漁業に関する抗議により、延期に追い込まれる石油ターミナル
2005年7月30日 telegraph記事 By Malcolm Moore
昨日、シェルは、ロシア裁判所がサハリン島での埠頭建設を違法とする判決を下した後、サハリンプロジェクトの他の問題にぶつかった。
ロシアの東沿岸沖から流氷の海の下にある、40億バレルの石油及びガスを開発することを目的とするサハリンプロジェクトは、環境保護団体の反発を強め、100%の予算超過を引き起こしている。
今年の初め、太平洋コククジラの個体群を保護するために、パイプラインを移動することに合意をした後、シェルは、今も、現地の魚の個体数に壊滅的な打撃を与えるとして非難されている。
環境保護団体であるパシフィックエンバイロメントは、シェルとそのパートナーが島の南、アニワ湾に、既に71立方フィート(約2キロリットル:訳者注ドラム缶約10本分)の浚渫廃棄物を投棄し始めていると言う。
「これは、カニ、ホタテ、オキアミ、カレイなどのデリケートな魚場を汚染している。湾は、サハリンのサケの漁獲量の25%の生息場所を提供しており、ここでは、これらの魚が地域経済に不可欠にものの一つになっている。」と団体は言う。
現地裁判所は、シェルが埠頭に関する正式な承認を得る正しい環境的手続きを経てこなかったと言う。この埠頭は、建設機材を荷積みするために、企業とそのパートナーによって使用されているものである。
ロシアの新聞によれば、裁判所の判決はサハリンからのLNG(液化天然ガス)を輸出するターミナルの作業を一時停止するという結果に至ったと報道している。しかし、サハリンの現地筋は、作業は依然として継続していると言う。
アニワ湾のターミナルは、世界で最大のものと予想され、日本や韓国に向けてLNG を輸出する予定である。サハリンは、将来的には、日本のガス需要の10pc(パーセント)を提供する予定である。シェルは、LNGターミナル自体の環境承認は得ている。
シェルのスポークスマンは、判決が下されるのを待つとして、判決へのコメントを拒否している。
欧州復興開発銀行(EBRD)は、シェルに対する抗議の一面広告を新聞に掲載した環境保護団体の怒りを浴びて、事業への融資を続けるかどうか検討している。
サハリン事業の独立環境審査をコーディネートする、世界自然保護連合の Mohammad Rafiq氏は、「これは独立審査と矛盾したことではない。情報には多くのギャップがあることは我々も言ってきたことだ」と発言した。
ロシアの分析専門家は、事業に対してLNGの輸出開始を先送りさせるような技術的妨害は、サハリンから極東への輸送を遅らせようとするライバル企業のせいという可能性もあると発言している。
【翻訳:FoE Japan】
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