|
『沈黙の川』著者 パトリック・マッカリー氏来日講演
――温暖化防止と社会的観点からCDM利用への問題提起――
京都議定書では、国外で温暖化対策事業を実施するクリーン開発メカニズム(CDM)・共同実施(JI)の利用が認められました。これらは排出量取引と合わせて「京都メカニズム」とよばれていますが、利用すれば国内対策を緩めるものとなるため、諸外国での事業は、真に温暖化防止になり環境によいものに限定し、抜け穴とならないようにすべきだと指摘されてきました。そのような背景から2001年のマラケシュ合意では、原子力事業が対象外とされています。
一方、大型水力発電を目的とした「ダム」は対象外とはなりませんでした。そのため、CDM事業などで大型水力発電事業を途上国で行い、二酸化炭素の排出枠を獲得しようとした動きが活発化しています。しかし、大型ダムは、地域社会や環境に大きな影響を与えるだけでなく、実際には二酸化炭素の排出量を削減せず、逆に排出源になる可能性が指摘されています。そのような事業にクレジットが与えられれば、京都議定書の効果を大きく損なう危険性があります。
今回は、昨年10月に行なわれたCOP8のなかで、報告書「Damming The CDM」を発表したアメリカのNGO・国際河川ネットワーク(International Rivers Network)から、パトリック・マッカリー氏をお招きし、大型水力発電を目的としたダムがもつ問題点を気候変動の観点からお話していただきます。また、京都議定書のもつ地球温暖化の防止効果を損なうことなく、かつ、途上国の持続可能な開発を促していくために、今後何が必要とされているのか、意見交換の時間も設けたいと思っています。ぜひ、この機会にご参加ください。
|
|
|