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サハリンU第二期工事におけるロシア環境法違反の報告書 |
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2006年5月19日
ロシアのNGO、サハリン環境ウォッチは、サハリンUプロジェクト第二期工事が多くの点でロシアの環境法に違反した状態で進められていることを報告書にまとめ、5月16日に各融資機関あてに提出しました。
報告書の本文はこちらからご覧ください。(PDFファイル)
以下は、報告書概要の和訳です。(翻訳:FoE Japan)
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サハリンIIプロジェクト第二期工事
サハリンエナジー社およびその契約業者、下請業者による、
ロシアの環境法規違反の報告書
サハリン環境ウォッチ
2006年4月
概要
サハリンIIプロジェクト第二期工事の建設に関する実行可能性調査(Feasibility Study)、2005年11月に出された環境影響評価の補遺版、国家環境監査(Government Environmental Impact Review)の専門家委員会の勧告、州や公的審査の許可書や文書、および環境法規を合わせて分析すると、サハリンエナジー社によるサハリンIIプロジェクト第二期工事の建設作業は、認可された事業書類から著しく逸脱し、認可された書類に変更を加え、さらにロシア連邦の現行の環境法規を完全に違反した状態で行われていることがわかる。
- サハリンエナジー社は、産卵床を通過するパイプラインの建設、トレンチ工法での源流の横断を禁止する連邦法の要件に違反している。
- サハリンエナジー社は、認可された事業書類から著しく逸脱した状態でパイプラインを建設しており、「環境監査に関する」連邦法、「環境保護に関する」連邦法およびサハリンIIプロジェクト第二期工事の国家環境監査(Government Environmental Impact Review)の結論の条件に違反している。
- サハリンエナジーは、水平堀り(HDD)によるパイプラインの河川横断工事を、国家環境監査による肯定的な決定もなく、一部では否定的な決定も出されている状態で行っており、「環境監査に関する」連邦法、またサハリンUプロジェクト第二期工事の国家環境監査の結論の条件に完全に違反している。
- サハリンエナジー社は、パイプラインが地殻変動断層を横断する場合には地上に建設するという建設法規に完全に違反している。
- サハリンエナジー社は、アニワ湾に液化天然ガス(LNG)をオフロードするための係留設備を、認可された事業書類から著しく逸脱した状態で建設しており、「環境監査にかんする」連邦法に違反している。
- サハリンエナジー社は、国家環境監査の肯定的な決定がないまま、オフロード用の係留設備を建設し、利用を開始した。このことは、法廷でも立証されており、「環境監査に関する」連邦法、「環境保護に関する」連邦法および国家環境監査の実施手続きに違反している。
- サハリンエナジー社は、LNGプラント周辺の衛生保護区域(Sanitary Protection Zone)の設定を、実行可能性調査で予測し、国家環境監査の決定により認可された区域に比べて減少させており、環境監査に関する法規に違反している。
- サハリンエナジー社は、アニワ湾で土砂投棄を行う場所について市民や公的機関と議論を行わなかった。このことは、「環境保護に関する」連邦法およびロシア連邦における、商業的およびその他の活動計画が環境に及ぼす影響の評価に関する規程に違反している。
- その他にも、サハリンエナジー社自身および契約業者、下請業者により、数多くの法規違反が行われている。パイプラインを許可なくルート変更することによる違法伐採(刑事裁判に係争中)、Val Riverの川岸の緩衝地帯内での違法な下水設備の設置、数千トンもの危険な有害化学物質(エチレン・グリコール)を当局の許可なくサハリン島内へ(川岸の緩衝地帯内へも)持ち込んだこと、持ち込みが禁止されている高レベルの放射能を含む装置のロシア(サハリン島)への持ち込み(刑事裁判に係争中)、サケ科魚類の回遊ルートを通してアニワ湾へ500,000立方メートル以上もの排出物を流す計画、医学的、衛生的な規範や労働安全の要件など多様な違反。これらの違反については、連邦や地方政府の調査機関による総合的な調査が行われている。
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