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サハリンII 公聴会報告
David Gordon
Pacific Environment
2002年3月1日

 都市や地域の指導者や市民メンバーの要請により、サハリン環境ウォッチ(SEW)は、シェル/サハリンエナジーのサハリンU事業に関する公聴会を開催した。
 関心を持っている地域の指導者や市民メンバーと協力しているSEWは、追加のヒアリングが必要であると信じている。なぜなら2001年12月にサハリンエナジーによって開催された公聴会では、市民は質問をしたり事業の詳細について議論する機会がなかった。この最初の公聴会は企業による90分の発表から成り、市民からの質疑の時間は30分だけだった。
 SEWの公聴会には、追加の公聴会の必要性を強調した100人以上の人々が参加した。12月のサハリンエナジーの公聴会には40人が参加しただけだった。サハリンの南岸に位置し、LNGプラントの提案サイトの近くKorsakovからやってきた人も多くいた。SEWの公聴会は午後2時から7時まで5時間続いた。様々な視点からの発表や、それぞれのスピーカーに質問する時間や議論の時間を十分に取った。
 不幸なことに、サハリンエナジー自体はSEWによって開催された公聴会への出席を拒んだ。サハリンエナジーはこれらの公聴会への強制的な法的条件はないと抗議した。そして12月の公聴会には十分な法的条件があると言った。サハリンエナジーの抗議は、法の定義によると間違いではない。しかし、その出席はSEWの公聴会の参加者によって注目され、裏切られた。サハリンUの公聴会で明らかになったサハリンエナジーの失策は、サハリン島の市民とそこで運営をおこなっている油田会社の間の根深い不信を証明したことだ。
 拒否の書簡の中で、サハリンエナジーは、SEWが公聴会を開くことに「驚いた」「当惑した」と書いている。サハリンエナジーは更にその書簡の中で、市民組織が事業の環境・経済懸念をあげる試みを軽蔑している。そして企業の参加を命令する法的要求の欠落を引用している。書簡によると、「私たちは連邦環境保護法の12条のもとに本会合の呼びかけに合法的に法的意見を取りあげている。この提案に沿うとサハリンエナジーが参加する法的根拠がないと思われる」と述べてある。
 サハリンの国会議員Zhdakaevのアシスタントの1人が公聴会を開いた。彼は公聴会は市民社会にとってとても重要だ、そしてこれらの公聴会は石油開発に光を落とすことを支援すると言った。彼はまた、サハリン島で石油開発が始まってから多くの過ちがおかされてきたと申し立てた。そして油田事業によって期待されたロイヤリティーは入ってきていないことを申し立てた。また、サハリン国会が油田事業を無税にしたのは誤りであったこと、サハリン島のメディアは、石油企業からメディアに支払われる資金のために事業に関して自由な報道ができないこと、また、ロシアの企業に行くはずの契約がロシア企業として登録された外国企業に行っていること、これらの問題を客観的に見るために公聴会はよい機会になるだろうと締めくくった。
さらに発表や議論では以下のような問題が強調された。
・ 経済的に本事業は過剰な支出がある。
・ 事業への資金はサハリンではなく、外国企業へ行っている。
・ シェルはLNGにのみ関心を示している。なぜならシェルはLNGプラントを建てるからである。他の燃料は見ていない。
・ Production Sharing Agreement(生産分与協定)は解消されるべきだ。
・ LNG需要の欠落。
・ サハリン島で使用するガスの不当な価格
・ サハリンエナジーは公聴会で真実を話さなかった。特に泥をドリルで掘る影響について(サハリンエナジーは泥を掘ることはリップスティックよりも危険ではないと提示している。)
・ DME(DimethyI Ether エーテル)のような代替燃料の開発の必要性。サハリンガスがDMEをつくるのに要求されたより少ないエネルギー量や市場に成長するためLNGよりDMEを使用する機会。
・ 油田開発やパイプラインの影響による地震の影響の懸念
・ 泥に穴をあけたり、切り開くことによる流出を通じた許容汚染基準の超過問題。
・ 海洋生物資源に泥に穴をあけることや切り開くことが及ぼす有害な影響の懸念。
・ Prigorodnoyaの鮭産卵の小川を含む、アニバ湾でのLNGプラントからの影響の懸念。
・ モリックパックでの1999年の油流出や流出した油の量についての一致の欠如についての懸念。
・ 報告されていないかもしれないモリックパックでのほかの事故の懸念。
・ 大西洋のコククジラ(Gray Whale)の生存のキーであるBenthic有機体の限られた生息地についての懸念。
・ モリックパックプラットフォームからの違法なガス燃焼の問題。
・ 油田会社との契約のもとで働いている科学機関の独立性についての懸念。
・ 政府組織による定期的な注意深い監視の欠如の懸念。
・ アニバ湾の漁獲高の基礎データ欠如についての懸念。
・ 1999年のPiltum湾でのニシンの死、サフランタラの減少を含む他の漁獲高の減少についての懸念。
・ 漁場、大気汚染、そして市民の健康におけるLNGプラントの影響について、Korsakovの住民による懸念。
・ サハリンエナジーがKorsakovで行なった公聴会で、市民が質問をする時間の不足。
・ PSAの条件や条件が変えられる勧告についての懸念。
・ ロシア連邦へ、損害のためサハリンエナジーを訴えるための市民への提言。
・ 事業の、高い環境コストに見合う経済利益の欠如への懸念。
 SEWは公聴会の全議事録を書き上げることを約束した。この議事録はサハリンエナジー、地方自治体、連邦政府、そして他の利害関係者に提出されるであろう。SEWはこれらの公聴会で市民から挙げられた質問にサハリンエナジーが回答することを希望している。多くの参加者は、サハリンエナジーが公聴会へ出席しなかったことに関する懸念、そしてサハリン島の人々に対する敬意の欠如に対して、サハリンエナジーへの抗議に署名をした。
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