FoE Japanは、9団体、24個人と共に、JBICに対して以下の「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(ガイドライン)」のレビュー及び改訂に関する公開質問状を送付しました。
現在のガイドラインは、多くの市民や専門家の意見が反映された形で2003年4月に施行されました。そのガイドラインには、「ガイドラインが施行された5年以内に包括的な検討を行って・・・」とあり、施行から4年経った2007年5月、JBICではガイドラインのレビューを行いました。
そのプロセスはガイドライン策定の際に関わってきた市民にも公開されていないため、プロセスの透明性と市民参加の確保に関する公開質問状を提出しました。
6月4日、その公開質問状に対する回答を受け取りました。
2007年6月4日
国際環境NGO FoE Japan
神崎 尚美 様
2007年5月18日付「環境社会配慮のための国際協力銀行ガイドライン」のレビューと改訂に関する公開質問状を頂きまして、ありがとうございました。ご質問の事項に関しまして、以下のとおり、回答申し上げます。
1.について
・ 国際金融等業務においては、「環境社会配慮のための国際協力銀行ガイドライン」の規定((参考)参照)に基づき、その実施状況についての確認を行い、平成20年10月までに包括的な検討・見直しを行う予定です。現在、ガイドラインの実施状況について本年度上半期中を目途に確認を進めており、改訂に当たっては、我が国政府、開発途上国政府等、我が国の法人等、専門家、NGO等の意見を聞きつつ、透明性を確保した形で行う予定です。
・ 海外経済協力業務においては、新JICAとしてのガイドラインの体系の一本化を進めることとしており(平成18年6月12日付外務省・JICA・JBIC「新時代のODA実施体制作り」)、現行のJBIC・JICAのガイドラインの規定に準じて、新JICAのガイドラインの検討を進める予定であり、統合後可及的速やかに制定することを目指しています((参考)参照)。
現在、JBIC・JICAにてそれぞれのガイドラインの実施状況について本年度上半期中を目途に確認を進めており、これに基づき、我が国政府、開発途上国政府等、我が国の法人等、専門家、NGO等の意見を聞きつつ、透明性を確保した形で策定していく予定です。
2.について
・ 1.で述べましたとおり、現行のガイドラインにおいては、実施状況についての確認を行い、これに基づき包括的な検討を行うこととされており、現在、両業務それぞれについて、ガイドラインの実施状況についての確認を進めております。
・ 国際金融等業務においては、ガイドラインの改訂に当たっては、現行ガイドラインの規定に基づき、当該確認結果を含め透明性を確保しつつ行います。海外経済協力業務においては、新JICAのガイドラインの策定において、現行のJBIC・JICAのガイドラインの改訂手続に準じ、当該確認結果を含め透明性を確保しつつ行います。
3.について
・ 上述のとおり、現行のガイドラインにおいて、ガイドラインの改訂は、我が国政府、開発途上国政府等、我が国の法人等、専門家、NGO等の意見を聞きつつ、透明性を確保して行うこととされています。
・ 具体的な検討プロセスについては、国際金融等業務、海外経済協力業務それぞれにおいて今後検討が行われる予定ですが、いずれの業務においても、ガイドラインの改訂・策定にあたっては、皆様からのご意見を承りつつ、透明性を確保して行う所存です。
(参考)
○環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(抜粋)
8.ガイドラインの適用及び見直し
本行は、本ガイドラインの実施状況についての確認を行い、これに基づき、ガイドラインが施行されて5年以内に包括的な検討を行って、その結果、必要に応じて改訂を行う。改訂に当たっては、我が国政府、開発途上国政府等、我が国の法人等、専門家、NGO等の意見を聞きつつ、透明性を確保して行う。
○JICA環境社会配慮ガイドライン(抜粋)
2.10ガイドラインの適用と見直し
本ガイドラインの運用実態について確認を行い、その結果に基づき、本ガイドライン施行後5年以内に包括的な検討を行って、その結果、必要に応じて改定を行う。改訂にあたっては、日本国政府、開発途上国政府、開発途上国のNGO、日本のNGOや企業、専門家等の意見を聞いたうえで、透明性と説明責任を確保したプロセスで行う。
○平成18年6月12日付外務省・JICA・JBIC「新時代のODA実施体制作り」(抜粋)
環境ガイドラインの体系の一本化
ODA案件の実施にかかる環境面・社会面への配慮を適切に行うと共に、途上国の側における環境関連の手続をより明確化すべく、各援助手法の特性を踏まえつつ、環境ガイドラインの体系の一本化を進める。
国際協力銀行
総務部広報室報道班課長
山田 正明
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