公開セミナー報告(2000年10月27日)
『フィリピンの開発と先住民族の権利』
〜コミュニティと文化の破壊に対抗して〜
 
セミナー議事録 3-11
質疑応答 (Q&A)

Q11.
  JBICに日程的なものの提案をされたとのことですが、その前にJBICの代表とこういう問題に関して話をしたことがありますか?また、JBICからの対応、態度がどんなものだったのかお聞きしたいです。

A.コサラン氏
   国際協力銀行の方とは何回もお会いしています。今週の火曜日(10月24日)にもマニラの私の事務所に国際協力銀行の関係者がみえました。その場でも私が今日皆さんにお伝えしたような懸念事項を伝えたし、実は、昨日もこちらで(日本で)国際協力銀行関係者とお会いして、こういった懸念事項を伝えたのです。しかしながら、彼らから決まって聞かされる答えは、「われわれはそういう懸念事項に対処すべく最善の努力をさせていただきます」と、判で押したような答え方です。実は、この答えをこれまでの3年間聞かされ続けてきました。プロジェクトが始まって以来、ずっと聞かされてきたわけです。そして、いまなお、この懸念事項はひとつも払拭されていないのです。ですから、これをどう解釈していいものかと思います。最善の努力とは一体どういうことなのかと。

   それから、私が具体的な日程に関して提案しました。これはどういうことかというと、融資が既に行われている部分もあるわけですが、実際には融資がまだ行われていない部分もあります。全体の計画の中で、実際にはまだ巨額の資金が融資されずに残っているわけです。どれくらい実際の金額として残っているのか、そういうことを具体的に聞いても、私達には教えてもらえませんし、昨日のように、日本の国会議員の方が同席されている場でも、そういうことは明らかにしてもらえません。この私が提案した日程というものは、西暦2004年の完成予定までの追加融資のタイミングです。その額は懸念事項に対する是正措置、その進行具合に比例した形で決定し、日程的にそれに合わせて融資を行っていくという意味です。そして、その日程的なものを示してほしいということをいっているわけです。具体的には、環境上の懸念事項、そして先住民族の補償に対する懸念事項への対処、その進行具合と合わせて、それに見合った額を追加融資していくというものですが、これに対しても、(国際協力銀行からの)具体的な回答は未だに一切ございません。

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