LNGカナダ 何が問題?

事業概要

カナダのブリティッシュ・コロンビア州で、先住民族の反対の声を無視したガス開発が進んでいます。ガスの採掘、ガスを運ぶためのパイプライン事業、ガスを液化して輸出――そこに至るまでの過程には、様々な問題があります。

気候変動の問題

世界中で気候危機が深刻になっています。気候危機を食い止めるためには化石燃料の使用を制限していく必要があります。国際エネルギー機関(IEA)は、パリ協定の1.5度目標達成のためには2021年以降新規のガス・石油開発への投資はやめるべきとしています。

また、パリ協定の1.5度目標達成のためには2050年までに世界の温室効果ガスの排出を実質ゼロにする必要がありますが、ブリティッシュ・コロンビア州で建設が進むガスターミナル(LNGカナダ)やガスを運ぶパイプライン(コースタル・ガスリンク・パイプライン)は2050年以降も稼働する予定になっているのです。

ガスの採掘にはフラッキングという環境負荷の高い手法が使われています。
また先住民族が伝統的に利用してきた水源地でのパイプライン建設も進んでおり、環境破壊が深刻です。

人権の問題

世界中で気候危機が深刻になっています。気候危機を食い止めるためには化石燃料の使用を制限していく必要があります。国際エネルギー機関(IEA)は、パリ協定の1.5度目標達成のためには2021年以降新規のガス・石油開発への投資はやめるべきとしています。

建設に反対する先住民族やその支持者が、現地警察によって暴力的に排除されることもこれまでに何度も発生しています。

建設現場での先住民族の権利の侵害は国際的にも問題視されています。国連人種差別撤廃委員会はカナダ連邦政府に対し「自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意 (Free, Prior, and Informed Consent: FPIC)」が得られるまで、パイプライン建設を中止するよう求めているのです。

経済性の問題

このまま気候変動対策が進み、化石燃料依存からの脱却が進めば、ガス関連の施設は採算の取れない「座礁資産」となる恐れがあります。
気候危機対策のため、化石燃料事業を行っている会社への投資を引き揚げるダイベストメントが進んでいます。これまでは石炭火力発電に注目が集まっていましたが、ガス開発からの投資撤退も徐々に始まっています。
新型コロナウイルスの影響もあり、事業が遅延しています。その間に発生する追加のコストについても問題視されています。

わたしたちにできるアクション