サンロケ多目的ダムプロジェクト サンスター・パンガシナン紙 SRPC、NPCの砂金採取禁止令を住民が糾弾
2001年8月1日 サン・マニュエル町―――サン・マニュエル町とサン・ニコラス町のアグノ川沿いで砂金採取を行っている人々が、サンロケパワー社(SRPC)とフィリピン電力公社(NPC)にアグノ川での砂金採りを禁止しないよう要請した。
要請は先週土曜日(7月28日)に行われた対話集会の場で出され、その席でTIMMAWA(アグノ川の自由な流れを取り戻す農民運動)のメンバーで砂金採取を行っている人々は7月18日からこれまでにNPCとSRPCが川沿いでの砂金採りを禁止していることに懸念を示した。
そして、一団はダム建設への反対を表明した。
意見表明のなかで一団は、NPCとSRPCが散々考えたあげくに、(禁止令の理由として)川床を含んだアグノ川をすでに買い上げているということを引き合いに出してきたのだと事業者側を批難した。
事業者側は、これまでにも砂金採取をしている人がダム建設地内で事故にあった際には、建設請負業者レイセオンが補償を支払ってきた経緯があり、これから新たな事故が起こり、レイセオンの財政的負担が増えることを避けるために禁止令を出しているのだと語ったという。
しかしながら、砂金採取を行っている人々は、何よりもまず、ダム建設が行われていなかったならば、事故も起きなかっただろうし、死者も出なかっただろうと述べた。そして、だからこそダム建設によって、とりかえしのつかない損害をこうむった人々に対して補償を支払う責任がレイセオンにあるのだと主張した。
TIMMAWAのメンバーらは、去る7月18日、監督者Eugenioとして知られているダム安全管理グループのトップがダム建設地内のアグノ川沿いで砂金採取をしている人々を捕えた際に、彼らの砂金採取の用具を没収すると脅しにかかったことを明らかにした。
中には、実際に採取用具をダム安全管理グループのメンバーに没収されてしまったものもいたようだ。
彼らは、砂金を採っている人々を苦しめてこいというSRPCとNPCからの命令の下で安全管理グループが動いているのだと主張した。
TIMMAWA代表のDomingo Aquijo氏は、SRPC環境調整役のTom Vadez氏との協議で、自分たちが砂金採取を禁止されることも、制限されることも不当であると主張した。
一方、Valdez氏は昨日の電話インタビューのなかで、砂金採取を禁止した一番の理由は安全面にあると答えている。
また、Valdez氏は、砂金採りがアグノ川ではなく、採石場の放水口、つまりダム建設地内で行われていると強調した。
そして、プロジェクトが終了すれば、SRPCは砂金採取の許可を再び出すだろうと語った。
Valdez氏は、決して砂金採取をする人々の生計手段を奪う意図はなく、彼らの安全面を考慮した上での禁止措置であることを指摘した。
また、影響を受ける地域社会の人々に理解されるような生計手段を提供したいと付け加えた。
Valdez氏は、TIMMAWAのメンバーで砂金採取を行っている人々が、Bayan Munaのようなグループに運動を前進させるための動因要員として利用されていると嘆いた。
これに対して、TIMMAWAはSRPCが影響を受ける地域社会に対する具体的な生活再建計画を示していないことを批難した。
Valdez氏は、影響を受ける人々が自分たちの望む生活手段を決定できるような形で、すでに生活再建計画を始めていると反論した。 →→この件に関する現地NGOのレポート(07.28.2001)をみる
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