サンロケ多目的ダムプロジェクト
現地の先住民族の祝賀祭で採択された
サンロケダムに関する決議文 (2001.04.24)
2001年4月24日 コルディリェラ・デー
ベンゲット州マンカヤン町カラオ
決 議
イトゴンの影響を受ける先住民族の共同体から、事業への自由意思に基づく、事前の、十分な情報を与えられた上での合意が得られていなかったことを論拠に、サンロケ多目的ダム事業の実施中止を国家先住民族委員会へ要求する。
- フィリピン電力公社とサンロケパワー社は、このプロジェクトにより影響を受ける先住民族の共同体から、自由意思に基づく、事前の、十分な情報を与えられた上での合意を得ないままにサンロケ多目的ダム事業の実施に踏み切り、現在も継続している。
- イトゴンの先住民族の共同体は、事業が彼らに及ぼすであろう悪影響を懸念して、同事業を拒否し、現在も事業継続への反対闘争をおこなっている。
- 同事業の実施継続は、イトゴンの先住民族の共同体に以下のような、非常に悪い影響を及ぼすだろう。
- 先祖代々受け継いできた土地の喪失
- 土砂堆積や洪水によって引き起こされるであろう先祖代々の土地の荒廃
- 先祖代々受け継いできた領土内における資源管理権を喪失
- その領土内における多くの伝統的生計活動の禁止
- 先祖代々の共同体からの多くの人々の追放
- その共同体の分断
- 伝統的生活様式の破壊
- 共和国法第8371号(先住民族権利法)は、先住民族に不利な事業から先住民族を保護することを国家先住民族委員会の使命として定めている。
- 同法の実施細則では、当該事業により影響を受ける先住民族の共同体から、自由意思に基づく、事前の、十分な情報を与えられた上での合意を得られていない事業について、その実施を中止する権利を国家先住民族委員会に認めている。
以上のことから、私達、コルディリェラ地方のさまざまな共同体の先住民族は、イトゴンの先住民族共同体の人々と団結し、国家先住民族委員会がサンロケ多目的ダム事業の実施継続を中止するよう要求する。
採 択
2001年4月24日 ベンゲット州マンカヤン町カラオ
コルディリェラ・デー祝賀行事において参加者3000人により採択
提 出
2001年6月6日
国家先住民族委員会に先住民族問題に関する大統領の諮問機関を通じて提出
→→先住民族委員会/大統領の諮問機関の共同調査チームの報告書(2001.06.27)をみる
→→サンロケダム問題の詳細をみる
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