ケニア円借款案件(ソンドゥ・ミリウ水力発電事業)
最新情報(2001.11.15)

イースト・アフリカン・スタンダード

East African Standard

森林伐採に揺れるソンドゥ水力発電事業

マルセリン・ニャムバラ

2001年11月15日

 日本の技術専門家たちの代表団が近くケニヤ入りし、懸案のソンドゥ・ミリウ水力発電事業における、森林伐採計画の影響について調査する。

 集水域であるマウ森林を含めた大規模な伐採が実施された場合、ニャカチ及びニャンド地域の発電事業が将来的に維持できるかどうかに関心が注がれてきた。

 モソップ地区選出のジョン・サンブ議員が委員長を務める国会の農業・土地・水・天然資源委員会では、明日よりこの伐採対象地区を訪れることとなっている。

 議員たちはマウ地区に加えマウント・ケニア森林を含む他の地区についても調査を行う予定だ。またそれと同時に議員たちは、マウント・ケニヤ森林を含むマウ地区とその他の地域の調査をすることになっている。

 国際協力銀行(JBIC)が派遣するこの日本の専門家調査団は、今週中にもケニアを訪れる予定だ。森林伐採計画はこの調査団視察における最大のポイントだ。

 事業の第U期工事への融資はまだ決定されておらず、新たに議論を生んでいるこの伐採計画も実行されていない。

 この件を担当している在ケニア大使館の細谷隆平大使代行は「調査団派遣については知っているが、その詳しい内容については知らされていない。」と述べている。

 細谷氏は、この事業への融資継続の成否はケニア政府の手に委ねられている、と語る。彼は、恐らく事業は継続するだろうと楽観的な姿勢だが、いっぽうでケニアの一般的な行政のありかたについてはより注目して見ている、と語った。

 また細谷氏によると、借款契約の中では全般的な環境・社会配慮について触れられてはいるが、しかし森林伐採の問題については融資の際の条件のひとつとしては挙げられていない、という。

 いっぽう、ケニア電力公社の広報担当ピーター・ムティー氏は、この森林伐採が実際に長期的な事業の持続性に重大な影響を与えるかどうかは疑わしい、と語る。

 しかしながら、ケニア森林ワーキンググループ(KFWG)はこの伐採計画への懸念を表明しており、なかでもマウ斜面での伐採に注目している。

 KFWGのスタッフのクリスチャン・ラムレクツ氏は、マウ地域を「国内において最も重要な集水域である」と表現する。

 同じくKFWGスタッフのマイケル・ギチャンジャ氏も、現地視察を行う国会議員たちにはぜひ自分の眼でこれらの森林の重要性を確かめてもらい、またほとんどの地域に森林に暮らす人びとがいる事実を知ってほしい、と語っている。

 
 

 

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