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サハリンIIフェーズ2のJBICによるモニタリングについての意見・ 要請を提出
 

2008年6月16日、国際協力銀行(JBIC)は民間銀行と共に、サハリンII第二期工 事に対して、53億ドルの融資を行うことを決定し、サハリンエナジー社と融資契 約を締結しました。

FoE Japanは、JBICが融資機関として、サハリンII開発における環境社会配慮を 確保し、日本の市民に説明責任を果たすように、同行のモニタリングに関する要 請書を提出しました。


2008 年8 月7 日

国際協力銀行
田波 耕治 殿

国際環境NGO FoE Japan

サハリンII 第二期工事への融資に関する貴行のモニタリングについての意見・要請

6 月16 日に貴行が融資調印を締結した「サハリンII 石油・天然ガス開発事業第二期工事」 のモニタリングに関し要請したく書簡を提出致します。

FoE Japan は、1998 年より同事業の環境面や社会面での問題につき、貴行に対して情報 を提供するとともに、問題解決に取り組んで頂けるよう要請して参りました。第二期工事 に関しては、計画段階という非常に早期の段階より、多岐に渡る環境社会問題を指摘して きたにもかかわらず、対応や対策の遅れによって、限られた改善策が取られたのみに終わ り、影響を回避あるいは最小化するための根本的な見直しや対策はほとんどなく、建設工 事が概ね完了するという現状に至ってしまったことについては、遺憾の意を表明致します。

さらに、融資調印が決定される直前の6 月11 日、FoE Japan は16 団体のNGO ととも に、事業者であるサハリンエナジー社が行ってきた数々のガイドライン違反や国際基準へ の違反について指摘し、貴行に対して同事業への融資を行わないよう求める書簡を提出致 しましたが、この書簡の内容に対する貴行の考えは明らかにしていただけず、返答がない ままに融資の決定がなされており、私どもとしては、貴行の融資調印という決断に対する ステークホルダーへの説明責任という観点から、不十分であったと考えております。

貴行は、サハリンエナジー社が「健康、安全、環境並びに社会的影響に関する活動計画 (Health, Safety, Environment, Social Action Plan)」の中で示したコミットメントを実行 することを重要視されていますが、融資決定時点では、事実として、未解決もしくは未対 応の状況が残されていたばかりか、これらがいつの時点でどのような方法・手順によって 解決されるのかといった具体的な対応も明らかではありませんでした。完全操業の開始の 日も近い中、これらの問題は早急に対処されるべき事項であると考えております。

過去、何度も指摘しておりますが、こうした問題の中には、陸上パイプラインの建設工 事での不適切な処置に関する点、油流出対応計画はロシア政府の承認すら得られていない 点、生物多様性保全計画については一度専門家会合が開催されたのみ(07 年12 月開催)で その後の進展がない点、といったものが含まれます。また、これらの計画が単にできるだ けでなく、計画が負の環境社会影響を回避・最小化するために実効性を伴うものとなり、 さらにそれが適切に実施されることが必要です。

現在、貴行は同事業へのモニタリングを実施していると理解しておりますが、モニタリ ングにあたっては、関連する情報を市民に発信し、また解決が図られていない問題は早期 に解決し、新たな問題が起きないようにしていくことが重要となります。つまり、融資者 として同事業に関与することを決めた貴行には、これまで以上の説明責任を果たす必要が あると考えます。また、貴行は、同事業の環境社会配慮に関する問題を解決するためのレ バレッジを有していると理解しています

以上の同事業を巡る状況を背景に、同事業のモニタリングに関して、以下の点を要請致 します。これらの点につきまして、貴行のご対応につきご返答いただけますようお願い致 します。

【サハリンエナジー社の行う環境・社会面のモニタリング】
・ サハリンエナジー社の行う環境・社会面のモニタリングに関する報告書を全てサハリン 及び日本で公開することを確保すること。
・ 日本に関連するイシューに関するモニタリング報告については、日本市民が理解しやす いよう、日本語に翻訳され公開されること。

【JBIC が行う環境・社会面のモニタリング】
・ 貴行自身のモニタリングの計画(時期・頻度、目的、方法、項目)を事前に明らかにす ること。(書面のみによるモニタリング、また、実査によるモニタリング等を含む。)
・ 貴行自身が行う同事業の環境・社会面のモニタリングにおいて、特に、実査にあたって は、事業者のみならず、被影響住民への聞き取り、また現地NGO など第三者への聞き取 りも行うなど、モニタリングのための情報収集の妥当性・中立性の確保に努めること。
・ 貴行自身が行う同事業の環境・社会面のモニタリングの内容及び結果につき、特に実査 については、目的、方法、モニタリング項目、期間、調査者、訪問場所(訪問した人物)(* 1)、判明した事実、結果、結果を踏まえた貴行の今後の対応を含め、日本市民が知るこ とができるように、公開すること。(貴行自身のモニタリング報告書の公開などが考え られる。)
・ 貴行自身のモニタリング報告書は、日本語で公開するとともに、少なくとも英語に翻訳 し、公開すること。

以上

*1 訪問場所や訪問人物の記載については、当該聞取りの対象人物の安全性等に配慮すること。

【本件に関するお問い合わせ】
担当:渡辺 瑛莉 Email: watanabe@foejapan.org
住所:〒171-0014 東京都豊島区池袋3-30-8-1F TEL:03-6907-7217

cc: 財務省 国際局 大臣官房参事官 殿
財務省 国際局 参事官室課長補佐 殿

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