公開セミナー報告(2000年10月27日)
『フィリピンの開発と先住民族の権利』
〜コミュニティと文化の破壊に対抗して〜
 
セミナー議事録 3-8
質疑応答 (Q&A)

Q8.
   ダムの建設によって直接影響を被る住民の方々についてお聞きしたいのですが。一番直接影響を受けると思われるのは移転をしないといけない方々ではないかと思いますが、その人達はどれ位おられるのかという点。
  そして、先程、補償の問題を言われましたが、住民の方々は補償の問題を条件としてダムの建設を考えられているのか、それともダム建設そのものに対して反対をされているのか。また、補償についての問題であるなら、その補償はどういう形で擁護されているのかという点をお聞きしたいと思います。

A.コサラン氏
  ダムの建設によって直接影響を受けると認定されている世帯は、ベンゲット州で61世帯です。それから、ダムの下流域にあたるパンガシナン州では680世帯です。これらが移住、立ち退きの対象になる人達です。

   補償に関しては、条件闘争の段階であり、できるかぎりベンゲット州の61世帯に多くの額を補償してもらおうという闘争をしています。これに関しては、数式、その額をはじき出す色々な数式を用いて、いま話し合いが行われていますが、イバロイ民族の人達の考え方では、補償額に関しての最終的な合意は、もう、とても交渉のなかでは得られないだろうという風に感じています。ですから、最終的には政府が自分たちに一番有利な形で、つまり、法律の下、最小限の補償額で踏み切るというのが見通しです。しかしながら、私達は、できるかぎり多額の補償をしてもらえるように一生懸命運動をしているところです。そういうものが、立ち退きと新しい移住先で必要になってくるのだということで、一生懸命がんばっているところです。

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