ケニア円借款案件(ソンドゥ・ミリウ水力発電事業)
最新情報(2001.9.5)

ケニア放送ニュース

KBC News

地元NGO、ソンドゥ・ミリウ事業への反対姿勢を崩さず

ダニエル・コリル

【ケニア】 2001年9月5日

 まだNGOたちは、ニャンザ州の巨大なソンドゥ・ミリウ水力発電所建設に対する反対の姿勢を崩していない。調査のため今月初めケニアを訪れた日本議員団により、事業継続のお墨付きが出されたにかかわらず、NGOは建設再開に疑問を示している。

 「ソンドゥ・ミリウ水力発電事業を考えるNGO連合」は、この巨大な発電事業に対し多くの課題を指摘してきた。彼らは国際認定された会計事務所により、事業の財政・設備面の会計監査を行うべきだ、とも主張している。

 NGO連合のメンバーである、アフリカ気候ネットワークのグレース・アクム代表は、ナイロビでの記者会見を行い、事業の環境面での問題については政府から独立した専門家による調査が必要、と指摘した。さらにミリウ川の水源に当たるマウ森林の保護も訴えている。「(ミリウ川の水源となる)集水域の森が破壊されれば、遅かれ早かれ事業そのものが意味をなさなくなってしまうだろう。」と彼女は語る。

 またNGO連合は、技術委員会の場で事業の問題点を指摘したNGOのメンバーが、これまで何度も脅しや暴力による命の危険にさらされている事実を訴えた。「私たちの仲間であるアーウィング・オデラ氏は、身の危険を感じ国外に脱出せざるを得なかったのです。」とアクム氏は述べている。同時に、彼らは州のメディアが余り事業のことを積極的に取り上げようとせず、報道管制を敷いていることを批判している。

 NGO連合は93日にナイロビホテルにて日本議員団と会見している。会見したNGOメンバーによると、議員団は事業の「汚職役人」たちに日本の援助がいいように使われることを非常に警戒している、と述べていたという。日本政府は、事業への疑問の声があがっていることから今年初め追加融資をいったん凍結させていた。だが今回現地を訪問した日本議員団は、事業の必要性を認めた上で日本国内において、融資の継続に最大限努力する述べている。

 
 

 

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