■サハリン石油・天然ガス開発と日本の関わり■
◎サハリンI
(1)参加企業:エクソン、サハリン石油開発協力(株)、Rosneftegazstroy、Sakhalinmorneftegaz-Shelf
サハリン石油開発協力(株)(通称SODECO)には石油公団や伊藤忠など18社が出資。
(2)日本の融資:国際協力銀行がSODECOに対し2000年3月に1,100億円の融資を行うことを決定。
(3)概 要:サハリン島北東部の3ヵ所の鉱床から石油とガスを掘削。ロシア本土へのパイプラン輸送および日本への海底ガスパイプランを敷設予定。日本へのパイプラインは本州、東京近郊まで敷設する計画。また現在津軽、三陸沖などでパイプラインの漁業影響調査が行われている。この調査の費用は日本サハリンパイプライン(株)(日本石油資源開発、伊藤忠、丸紅出資)によってまかなわれている。
(4)問 題 点:先住民族の伝統的生活の破壊(トナカイ飼育)、海底パイプラインの漁業への影響、絶滅危惧種であるコククジラへの影響、サハリン島の地域経済への貢献についての疑問
◎サハリンII
(1)参加企業:シェル、三井物産、三菱商事がコンソーシアムを組んでサハリンエナジーを設立。
(2)日本の融資:第1期工事に旧輸出入銀行(現在の国際協力銀行)から1億1600万ドル融資。
(3)概 要:サハリン島北東部の2ヵ所の鉱床から石油とガスを掘削。1999年から既に石油のタンカー輸送が開始されている。現在準備中の第2期工事では、サハリン島を縦断する約800kmの石油・天然ガスの陸上パイプラインを敷設予定。また島の南端に液化天然ガスプラント建設。
(4)問題点:タンカー事故による油流出対策の不備、絶滅危惧種であるコククジラへの影響、汚泥の海洋投棄、陸上パイプラインの環境・社会影響、サハリン島の地域経済への貢献についての疑問、天然ガスの買い手の不在