ケニア円借款案件(ソンドゥ・ミリウ水力発電事業)
地元NGO連合の立場について(4月26日)

 

ソンドゥ・ミリウ水力発電所に関するNGO連合

Tel/Fax 254 2 555513. PO Box 10538, Nairobi Kenya. email: awn@lion.meteo.go.ke

2001426

ケニア電力公社
マネジング・ダイレクター 殿
PO Box 47936 Nairobi Keniya

ソンドゥ・ミリウ水力発電所計画に関するNGO連合の立場について

 ソンドゥ・ミリウ水力発電所計画(SMHPP)に関わってこの間起きた事態を踏まえ、当NGO連合は以下の立場を表明します。

 当NGO連合の強い働きかけにより、1月26日、コルウェニー(Kolweny)において、SMHPPの再検討を行う技術委員会(Technical Committee, TC)が設置され諸問題解決に向け一歩が踏み出された。当連合は、2月2日、16日、26日そして3月2日、14日、15日、16日のTC会合に出席した。3月16日には土地補償と移転、雇用と経済的機会均等、そして環境の各小委員会が、中間的な報告と提案を行なった。提案は、急を要する事項、短期・中期・長期にわたる事項に及んでいる。

 この中間報告の際、雇用と経済的機会均等小委員会から提出された報告から、小委員会の委員長によって、とある個人(ケニア電力地域担当職員であるTCコーディネーター)の名前が消されていることが判り、私たちはたいへん驚いた。この職員は汚職の容疑がかけられておりさらなる調査の対象として資格を停止されることとなっていた。委員会は、ほかにも数人(鴻池組作業員監督と現場監督)の名前が、汚職容疑に関する調査を促すために記録にとどめられることを提案していた。ところがこれらの職員は現職にとどまっている。環境小委員会は、汚水タンク車KAL565Zがほこりの立つ道路に汚水を撒くことを、他の何にもましてやめるよう求めていた。この要求は緊急のものである。にもかかわらず、ほこりを汚染させているとの疑いをかけられているこの汚水タンク車は、道路に汚水を撒布し続けている。土地補償と移転小委員会は、いわゆる「改良」のために投じられた資金の割合が利害関係者に明らかにされていないことを明記し、この明細を利害関係者が点検できるようにすべきであると提起している。

 これらの課題があることから、当NGO連合が今後もTCに参加していくかどうかは、以下の事項が実施されるか否かにかかっていると考えている。

1. 技術委員会の構成

 現在、TCの構成は、すべての利害関係者を代表するものとはなっていない。 TCメンバーの多くは、ケニア電力公社の職員と州知事(Provincial Commissioner)である。専門家として参加しているメンバーも多くは、この計画が引き起こす諸問題の複雑で科学的な性質を理解し解決する能力を持っていない。また、現在の委員会構成は暫定的なものであり広く認められたものではない。

 であるから、私たちは現在の委員会が解散し、ケニア電力公社の代表、NGO連合メンバーの諸団体それぞれから一人ずつの代表および選挙で選出されたメンバーで構成される新たな委員会を設けることを提案する。

 上記の委員会によって明らかにされた諸問題の技術的な性質に鑑み、新たに構成されるTCには以下の専門家を参加させることを提案する。

1. 土地測量士           5. 社会学者

2. 労働問題専門家        6. 経済専門家

3. 地質学者             7. 法律専門家

4. 水利技術者           8. 毒物学者

また、以下の諸グループからの代表を、委員会に参加させることを求める。

1. 青年代表

2. 女性代表

3.被雇用者代表

 

2. 合意書

私たちは、TCがケニア電力と地域住民との間の拘束力のある合意書に基づき、法的な正統性を持った機関とすることを強く求める。

 

3. 委員長

 これまでケニア電力公社が委員長を出して、地域住民間の論議の解決を図るのではなく、ダム建設者の利益のみを優先してきた。であるから、私たちは、全ての団体からの支持され、ケニア電力公社に所属しない広く受け入れられ尊重される人が、これまでの委員長に取って代わることを提案する。

 

4. オブザーバー

 これまでTCの審議は、マスコミの記者かケニア電力に受け入れられた人々にだけ公開されてきた。大きな利害に関わることであり、また各団体から一人ずつしか委員が出ないことから、全ての関わりあるオブザーバーに審議を公開することを提案する。

 

5. 決定

技術委員会の決定は、全委員の全会一致でなされるべきである。

 

6. NGO連合メンバーへの弾圧と裁判について

TCで19項目の討議を求めた結果としてアーグウィング・オデラ(Argwings Odera)氏になされた告訴また告訴されなかった二人(ピレー・オティエノ、ダンカン・オディマ、Pireh Otieno and Duncan Odima)への嫌疑を詳細に検討し考慮した結果、私たちは彼らの無実を立証する諸事実を認識した。したがって、この問題に関わる全ての団体・機関の友好関係の証として、上記の訴訟は無条件に取り下げられるべきだと考える。

 

7. 事業の監査

 この事業計画執行の第一期において何件もの重大な汚職が告発されていることを踏まえ、私たちは、国際的に評価の高い監査人が国際協力銀行(JBIC)から受け取った事業資金とこの事業計画のために供出された機器を監査することを求める。この種の監査は汚職を防ぐために定期的に行われるべきである。

 

8. 日本政府への求める19項目の優先課題

私たちは、TCの基礎となる日本政府への19項目の優先課題を支持している。この19項目が十分に検討されたとは、とても言えない。私たちは、もっと総合的で専門的な技術委員会が、地域と国家の利益のためにこの19項目を適切な形で表明していくことを望んでいる。

敬具

グレイス・アクム
気候ネットワーク・アフリカ
事務局長

 

Cc:日本大使館 御中

国際協力銀行(JBIC)御中

エネルギー省 御中

国会エネルギー委員会 御中

 

賛同者:

    Pireh Otieno
    African water Network

Oduor Ong'wen
Econews Africa

Otieno K'Opiyo
Sondu-Miriu Communuity Monitoring Committee

Japheth Kokal
Nyakach Community Development Association

Dennis Akumu
Sondu-Miriu Community Monitoring Committee

Fanuel Tolo
Climate Network Africa

Duncan Odima
African Water Network

Argwings Odera
Sondu-Miriu Advocacy Campaign

Vumbi Group 2000

    KENGO-Uhai Forum

 

 

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