宇津木の森には、針葉樹の林があります。しばらく手入れがされていないため、混みあっていて薄暗い林になっています。これからここの手入れを始めよう、ということで、まずは調査をすることにしました。
調査は3班に分かれました。
@ 木に番号をつけ樹種と幹周(太さ)を調べる班
A 木の元気度、樹形(まっすぐ・傾いてる・二又にわかれているなど)、 腐朽あるなし、を見る班
B 地図に木の位置をプロットする班
といった感じです。
難しそう、できるかな、と思いながらも、樹木医の岩谷さんから、木はいろんなことを語っているんだよと教えてもらいながら、木の樹皮や枝や葉っぱから状態を観察。調査は104本で終了になりましたが、このエリアのほぼ全部記録ができました。
以下、調査の結果と分析です。樹種は、8割がスギ、残りはヒノキでした。幹周の平均は94cm(直径30cm程)で、太い木が多いことがわかりました。
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本数
|
元気度
|
樹形
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腐朽あり
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平均幹周
(cm)
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○
|
△
|
×
|
未調査
|
○
|
△
|
未調査
|
スギ |
80
|
8
|
34
|
28
|
10
|
18
|
52
|
10
|
11
|
90.2
|
ヒノキ |
20
|
4
|
13
|
3
|
0
|
12
|
8
|
0
|
2
|
102.4
|
? |
4
|
1
|
2
|
1
|
0
|
0
|
4
|
0
|
0
|
88.5
|
計 |
104
|
13
|
49
|
32
|
10
|
30
|
64
|
0
|
13
|
93.7
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予想以上に多い本数でした。並びと大きさがランダムなので、たぶん同じころ植えられたものだと思うのですが、競争に負けてしまった方はかなり成長が遅いです。
やはり間伐をしていないので、元気のない木が多いです。元気度は、敷地内で比較してのもの。本当に元気なスギやヒノキと比べると「うーむ」という感じでした。傷を受けているものは24本と結構あり、腐朽も全体の10%ぐらい見られました。
また、軽い『ろう脂病』というのも見られました。この病気の原因は不明ですが(多雪地帯に多いと言われていましたが、そうでもないらしい)、菌類説が有力かもという病気です。これにかかっていると材としての価値は下がるようです。
元気でないといろいろな病気にもかかりやすいわけで、大きな原因は、光が十分でないことだと思います。お互いに被圧したりし、葉は上の方にしかない木が多くありました。それからツルにまかれているものもありました。少しつる切りと間伐をして、光を入れ、1本1本を大きく元気にそだてたいと思いました。間伐材も有効利用も考えたいです。
(調査日:2003年10月5日)
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