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開発金融と環境プログラムキャンペーンサハリン石油開発>JBICへの要望書
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サハリンU JBICへの要望書を提出しました
 

国際協力銀行(JBIC)に対し、8月24日付けで要望書を提出いたしました。

9団体、37個人の方々の賛同をいただき提出したこのレターでは、これまでJBICのフォー ラム等を通じてステークホルダーが指摘した問題に対する明確かつ具体的な説明をJBICに求めています。

これまでの経緯とレターの主旨及び本文は、下の【賛同のお願い】をご覧ください。

 

【賛同のお願い】 サハリンU石油ガス開発プロジェクト−国際協力銀行宛の要望書
 

政府系金融機関、国際協力銀行(JBIC)は現在、ロシア・サハリンII石油・天然ガス開発プロジェクトへの融資を検討しています。この度JBICに対し、指摘されてきた問題に対する明確かつ具体的な説明を求める賛同レターを提出することにいたしました。

3月にも適切な対応を求めるレターを提出しましたが、未だうやむやなままの問題が残っています。

賛同レターの本文は最下部に貼り付けてあります。みなさまのご協力よろしくお願いいたします。

   ☆ 賛同締切: 8月21日(月)
   ☆ 賛同方法: 以下の情報を、こちらまでお知らせください。
              →団体賛同の場合・・・団体名、代表者名
              →個人賛同の場合・・・氏名、所属団体もしくは職業

> サハリンIIプロジェクトに関する詳しい情報は こちら  
> お問合せは FoE Japan 神崎まで


これまでの経緯とレターの主旨  

サハリンIIプロジェクトは、開発や生産の過程で、サハリン現地のみならず日本にも影響が及びます。JBICは2004年10月から2005年5月まで、ステークホルダーの意見を聞くための「サハリンIIフェーズ2に係わる環境フォーラム」を9回に渡って札幌と東京で開催してきました。  > 議事録はこちら

その場では、事業者サハリンエナジー社が作成した環境影響評価報告書の不備、 油流出事故が起きた場合に漁業や沿岸地域社会に与える影響、日本にも往来して いる鳥や海生哺乳類への影響など多くの問題点が指摘されました。  

これらの問題についてJBICは、「環境影響評価の補遺版が近いうちに出され、詳細な環境情報や対策はそこに記載される予定」とし、多くの問題について具体的な回答を得られませんでした。  

環境影響評価の補遺版の公表は、予定より大幅に遅れ、工事の約60%以上が終了した2005年12月(日本語版は翌2〜3月)に公表され、JBICは2006年6月に再び札幌及び東京でフォーラムを開催しました。しかしJBICはこの場で、審査中であることを理由に、環境影響評価や補遺版への評価を明らかにせず、一方でデータの不足や保護対策の不備などの指摘については、事業者が現在作成中である生物多様性行動計画(BAP)の中で議論されるのが望ましいと発言しました。
この間にも工事は進行し、完了まであとわずかとなっています。

以上のような経緯を踏まえ、今回のレターはJBICに対して以下を要望しています。

  ◎ 貴行が事業者のESHIA、EIA補遺版、環境対策の質をどのように判断しているのか、またフォーラム
     の参加者が挙げた懸念や指摘のなかで、すでに説明をいただいた事業に反映された点だけでなく、
     反映されていない点とその理由についても、具体的かつ明確な説明をすること。

  ◎ 「きちんとした説明ができない限り融資実行はない」との貴行のフォーラムでの発言にある通り、
     融資の判断に当たっては、その根拠を明確にし、ステークホルダーに対して説明し議論すること。

賛同レター本文

2006年8月24日

国際協力銀行
総裁 篠沢 恭助 様

資源金融部長
環境審査室第1班課長

サハリンII石油・天然ガス開発事業における貴行のご対応に関して  

貴行が融資を検討しているサハリンII石油・天然ガス開発事業第二期工事に関し、貴行はその環境審査において、2004年10月より2006年6月まで、東京と札幌の2箇所で合計11回に渡り「サハリンIIフェーズ2に係る環境関連フォーラム(以下、フォーラム)」を開催しました。2002年4月に制定された「環境社会配慮のための国際協力銀行ガイドライン」の精神に基づく対応として、貴行がこのようなフォーラムを継 続的に開催されてきたことに敬意を表します。しかしながら、私どもは以下の理由から、懸念や指摘に対する貴行からのご説明やご回答が十分に得られていないと認識しており、このような書簡を提出させていただくことにしました。  

サハリンII第二期工事については、2003年初めに環境社会健康影響評価(以下 ESHIA)が公開されました。その内容に対して数々の不備が指摘されたため、同年 秋に事業者であるサハリンエナジー社(SEIC)は、環境影響評価補遺版(以下、EIA 補遺版)を作成中であることを明らかにしました。そのEIA補遺版が公開されたのは、2005年12月、つまり2003年ESHIAが公開されてから約3年後、第二期工事の約60%以上が完了した段階でした。  

フォーラムの第1回から9回は、同事業のEIA補遺版が公開される以前に実施されました。その間のフォーラムにおける貴行のご説明は、問題の具体的な部分や核 心部分にはほとんど触れず、詳細な環境情報や対策はEIA補遺版に記載されるた め、それを見てほしいと繰り返し参加者に伝えることに終始しました。そして EIA補遺版が公開された後、2006年6月に東京と札幌で1回ずつフォーラム が開催 されましたが、貴行は環境審査の過程であることを理由に、ESHIAやEIA補遺版、 また事業者の環境対策に対する評価については具体的に言及することを避けまし た。  

一方で貴行は、野生生物に関するESHIAやEIA補遺版のデータの不足や保護対策の 不備などの指摘については、事業者が現在作成中である生物多様性行動計画(BAP) の中で議論されるのが望ましいといった発言をしています。  

私どもは、このような貴行のご対応に疑問を抱かずにはいられません。第一に、 貴行の「環境社会配慮のためのガイドライン」には、「プロジェクトの影響を回 避・最小化する」ことが基本方針に掲げられています。これに従えば、既にほぼ 建設が終了し、影響の回避どころか最小化も困難な状態にあるサハリンIIプロジェ クトに対して融資審査を続けている行為そのものが、貴行が自ら定めたガイドライ ンにも係わらず、それに違反していることを示すと考えます。  

第二に、BAPは今秋を目指してそのプロセスを立ち上げようとしていることから 考えて、事実上、建設工事期間終了後の対策を扱うものとなるだろうことは明ら かです。これまで事業者の作成したESHIA、EIA補遺版の内容に関する基本的な情 報に関する多くの不備が指摘されてきました。それらの問題を置き去りにして、 建設工事終了後の対策のみを議論・検討することはできないと考えます。

私たちは以下の点について貴行に要望いたします。

・ 貴行が事業者のESHIA、EIA補遺版、環境対策の質をどのように判断して いるのか、またフォーラムの参加者が挙げた懸念や指摘の中で、既に説明をいた だいた事業に反映された点のみならず、反映されていない点とその理由について、 具体的かつ明確な説明をすること。

・ きちんとした形で説明できない限り融資実行はないとの貴行のフォーラ ムでの発言にある通り、融資の判断に当たっては、その根拠を明確にし、ステー クホルダーに対して説明し議論すること。

以上の要望に対する貴行のご対応につきまして、早期にご回答いただけますよう、よ ろしくお願い申し上げます。

連絡先:国際環境NGO FoE Japan(担当:村上正子、神崎尚美)
東京都豊島区目白3‐17‐24‐2F TEL (03)3951-1081 FAX (03)3951-1084

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