ケニア、円借款案件で地元活動家が逮捕!!
プレスリリース 2001年1月6日 各位 昨年12月26日、ケニアへの円借款案件、ソンドゥ・ミリウ水力発電事業に関連して地元NGO(非政府組織)、アフリカ・ウォーター・ネットワークのアーグイング・オデラ氏が地元の警察によって逮捕され、7日間弁護士や家族らと接触することも許可されないまま留置所に拘束されていたことが、1月2日明らかになった。オデラ氏は左腕を銃で撃たれ深い傷を負っていたが、その治療も許されないまま留置所に拘束されていた。
オデラ氏は、昨年2月から日本政府が円借款供与を検討しているソンドゥ・ミリウ水力発電事業における強制立ち退きや事業によって影響を受ける人々への不十分な補償、不正な土地評価、工事現場からの排水・廃棄物による生態系の破壊や家畜への影響、事業に伴う汚職など、事業に関わる多くの社会・環境問題を指摘していた。
昨年12月19日には、岡崎トミ子参議院議員ら日本の国会議員やNGOの働きかけもあり、同事業の社会・環境影響について地元住民やNGOと円借款の実施機関である国際協力銀行ナイロビ事務所長の澤井氏との会合も実現していた。会合では今年1月後半に地元住民やNGOと国際協力銀行との合同調査ミッションの話もまとまり、会合に参加したオデラ氏がミッションの調整のためにソンドゥ・ミリウ地区を訪れたところ今回の逮捕となった。
日本政府は同事業に対して1985年に国際協力事業団(JICA)による支援、1989年と1997年の2度にわたって旧海外経済協力基金(現国際協力銀行)を通じた円借款供与を行い同事業を支援してきた。さらに、1999年には同事業への追加の借款供与についての「事前通報」を行い、現在も追加支援を検討している。工事は1999年3月に始まり、鴻池組が受注、建設を行っている(詳細は別紙参照)。
森首相は今回のアフリカ訪問でアフリカ支援策を表明し、NGO活動支援のための資金に拠出することなどを表明しているが、その一方で地元活動家の重大な人権侵害を引き起こし、多大な社会・環境の破壊を伴う事業への政府開発援助(ODA)を継続している。援助の質が問われる今、日本政府が本当の意味でのアフリカ支援を考えるのであれば、まずこうした問題案件への政府開発援助を根本的に見直す必要がある。
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