政策提言 個別事業モニタリング 気候変動と開発 資料室 参加しよう
ニューカレドニア・ニッケル開発事業
ニューカレドニア・ニッケル開発事業とは?
場所:仏領ニューカレドニア南部州、ゴロ及びプロニー地区
出典:石油ガス・金属鉱物資源機構 |
事業者: Vale Inco Nouvelle-Caledonie S.A.S(インコ社)
Vale Inco社74%,Sumic Nickel Netherland B.V.(三井物産・住友金属鉱山の合弁会社)21%,
SPMSC(ニューカレドニア国民社)5%
06年10月、ブラジル・リオドセがインコ社を買収、ゴロ・ニッケル開発の主導権もリオドセに移行した。
事業期間:25-30年(他の鉱脈が発見されればより長期間の操業に)
融資機関:2009年1月、JBICが融資検討を公表
総事業費:32億米ドル
事業概要:
29年間採掘し、製錬所で不純物が取り除きニッケル・コバルトを生産する計画。ニッケル年間約6万トン、コバルト約4~5千トンの産出が見込まれ、世界最大級のニッケル資源量が期待されている。南部州に69のニッケル、コバルト、クロン、鉄、マンガンの鉱山コンセッションを有し、総面積は19,500haである。
日本との関わり
融資機関の関わり:JBICが融資を検討中
日本企業の関わり:住友金属鉱山と三井物産が事業への参画を決定(2004年)
日本人とニッケル:
ニッケルはとても身近な金属で、戦後はステンレス工業の発展に伴い需要が増大。携帯電話や冷蔵庫、車、屋根材、コインなど広く使用されている。日本は世界第2位のニッケル消費国(2005年)。
近年までニッケル鉱石の50%をニューカレドニアから輸入していたが、政情が不安定化し10%までシェアが減少した。しかし最近の世界のメタル資源争奪戦で価格が高騰し、新たに日本企業がゴロ鉱山の開発権を取得している。
問題点
大きな環境影響
鉱山開発は探査段階、採掘・操業段階で環境・生物多様性に大きな影響がある。
1)森林破壊:採掘現場や工場予定地では固有種が90%という貴重な森林を広範囲にわたって破壊する
2)精錬の影響:硫酸を大量に使用し、操業開始直後に硫酸流出事故が起きている
3)廃棄物:廃硫酸含む廃棄物は年500万t以上。それを堆積させたテーリングダムの上澄み水を海に流す
4)赤土問題:雨が降ると採掘場から海まで流出し、川や湿地、サンゴ礁を汚染する
鉱山 |
湿式製錬所 |
テーリングダム |