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マレーシア:ケラウダム建設計画 勉強会のご案内 (2003.10.29)
マレーシア:ケラウダム建設計画  勉強会のご案内

 「本当に必要なの?」

 現地NGOスタッフが語る! 地元の懸念を残したまま進む巨大ダム建設の実態


 マレーシア・ケラウダムの建設計画には、2002年からその必要性について現地NGOから懸念の声があげられてきました。また、住民移転問題、森林保護地域の水没、河川生態系への影響など、現地の先住民族の生活や自然環境に及ぶ影響が十分に調査されていないとの声もあげられています。このままでは社会的な合意が十分に得られないまま、ダム建設が着工されてしまう恐れがあります。

 このダムの建設計画に対しては、すでに日本政府がマレーシア政府に対する820億4000万円までの円借款供与を決めており、現在は、国際協力銀行(JBIC)がマレーシア政府機関と融資契約を結ぶために交渉を進めています。

 「ケラウダムはパハン・セランゴール導水事業というプロジェクトの一部です。この事業は、マレー半島の中央を流れるケラウ川にダム、取水堰、また約50kmの導水トンネルなどを建設するという壮大な国家プロジェクトですが、過大に見積もられた水需要予測、環境影響評価の調査内容の正当性などが懸念され、住民・NGOと事業者との間で適切な協議の場が必要とされています。このように、マレーシアで様々な議論を呼んでいる計画に、今、日本のODA(政府開発援助)のお金が使われようとしています。この問題を、ぜひ日本の市民の皆さんと一緒に考えたいと思っています。」(SOSセランゴールHui Seng Kinさんの言葉)

 皆さんも現地NGO「SOSセランゴール」のHui Seng Kin氏と共に、マレーシアと日本の問題を考えてみませんか?勉強会では、プロジェクトの概要、現地の社会状況、また、日本政府と国際協力銀行が求められている対応などをお伝えします。

 ODAについてよくわからないと仰る方もふるってご参加ください。皆さんの疑問や素朴な思いを交換し合い、少しずつ知っていくことで、新たな疑問や考える種を拾って帰っていただければ幸いです。


  ◆日時:2003年10月29日(水) 19:00〜21:00

  ◆場所:国際環境NGO FoE Japan 1階 会議室
     (JR目白駅より徒歩3分
      地図→ https://www.foejapan.org/info/map.html)

  ◆講師:Hui Seng Kin 氏(現地NGO「SOSセランゴール」スタッフ)
      *逐次訳あり(英日)

  ◆参加費:FoE Japan サポーター 無料 / 一般 500円

  ◆主催(お問合せ・お申込み):
   FoE Japan (担当:波多江)
   TEL:03-3951-1081  FAX:03-3951-1084
   E-mail:hatae@foejapan.org

   *準備の都合上、前日10月28日(火)までにお申し込みください。


●ケラウダム事業とは?――

   マレーシア国内でも水需要の高いセランゴール州と首都クアラルンプールでの水供給を目的として提案されたダム計画。総事業費10億ドルと見込まれている。ケラウ川流域にコンクリート製のアースフィルダムを建設し、4090haが貯水域となる予定で、集水は11kmのパイプラインと約50kmの導水トンネルとで行なわれる。2003年着工、2007年配水開始予定。現地のNGOは、地元の先住民族や自然環境への影響を懸念すると同時に、事業者による水需要予測が過剰に見積もられていることを指摘。事業者は水消費量のうち40%以上が水道管などの亀裂によってもれたり、盗まれたりしている状態での数値を水需要予測として用い、このダムの妥当性を説明しているが、水の効率的な利用も含めた代替案(ダムではない水供給政策)の検討の必要性があると訴えている。
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