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【プレスリリース】 戦略的環境アセス回避を主張する電力会社

〜SEA導入回避で企業の社会的責任は果たせない〜
電力会社各社から公開質問状への回答
全社が「いいえ」

 先般お知らせした「戦略的環境アセスメント(SEA)制度導入に関する"緊急"公開質問状」への電力会社各社からの回答は以下のようなものでした。  

 回答は、全社とも戦略的環境アセスメントにおいて、発電所も対象とすべきでないというものでした。主な理由として、現在の事業アセス(EIA)で十分であることや、早い段階での情報公開による弊害が挙げられています。また、各社の回答には不思議と共通した文言が随所に見られ、これはそれぞれの事業所がSEAについて理解を深めた後に自立的に寄せた回答ではなく、何らかの雛型を写しとったものではないかとの疑念を持ちます。

 今回の電力会社による回答は、各社が掲げる企業の社会的責任を回避するものであり、地域や消費者との共存や信頼関係の樹立に寄与しないものです。発電所建設は、電源開発交付金など電力料金にのせて徴収される税金が投与される公共事業の側面を持ち、単なる民間事業ではありません。

 一方で企業の社会的責任が求められる中、昨年来、水力発電所や原子力発電所における法定検査に関するデータ改ざんが相次いで明らかとなり、SEA導入は社会からの信頼回復のためにもよい機会となるはずです。

 4月のSEA導入に向け、再度検討を重ね、各社が前向きな姿勢へと転じることを私たちは望んでいます。

                 (本件に関する連絡先)
                 世界自然保護基金ジャパン(自然保護室、草刈秀紀 03-3769-1772)
                 FoE Japan(岡崎時春、03-6907-7217)
                 オーフス・ネット(事務局長 中下裕子、03-3432-1475)
                 気候ネットワーク(畑直之 03-3263-9210)

                 >参考:戦略的環境アセスメント法制化に向けたNGO共同声明(2007.2.26)

以下は、質問と各社からの回答です。

【質問】
1. 御社は、戦略的環境アセスメントにおいて、発電所も対象とすべきだとお考えですか?
2.1のお考えについてその理由をお教えください。

【回答】
社名

質問1

質問2 「理由」
北海道電力 いいえ

・ 大規模な公共事業が環境面や社会面に与える影響を回避・低減する手法としては、従来から行われている事業アセスで十分と考えるため。

東北電力 いいえ ・ 現在実施している事業アセス(EIA)は環境に十分配慮しており、これと同じ内容の戦略的環境アセスを別途実施する必要はないと考えるため。
北陸電力 いいえ ・ 現状の事業アセスで計画変更が実施されており、SEAの機能を果たしている。
・ 計画公表前に情報公開することにより、立地が困難になることが危惧され、
 エネルギー・セキュリティ確保の観点からも対象外とすべき。
東京電力 いいえ 後掲資料1参照
中部電力 いいえ 後掲資料2参照
関西電力 いいえ 後掲資料3参照
四国電力 いいえ ・ 計画・実施段階よりも基本構想等上位の段階で発電所建設地点を公表する
 ことは、地元住民に対し無用な混乱を招き、発電所建設計画が大幅に遅延
 するだけではなく、電力の安定供給の観点から問題となる。
・ 地点の選定については、地元情勢やインフラなど様々な条件を総合的に判
 断し決定されることから、基本構想段階では十分な諸元が明確に定まらず、
 複数案の比較検討は事実上困難である。
・ 現行環境アセスメント制度においても、発電所建設に関わる事業の背景、経
 緯、必要性、並びに環境保全の配慮にいたるまで十分検討・評価できている
 ことから、現行制度を加えてSEAを実施する必要性が認められない。
中国電力 いいえ ・ SEAの基本的な考え方については、現EIAにおいても対応可能な仕組みとな
 っているため。
九州電力 いいえ ・ 現行のアセスメント制度では、環境への影響を十分に調査・評価すると共に
 計画変更など様々な状況変化にも対応できるものになっているため、発電所
 建設において、改めて戦略的環境アセスメントを実施する必要はないと考え
 ます。
・ 計画公表前に地点情報を公開した場合、基本構想段階では、規模、運転開
 始時期等の情報しかなく、緒元が明確に定まっていないため、住民の皆様に
 満足のいく説明ができず、無用な混乱を招き、発電所建設に支障を及ぼす可
 能性があることから電力の安定供給上問題があると考えます。
沖縄電力 いいえ ・ 戦略的環境アセスメントは事業計画段階において公開することとなっている
 が、発電所の地点選定は経営戦略の範疇であり、公開することはできない。
・ 現在の環境アセスメント制度のままでも環境に配慮した計画とすることは十
 分可能であると考える。

資料1.(東京電力の質問2に対する回答)
資料2.(中部電力の質問2に対する回答)
資料3.(関西電力の質問2に対する回答)

資料1.(東京電力の質問2に対する回答)

○ 基本構想段階の検討について  
一般電気事業者は、政府の基本方針であるエネルギー基本計画や長期エネルギー需要見通しを踏まえ、電源開発の基本構想を検討しております。電気事業の事業特性として、自由化という競争環境にあること、またできるだけ安価な電力を安定して供給する責任もあることから、これらを踏まえ、各電力会社において、事業戦略を検討します。基本構想検討段階においては、このような事業特性を踏まえ、将来の電力需要状況を想定し、いつ頃、どのくらいの規模の電源が必要か、環境負荷特性、エネルギーセキュリティー、経済性等を考慮してどのような電源構成とするかを、各電力会社ごとに検討しております。ただし、この段階においては、発電所単独建設計画の詳細検討には至っておりません。また、CO2問題も電気事業者にとっては非常に大きな課題であります。CO2問題に対して、電気事業者は自主行動計画を策定し、目標達成ができるよう基本構想段階における電源開発検討に反映しております。

 基本構想の検討を踏まえて、立地候補地点を検討することとなりますが、立地地点の検討には様々な経緯があり、一概に統一した手法で整理することはできません。  例えば、立地地点の選定調査を実施するケースがありますが、発電所の立地においては、様々な条件を満足する必要があります。法律で規制を受けたり、名勝がある地点などは立地が困難な場合があります。また、発電所の場合は大量の冷却水を必要としますし、送変電設備用地の確保が可能なことも条件となります。更に、燃料種別によって、例えば石炭火力発電の場合は、燃料の石炭を船で輸送するわけですから、近傍に石炭船ガ入港可能な港湾施設が必要となりますし、LNG発電の場合は近傍にLNG基地が存在することも条件となります。これらの立地可能性の条件を全て満足する場所は自ずと絞られて参ります。発電所の建設地点選定においては、これらの条件を総合的に判断して選定されており、複数案の検討は事実上困難です。

 また、場合によっては、地元から、発電所建設の誘致があり、これを踏まえて立地地点を検討することもあります。

 最近では、既設の発電所を廃止して、その跡地に新しい発電所を建設するいわゆるスクラップアンドビルドにより、新規立地の影響を極力少なくする検討を行う場合もあります。

 このように、民間事業である発電所の建設において、基本構想検討から地点選定に至る段階は、まさしく経営戦略の範疇であり、様々な検討により、経営リスクを最小限とすべく対応しておりますので、一律にSEAにおいて複数地点を検討し選択することは不可能です。

 更に、この段階の情報を公開することは幾つかの問題が生じます。一つには、この段階では規模、燃料種、運転開始時期、地点程度の情報しかなく、十分な諸元が明確に定まっておりません。これらの情報を公開し、地域住民の皆様の意見を賜ることは、住民の皆様に満足のいく説明もできず、ご質問にも十分満足いただける解答ができませんので、かえって住民の皆様に不安を与えることになります。また、発電所の建設は民間事業であり、地域住民が直接的に恩恵を受ける道路事業等の公共事業とは、そもそも性格が異なるものと考えております。ゆえに法律的規制や名勝等の特記的自然環境や地点特性に加え、地元住民の皆様に十分理解いただける見通し、用地の取得見通し、補償に関する地元関係者との調整見通し、環境面での検討結果、等を総合的に判断し、地点を決定することになります。これは、民間事業である発電所建設特有の事業特性であります。すなわち、これらの事前準備を行わず、計画を公表することにより、その地点での建設が著しく困難になる場合があり、その結果、電力会社としての発電所建設計画が大幅に遅延するだけでなく、供給力が確保できなくなるなど、エネルギーセキュリティー上、非常に大きな問題となるリスクが生じる可能性があるということです。

○ EIA手続きについて

電気事業者は既存のEIAの手続きである方法書の中に事業計画をできる範囲で記載しており、住民の方々からいただく意見については、事業計画に係る意見も拒むものではございません。また、当該市町村とは非公式ベースで事前に立地計画や地域の自然的・社会的状況情報について問題のない範囲で、ご指導いただいております。  

 その後、本当に電源立地が必要なのか、発電所計画が適切なのか、なぜこの場所なのか、といった点については、方法書の自治体における審査において、必要に応じ協議が実施されております。この協議は、アセスの調査項目・手法に限られたものだけではなく、具体的な必要性に関しても議論が実施されております。また、環境保全の見地からの住民意見やその意見を踏まえた市町村長意見及びそれらを踏まえた知事意見という形で、経済産業大臣に申述することができ、これらも含めて経済産業省で方法書を審査することになります。審査の家庭では環境審査顧問会という諮問機関もあり、専門の先生方から多様な意見を賜り、最後は大臣勧告という形で方法書の審査が終わることになります。このような大臣勧告にいたるまでのプロセスがあるのは電気事業だけです。制度的な観点では、方法書の手続きは確かに項目・手法だけを定めるものですが、実際にプロセスにおいては、事業の背景、経緯、必要性並びに環境保線の配慮にいたるまで、十分に検討されているものと考えます。  

 なお、事業の背景、経緯、必要性並びに環境保全配慮の検討経緯、内容については、「発電所アセス省令」〈平成18年3月改正、同年9月施行〉の改正により、方法書に記載する制度が充実されました。

○ 事業計画変更の可能性について

 事業アセス開始以降、幾つかの立地地点において、知事・住民意見や大臣勧告に従い事業計画の変更を実施しておりますが、時によっては事業者自らが環境に配慮し計画を変更することもございます。すなわち発電所建設計画公表後も十分に計画は変更されるものであります。

 また、地域特性から重大な環境影響が想定され、建設地点の大幅な変更などが生じる場合、アセスの再手続きが必要となることもあることから、重大な環境影響を考慮しない事業を計画することは考えられません。万一、結果的に重大な環境影響があり、計画変更などの勧告が出された場合は、必要に応じたアセスの再手続きは当然と考えます。それでも地元の方々のご理解を得られないのであれば、地点は成立しないということになりますが、その場合、計画の中止もありえます。

 なお、PPSが計画した石炭火力において、CO2削減について環境省から厳しいご意見をいいただいて計画中止になった事例があると聞いていますが、一般電気事業者の場合は自主行動計画で削減目標を設けており、CO2を考慮したうえで電源計画を立てております。

 以上より、民間事業である発電所建設固有の事業特性、及び現制度が既に十分環境に配慮できる仕組みとなっていることから、発電所の建設計画策定プロセスにおけるSEAの導入は不必要であると考えます。

 以上

 

資料2.(中部電力の質問2に対する回答)

1.事業に先立つ早い段階での公表

民間事業である電力会社が実施する発電所の建設にあたっては、将来電力需要の見通しのもと、法律を遵守し、安定供給、経済性、環境配慮や地点特性、土地取得見通し、地元情勢、インフラ条件等を総合的に検討したうえで、発電所の建設地点を選定しますが、これらは電力自由化という競争環境の中における経営戦略の範疇であります。発電所建設地点公表前の段階で、ガイドラインで定める戦略的環境アセスメント(SEA)制度を発電所に適応するということは、民間事業の経営判断に国が介入することになります。また、この段階で計画を明らかにすることは、土地の買占めや土地価格の値上がりなど無用の混乱を生じ、発電所の立地が非常に困難となり、電力供給力の確保ができなくなるなど、エネルギーセキュリティー上、非常に問題となります。

2.現行の発電所アセスメント制度

発電所で実施される環境影響評価法に基づく事業アセスメント(EIA)は、「発電所の設置又は変更の工事の事業に係る環境影響評価の項目並びに当該項目に係る調査、予測及び評価を合理的に行うための手法を選定するための指針、環境の保全のための措置に関する指針等を定める省令」が平成18年3月に改正され、同省令第3条において、方法書の作成に当たり「当該事項に関する特定対象事業の背景、経緯及び必要性をできる限り明らかにする」こととなっています。すなわち、EIAの早い段階でガイドラインの目的とされる事業の位置・規模等の情報が提供され、これにより環境保全の見地から、住民意見やその意見を踏まえた市町村長意見、これらを踏まえた知事意見という形で経済産業大臣に提出することができ、これらも含めて経済産業省で方法書が審査される制度となっています。審査の過程では諮問機関である「環境審査顧問会」の専門家の意見を賜りながら、最後に経済産業大臣勧告を受けるなど、厳しい審査・手続きのもとでEIAを実施することとなっており、同じような審査・手続きを更にSEAで行うことは、屋上屋を架した手続き論のみでの制度となります。民間の電力会社が行う発電所の設置等の事業に対しては、現状のEIA制度をしっかりと行っていくことが重要であり、現在の手続きで、十分対応は可能であります。なお、EIA手続きの過程においても住民・首長意見や大臣勧告に従い事業計画の変更も可能であります。

3.その他
民間事業に対しSEAを導入する制度は、世界でも例がないと聞いています。

 

資料3.(関西電力の質問2に対する回答)

民間事業である発電所立地へのSEAの導入については、次の観点から、対象外とすべきです。

1.仮にSEAを導入した場合、その実施段階において、基本構想検討から地点選定にいたる段階の不十分な諸元を公開することになる。その結果、地域住民の皆様に不安を与えたり、混乱を招いたりすることなどが考えられ、発電所立地の大幅な遅延や供給力が確保できなくなるなど、エネルギーやセキュリティー上で非常に問題となるリスクがあります。

(説明)
一般電気事業者は、政府の基本方針であるエネルギー基本計画や長期エネルギー需給見通しを踏まえ、電源開発の基本構想を検討しております。電気事業の事業特性として、自由化という競争環境にあること、また出来るだけ安価な電力を安定して供給する責任もあることから、これらを踏まえ、各電力会社において事業戦略を検討します。基本構想検討段階においては、このような事業特性を踏まえ、将来の電力需給状況を想定し、いつ頃、どのくらいの規模の電源が必要か、環境負荷特性、エネルギーセキュリティー、経済性等を考慮してどのような電源構成とするかを、各電力会社ことに検討しております。ただし、この段階においては、発電所単独建設計画の詳細検討には至っておりません。またCO2問題も電気事業者にとっては非常に大きな課題であります。CO2問題に対して、電気事業者は自主行動計画を策定し、目標達成ができるよう基本構想段階における電源開発検討に反映しております。

基本構想の検討を踏まえて、立地候補地点を検討することとなりますが、立地地点の検討には様々な経緯があり、一概に統一した手法で整理することはできません。 例えば、立地地点の選定調査を実施するケースがありますが、発電所の立地においては、様々な条件を満足する必要があります。法律で規制を受けたり、名勝がある地点などは立地が困難な場合があります。また、発電所の場合は大量の冷却水を必要としますし、送変電設備用地の確保が可能なことも条件となります。また、誘致等の地元情勢も条件の一つとなります。更に、燃料種別によって、例えば石炭火力発電の場合は、燃料の石炭を船で輸送するわけですから、近傍に石炭船が入港可能な港湾施設が必要となりますし、LNG発電の場合は近傍にLNG基地が存在することも条件となります。これらの立地可能性の条件を全て満足する場所は自ずと絞られて参ります。発電所の建設地点選定においては、これらの条件を総合的に判断して選定されており、複数案の検討は事実上困難です。

また、場合によっては、地元から、発電所建設の誘致があり、これを踏まえて立地地点を検討することもあります。

最近では既設の発電所を廃止して、その跡地に新しい発電所を建設するといわゆるスクラップアンドビルドにより、新規立地の影響を極力少なくする検討を行う場合もあります。

このように、民間事業である発電所の建設において、基本構想検討から地点選定に至る段階は、まさしく経営戦力の範疇であり、様々な検討により、経営リスクを最小限とすべく対応しておりますので、一律にSEAにおいて複数地点を検討し選択することは不可能です。 なお、この段階の情報を公開することは幾つかの問題が生じます。一つには、この段階では規模、燃料種、運転開始時期、地点程度の情報しかなく、充分な諸元が明確に定まっておりません。これらの情報を公開し、地元住民の皆様の意見を賜ることは、住民の皆様に満足のいく説明もできず、ご質問にも十分満足いただける回答をできませんので、かえって住民の皆様に不安を与えることになります。また、発電所の建設は民間事業であり、地域住民が直接的に恩恵を受ける道路事業等の公共事業とは、そもそも性格が異なるものと考えております。ゆえに法律的規制や名勝等の特記的自然環境、地点特性に加え、地元住民の皆様に十分ご理解いただける見通し、用地の取得見通し、補償に関する地元関係者との調整の見通し、環境面での検討結果、等を総合的に判断し、地点を決定することになります。これは、民間事業である発電所建設特有の事業特性であります。これらの事前準備を行わず、計画を公表することは、その地点での建設が著しく困難になる場合があり、その結果、電力会社としての発電所建設計画が大幅に遅延するだけでなく、供給力が確保できなくなるなど、エネルギーセキュリティー上、非常に問題となるリスクがあるため、このような対応をとるべきとの経営判断によるものです。

2.現在のEIA制度は、十分に機能していることから、新たにSEAを追加する意味や効果はあまりありません。

(説明)  
電気事業者は方法書の中に事業計画を出来る範囲で記載しており、住民の方々から頂く意見については、事業計画に係る意見も拒むものではありません。また、当該市町村とは非公式ベースで事前に立地計画や地域の自然的・社会的状況情報について問題の無い範囲で、ご指導いただいております。

 その後、本当に電源立地が必要なのか、発電所計画が適切なのか、なぜこの場所なのか、といった点については、方法書の自治体における審査において、必要に応じ協議が実施されております。これは、アセスの調査項目・手法に限られたものだけでなく、具体的な必要性に関しても議論は実施されております。また、環境保全の見地からの住民意見やその意見を踏まえた市町村長意見及びそれらを踏まえた知事意見という形で経済産業大臣に申術することができ、これらも含めて経済産業省で方法書を審査することになります。審査の過程では環境審査顧問会という諮問機関もあり、専門の先生方から色々な意見を賜り、最後は大臣勧告という形で方法書の審査が終わることになります。このような大臣勧告に至るまでのプロセスがあるのは電気事業だけです。

 なお、実際のプロセスにおいては、事業の背景、経緯、必要性並びに環境保全の配慮に至るまで十分に検討されているものと考えておりますが、「発電所アセス省令」(平成18年3月改正、同年9月施行)の改正により、事業の背景、経緯、必要性並びに環境保全配慮の検討経緯、内容を方法書に記載するよう制度が充実されております。

 また、SEAを導入しなくても現在のEIA制度で事業計画変更することは可能です。

 発電所建設計画公表後の計画変更事例については、1月30日に開催された事業者ヒアリングにおける電力会社の説明資料に方法書段階及び準備書以降の事例の一例が記載されております。事業アセス開始以降、知事・住民意見や大臣勧告に従い事業計画の変更を実施しておりますが、事業者自らが環境に配慮し計画を変更することもあります。つまり皆様のご意見によって、十分に計画は変更されるものであります。

 また、地域特性から重大な環境影響が想定され、建設地点の大幅な変更などが生じる場合、アセスの再手続きが必要となることもあることから、重大な環境影響を考慮しない事業を計画することは考えられません。万一、結果的に重大な環境影響があり、計画変更等の勧告がだされた場合は、必要に応じたアセスの再手続きは当然と考えます。それでも地元の方々のご理解を得られないのであれば、地点は成立しないということになりますが、その場合、計画の中止もありえます。                      

             以上

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