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プロジェクトの概要
スリランカ南部交通網開発事業(STDP) 要望書賛同のお礼

 

スリランカ・南部ハイウェイ建設事業
国際協力銀行の調査に関する要望書
賛同のお礼

  この度は、「スリランカ南部ハイウェイ事業に関する国際協力銀行の調査に関する要望書」へのご賛同、誠にありがとうございました。

  最終的に、36団体そして24個人の方々から賛同をいただきました。そして9月14日(水)に日本政府および国際協力銀行(JBIC)に提出いたしましたことをここに御報告させていただきます。 また、JBICの同事業担当者には、9月15日に会合を持ち、その会合でも要望書を渡しました。 

   【本文】


外務大臣 川口 順子様
財務大臣 谷垣 禎一様
経済産業大臣 中川 昭一様
国際協力銀行総裁 篠沢 恭助様

スリランカ・南部ハイウェイ事業に関する国際協力銀行の調査に関する要望書


  スリランカの南部ハイウェイ事業(Southern Transport Development Project: STDP)に関しては、2001年より、不十分な環境影響評価及びルート選定の妥当性に関する懸念が、現地住民組織や現地NGOよりあげられてきました。これらの懸念を受け、2004年6月、国際協力銀行は環境影響評価及びルート選定に関する調査を開始しました。しかしながら、調査に関する目的、手法、業務指示書(ToR)等、詳細な情報が全く公開されていないため、被影響住民を含む地域のステークホルダーは、その調査への参加どころか、調査の概要さえも把握できていません。
 
 STDPは2003年10月以前にスリランカ政府より融資要請がなされているため、「環境社会配慮のための国際協力銀行ガイドライン(以下、「新ガイドライン」)」の適用外ですが、新ガイドラインの基本姿勢であるアカウンタビリティーや透明性を確保したプロセス及び、STDPの影響を受ける地域住民や現地NGOを含むステークホルダーのかかるプロセスにおける参加は、本件事業にも適用されるべきです。しかし、前述したように、この度の国際協力銀行の調査は、透明性、アカウンタビリティー、ステークホルダーの参加を確保しておらず、新ガイドラインの基本姿勢を尊重したものとは言えません。
 
  STDPの環境影響評価やルートに関する問題の根本は、そのプロセスに起因することから、今回の国際協力銀行の調査においてプロセスが不透明であった場合、再び同じ問題が繰り返されることにもなりかねません。従って、今後、国際協力銀行がSTDPの環境影響評価及びルート選定に関する調査をしていくにあたり、最低限必要と考える改善事項を、以下の通り要請させていただきます。


●調査の情報公開・プロセスの透明性・アカウンタビリティーの確保に関して

・調査の範囲、目的、手法、業務指示書(ToR)など、調査に関わる情報を公開すること。
・調査報告書は、結果のみならず、理由及び経緯を明確かつ具体的に示し、アカウンタビリティーを確保すること。
・かかる調査報告書は公開され、パブリックコメントの期間を設ける等、それに対する幅広い意見を受け付け、最終的な調査報告書に反映させること。そして、最終調査報告書は、事業実施に活かされること。
・調査報告書、最終調査報告書、パブリックコメントの受付は、被影響住民もプロセスに参加できるよう、日本語のみならず、最低限スリランカの公用語で行われること。


●調査の目的に関して

・STDPの環境影響評価及びルート選定に関わる問題を特定し、環境及び社会への影響を最小限に抑えるルート選定をすることを調査の目的のとすること。


●調査の実施にあたって

・調査によって問題を特定し、その問題内容に関する本格調査と問題への対応の検討を行い、調査の目的の達成に必要な対応を事業者にとらせること。
・現地調査は、その独立性及び被影響住民の参加を確保したものであること。
・環境及び社会への影響に留意したルート選定をするため、土木工学者のみならず、湿地帯の専門家、環境影響評価の専門家、プロジェクト実施地に精通した社会学者の調査への参加を確保し、幅広い分野の調査を実施すること。
・事業者やスリランカの政府関係者抜きで、影響住民への調査・聞き取り等を行なうこと。また、聞き取り調査の対象者・協力者・同行者等の安全、とりわけ住民の安全に十分配慮すること。


●調査のフォローアップに関して

・事業者の対応が、調査の目的に鑑みて十分な実効性を有しているか、国際協力銀行として適切かつ主体的に判断・評価・対応すること。


以上の点に配慮した対応及びこの要望書に対する御返答をいただければ幸いです。


国際環境NGO FoE Japan
(担当:清水規子)
〒171-0031 東京都豊島区目白3−17−24 2F
Tel: 03-3951-1081, Fax: 03-3951-1084


団体賛同 36団体 (50音順、アルファベット順

A SEED JAPAN
アジア開発銀行福岡NGOフォーラム
(特活)AMネット
ODA改革ネットワーク
「環境社会持続」研究センター(JACSES)
自治労大阪府職員労働組合総務支部
ジュマ協力基金
日本環境法律家連盟
(特活)メコンウォッチ
African Network for Environment and Economic Justice (ANEEJ) (Nigeria)
BanglaPraxis (Bangladesh)
Berne Declaration (Switzerland)
Campagna per la riforma della Banca mondiale (Italy)
Conservation Melanesia Inc (Papua New Guinea)
Cordillera Peoples Alliance(Philippines)
Environmental Defense (US)
Fraser Reilly-King, NGO Working Group on EDC, a Working Group of the Halifax Initiative Coalition (Canada)
Friends of The Earth Colombia (Colombia)
Friends of the Earth France (France)
Friends of the Earth Ghana (Ghana)
Friends of the Earth Indonesia (Indonesia)
Friends of the Earth Malaysia (Malaysia)
Friends of the Earth Peru (Peru)
Friends of the Earth PNG (Papua New Guinea)
Gama Surakeema Sanvidhaniya (Sri Lanka)
Green Movement of Sri Lanka (Sri Lanka)
International League of Peoples' Struggle - Philippines Chapter (Philippine)
International Rivers Network (US)
Joint Organization of the Affected Communities on Colombo Matara Highway (Sri Lanka)
Kalikasan-People's Network for the Environment (Philippines)
LOKOJ (Bangladesh)
Mindanao Interfaith People's Conference (Philippines)
Proyecto Gato (Belgium)
The Center for International Environmental Law (US)
The Corner House (UK)
United Society for the Protection of Akmeemana (Sri Lanka)

個人賛同者24名

【以上本文】




●スリランカ南部交通網開発事業(STDP)とは――

  スリランカの旧首都コロンボと南部のマタラを結ぶ128kmの道路を建設する事業。既存の高速道路とのリンクにより国内の交通網を充実させることが事業のねらい。国際協力銀行(JBIC)は、同事業のうち、コロンボからクルンドゥガハヘテクマまでの75km区間の道路建設の際に必要な土木工事、資機材調達、コンサルティングサービスに、187億7000万円を政府開発援助(ODA)として供与することを決定。アジア開発銀行(ADB)は、クルンドゥガハヘテクマからマタラまでの、53km区間に対し、約90億円(9,000万ドル)の供与を決定。十分な環境影響評価や住民との協議、住民移転計画の策定がなされていないなどの理由から、これまでに地域住民はADBのインスペクション機能や裁判などを通じて異議申立てを行ってきたが、現在、道路建設の準備としての立ち退きが進められている。

※スリランカ南部交通網開発事業の詳細な情報はWEBサイトをご覧ください。
https://www.foejapan.org/aid/jbic02/srilanka/index.html


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