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第七回環境関連フォーラム in札幌 報告 (2005年4月22日) |
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▼先住民族や現地住民について
参加者:資源開発は現地に住む先住民族の利益を奪うこと。フォーラムで先住民族や地元の人の問題が取り上げられないことは疑問。
参加者:融資が前提で、JBICはSEICの代弁をしているようにしか聞こえない。JBICは融資の判断のための材料を集めているというが、その基準がわからない。ガイドラインを参照しているというが、レジュメを見ると、日本に与える懸念とか野生生物の内容がほとんど。国境の外の人間は我々の関するところではないというのでは問題。現地の人間を大事にしてほしい。
JBIC:「国境を越えてわが国に影響を及ぼす環境の問題」に関して、日本関係者からの意見を聞くというのがこのフォーラムの位置付け。北海道への影響について、漁業関係、油流出専門家や役所の人にも集まってもらい、どういう対策ができるか議論している。野生生物に関しても、渡り鳥条約とかクジラの保護という観点で日本との関わりもある。先住民族については環境配慮ということでしっかりやる。4月18日にはサハリン州政府、石油会社と先住民族の会合があったと聞いている。
▼生物関連フィードバックについて
参加者:具体的なデータが何もない。サハリン周辺の生態系であれば、植物性、動物性プランクトンから、石油による汚染があった場合にどういう生物に影響が及ぶかというデータがないと、判断できない。アデンダムがないので議論のしようがない。
参加者:ごみによる渡り鳥への影響対策について、囲いをするというのは何もしないのと同じ。産業廃棄物の処理もプラスチックの問題もあり埋めるというのは非常に問題。
参加者:土砂投棄に関しても、土砂の中に含まれている微生物によって、捕食動物が増加するなど問題。漁業資源に影響を与えるというデータがないのは、調べていないからだろう。
JBIC:ある程度まとまったところで回答。EIAアデンダムに盛り込まれるといった内容の回答もあり、それらについてはアデンダムが出たところで見てもらうしかないが、もらった意見についてどういう形で処理されているかということを伝えている。データについて、アデンダムに盛り込まれることで対応させてもらっているものは、盛り込まれているということでご理解いただきたい。
JBIC:今のタイミングでフォーラムを開いているのは、EIAアデンダムの作成過程であるからこそ意見を伺って、それをもとに審査をし、SEICと協議することが可能だから。データがたりないので判断のしようがないというのはごもっともだと思うが、他のレンダ−とともに、SEICと協議を重ねた内容を踏まえて、過去のロシアの調査結果や本プロジェクトによる調査結果をまとめたものをアデンダムに公表する。
JBIC:但し、調査の性質として希少性のある動物を中心に行っているため、すべてのデータを公表することが必ずしも適切ではない。SEICとして可能な限りの対応を行っていく。SEICは今後、科学的なデータをお持ちのご専門の皆様と意見交換をすることを前向きに考えている。Biodiversity Action Plan 検討の過程において、専門家の意見を聞くのは可能だ。
参加者:漁業資源に関しても、各海域にはキースピーシーズがあるはず。スケトウダラがそうであろうが、使っている用語も非常に古い。アニワ湾には紅エビがいるが、ロシアの漁民はこれをとっている。浚渫による影響がないというのは信じられない。希少生物というが、それを支えているのは生態系。きちっと整理したものを作るべき。これまでのアセスの報告書は研究者にとって耐えられるものではない。ごみを整理しないとオホーツクは一気に汚れる。SEICくらいはお手本となるようにしないと。埋め立てるというのはもってのほか。
参加者:パイプラインが河川を横断する影響について、イトウがいるかいないかだけで判断するのは問題。
JBIC:河川横断ついて、国際的な基準で対応。
▼油流出関連について
参加者:ロシア側の環境対策を信用するのは経験からして困難。日本からの研究者を入れ、共同の研究結果を発表する必要がある。
参加者:北海道の沿岸に流れてくる流氷に対し、どう対応するのか。冬の演習を行うべき。
JBIC:海保に意見は伝えてある。冬、氷の張っていない場所での演習はやっている。
演習を行える状況を整えることが重要。
JBIC:日本の専門家が入ってのチェック体制に関して、このフォーラムは日本が融資をするかしないかという公聴会で、環境確認は実施主体がやるもの。SEICも専門家との議論の場を設けるといっている。地元での公聴会もSEICが行う。プロジェクトはJBICが関わらなくても続く。(環境対策に対する)思いが強すぎて、融資ありきと思われるかもしれないが、こうした枠組みを続けていきたい。融資が実行される場合、モニタリングでのチェック体制ということであれば、専門家の方に参加していただくこともありうる。
参加者:フェーズ2で改めて作るOSRPの中で、どこまでタンカー事故を想定したものを作っているのかわからない。未然防止の内容について、今日の資料でも防除体制についてさっぱり触れられていない。現在の防災計画と同じで進展がない。フェーズ2の計画の中ではサハリンにとどまらず、北海道周辺でのタンカー事故を想定したものをつくってほしい。
▼モニタリングに関して
JBIC:モニタリングの内容は計画を立てる中でつめていく。4レンダ−共通でコンサルタントを雇っている。それぞれの分野の専門家から知見をもらう。日本の中に知見が多い専門家がいればそれを利用してモニタリングを実施していく。
▼SEICのデータの信憑性について
参加者:SEICが信用できないということでこのフォーラムが行われている。オオワシに関してアデンダムの中では巣の数が一致していたということだが、なぜ最初からそうではなかったのか。そうした信憑性について研究者は議論するのであり、アデンダムがないと協議ができない。アデンダムが出たところで、各研究者に十分は検証、協議の時間を設定するべき。事業者が対応するということだが、日本に悪影響があるものは日本が独自での調査をやるべきではないか。どんな優秀な研究者でも虚偽のデータが並べられている中で、判断はできない。審査ができない。
JBIC:アデンダムの内容を協議している最中。期限を切ると十分な協議ができない。慎重な対応を取りながら、影響について考える立場のレンダ−とすると、事実関係について意見交換を続けていきたいと思っている。オオワシの生息データについて、最初の段階で数字が合わなかったことに関してはアデンダムを見てほしい。
JBIC:データの信頼性について、日本の専門家で科学的データをお持ちの方であれば、先方にも専門家がいるのでミーティングを持つのも方法。SEICはそういった科学的な議論をする場を積極的に作ると言っている。
▼アニワ湾の土砂投棄に関して
参加者:アニワ湾に関して、データは信用するが、データを判断するロシアの基準が甘いのではないか。日本で浚渫土を投棄することはない。オホーツク沿岸の貝毒有害プランクトンはアニワ湾が起源ということがロシアと日本の共同研究でわかった。そのアニワ湾で環境の変化が著しく起こることがないのか。ロシア政府の見解は3年で回復するという。こうしたスタンスに、日本にいる側として不信感がある。データは信用しても、判断する基準が違えば議論ができないのではないかという懸念。SEICの考え方を徹底してほしい。
JBIC:SEICに伝えて、フィードバックする。今日は全ての回答というわけではない。アニワ湾などについてSEICに伝え、海保に伝えるものは海保に伝える。
▼地方でのSEIC説明会について
参加者:オホーツク沿岸での説明会について、地域住民がどのような関わりができるのか。地域ではまだプロジェクト自体が受け止められていない。どのような懸念があるのか、何か起きた場合の責任など、漁業との問題だけでなく、話されるように要望する。
JBIC:基本的に地域での説明会はSEICが行う。フィードバック内容を含めて、油が漂着すると想像されるような都市でやる。JBICも同席する。SEICのステークホルダーミーティングになるので、SEICがホームページで案内など対応。海保の油防除システムなど、SEICの責任範囲でないものにはコミットはできない。オホーツク沿岸の説明会についてはどのような形でやるのが一番いいのか検討中。
参加者:SEICのプロジェクトだけ聞きたいのではない。北海道としてどういう防御体制を取るのかということを合わせて聞きたい。
参加者:JBICはSEICがどのような説明会をするべきだと思うか。
JBIC:サハリンのプロジェクトはいずれにせよ立ち上がる。油流出への徹底した対応が必要。SEICだけでなく、日本の対応先も含めて話合うことが大事。JBICが融資をしようがしまいがやらなくてはならない。JBICとしてどうするのかと聞かれてもできるだけのことをする。オホーツク沿岸の方の安心感が少しでも上がるような形でSEICの説明会も促していく。
*議事録、当日の配布資料はJBICのホームページに掲載される予定です。
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