも簡素化されているために何がどう議論されたのか、何が成果で懸案事項は何だったのかといったことを把握できる内容ではありません。さらに、SEICは過去に札幌・東京で2度ずつ合計4回の会合を開催していますが、そのうち2回の記録は掲載されていません。

 またSEICの回答には、「建設的な提案は、技術的あるいは経済的に実施可能である場合において、SEICによって考慮され、実施されることもあり得る」と書かれてあります。しかし、SEICが融資を要請しているJBICの新環境社会配慮ガイドラインにおいては、「事業に求められる環境社会配慮」の項目に、「プロジェクトを実施するにあたっては、その計画段階で、プロジェクトがもたらす環境への影響について、できる限り早期から、調査・検討を行い、これを回避・最小化するような代替案や緩和策を検討し、その結果をプロジェクトに反映しなければならない」「このような検討は、環境関連費用・便益をできるだけ定量的に評価し、プロジェクトの経済的、財務的、制度的、社会的及び技術的分析との密接な調和が図られなければならない」とあります。現在のSEICの姿勢は明らかにガイドラインの方針に反するものです。環境への配慮は、経済面、技術面と同等に位置付けられなければなりません。

 SEICに訴えたいことはたくさんありますので非常に残念ではありますが、こうした会合のあり方には納得できず、FoEJapan は今回の会合にも参加しないことを決めました。



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