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JBIC実施状況の追加確認調査について意見提出

2008年7月24日

2003年に策定された現在の環境ガイドラインの実施状況について評価するためJBICが行った「実施状況確認調査」が公表されて約6ヵ月、7月10日に開催された第9回コンサルテーションの場で、その追加調査の結果が明らかとなりました。

(追加調査結果はこちらから↓)
https://www.jbic.go.jp/japanese/environ/establishment/pdf/09_01.pdf

この追加調査結果について、FoE Japanが意見書を提出しました。


2008 年7 月24 日

国際協力銀行 国際金融等業務
ガイドライン実施状況確認調査報告書
追加情報確認調査に関する意見

                                      国際環境NGO FoE Japan


下記の通り、「ガイドライン実施状況確認調査報告書に関する追加情報確認調査」に関する意見を提出させていただきますので、ご査収下さいますようお願いいたします。


追加情報確認調査に関する意見

次回、同様の調査を行う際に考慮していただきたいと考え、追加調査に関する意見を以下提出させていただきます。

・ 追加調査の全体像が分かりにくい報告書になっているため、ヒアリング対象者、一案件における調査日数など、調査方法や内容について記載していただきたい。
・ 直近の被影響住民への聞取りについて、対象によっては入手できる情報に偏りが出ると考えるため、聞取りする住民の選定について方法を明確にすべきと考えます。
・ 事例のうち、該当案件が限定されていた項目、また調査をした案件のうちから選定した事例を掲載していると思われる項目がありますが、それらを整理していただきたい。また、選定した事例のみを掲載した項目については、その選定理由を書くべきであったと考えます。
・ どの情報が何を基にした情報(書類、事業者インタビュー、関係行政機関インタビュー、影響住民インタビューなど)なのか、追加調査で新たに分かったことがあったのかが報告を見る限り不明です。ある箇所は事業者への、また別の箇所は被影響住民へのヒアリングを基に記載された部分があるように思われますが、同じ質問内容に対し、事業者や行政機関の回答と被影響住民の回答が同様に記載された方が効果や課題が洗い出しやすいのではないかと考えます。
・ Z.について、各案件における生活水準・生計手段が維持・回復されているか否かは、雇用やインフラの提供に関する情報だけでは判断が難しいため、物理的および経済的移転の影響を受けた住民の総数、以前の生活水準、また、補償以外の生計回復のための対応等、移転に関する基本的な情報についても明確に記載していただきたい。

追加調査の内容に関する意見
この度の追加情報確認調査の内容及び記載情報について、以下のとおり意見を提出させ
ていただきます。なお、ガイドライン改訂検討に係る論点に関連すると考える意見につい
ては、()内に論点項目番号を記載してあります。


・ 今回の追加情報確認調査で提示されている環境レビュー中に確認された情報は、チェックレポート等に含まれるべき内容であり、また、公開できた(る)内容と考えます。(論点11)
・ 追加情報確認調査中の情報のうち、モニタリング期間中に確認した情報(例えば、Zなど)については、JBIC によるモニタリング結果として公開されるべき重要な内容であると考えます。(論点12)
・ JBIC ガイドラインの認知度が低いとのことであるが、認知度をあげることにより、環境社会配慮の促進につながると考えます。よって、新ガイドラインは、異議申し立て手続きとともに、日本語及び英語のみならず、その他の国の言語にも翻訳・公開し、周知に努めてはどうかと考えます。
・ XI について:「プロジェクトによってはさらに環境への影響について確認し、その結果も踏まえて最終的にカテゴリ分類を決める場合もある。」とあるが、追加的設備投資を伴わない案件でも、こうした措置が必要であると考えます。(追加論点1)
・ 所感と教訓W.:1.(2)「雇用も確保してもらい、生活の質が飛躍的に向上した」とあるが、当該事業は、いまだに建設中であるか、操業時であるかによって、評価を考えるべき点。操業時になり、雇用がなくなったところから、生活の悪化が起こる案件も少なくないと考えます。(論点20)(生活水準等の回復・改善に係る措置について)
・ 所感と教訓Z.:1.(2)にあるような要素を鑑み、どの案件においても、ステークホルダーの特定の把握は必要不可欠であると考えます。(論点19-1)
・ 所感と教訓Z.:4.から、ガイドライン運用上における向上が重要であると考える。定期的なガイドラインの実施状況の確認やステークホルダーとの意見交換は、実施面での改善の一助になると考えます。(追加論点2)


以上

 
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