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「ロシアの先住民族、石油・天然ガス開発に抵抗して団結」 |
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2005年04月11日
Cultural Survival Weekly Indigenous News by Mariana Budjeryn
ロシア極東のサハリン島に住む先住民族の代表たちは、石油・天然ガス開発が伝統的な土地に侵入しつつあるとして、共に闘っている。
サハリンのニブヒ、ウィルタ、エベンキ、ナナイといった先住民族の代表たちは3月25、26日、ユジノサハリンスクで会合を開いた。サハリン島の先住民族の数はおよそ3000人で、サハリン島全人口の約0.5%を占めている。数少ない人口ながら、先住民族はサハリンで石油・ガス開発を進める多国籍石油会社に抵抗して立ち向かっているのである。
「会合は大成功だった」と、ロシアの約30の先住民族を代表する北方先住少数民族協会(RAIPON)の副代表、Pavel Sulyandzyga氏は言う。「会議の主要な成果は、地域の全先住民族のリーダーを結集させたことにある。私たちが自らの権利を効果的に守るためには、団結して闘うしかない」
今回の会合で、石油会社やロシア政府との今後の交渉の際にサハリン先住民族を代表する議会が創設された。議会は、石油・ガス開発が先住民族に与える文化的影響を調査するよう提言する予定である。この独立調査は、事業が先住民族にもたらす損害に対して支払われるべき適切な金銭補償を算定するものとなる。
また、先住民族の代表たちは、サハリンの天然資源を開発する企業に対し、サハリンに住む4つの先住民族の経済的・社会的状況を改善することに寄与する「開発基金」を設立するよう強く求めている。今回の会合には石油会社からの出席者もみられた。
サハリンにおける大規模な石油・ガス開発は、1990年代中頃にロシア政府がエクソン、シェル、BP、ロスネフチなどの巨大石油企業と契約したことから始まった。現在は開発の第二段階で、海上掘削施設の追加、パイプライン、処理工場、輸送基地の建設が行われることになっている。
シェルが主要な株主となっているサハリンエナジーのウェブサイトによると、サハリンエナジーは、現在の夏季に限られている石油・ガス生産を通年生産に拡大するため、今後5年間で100億ドル投資することを約束している。
サハリン先住民族は、石油・天然ガス開発事業が森林伐採、汚染、主要な生計手段である野生生物種を絶滅の危機に追いやることによって伝統的な生活様式を脅かしていると主張している。多くの先住民族は、現在もトナカイの牧畜や漁業で自給自足の生活を営んでいるのである。
石油・天然ガス事業に伴う悪影響が、すでにいくつか報告されている。カリフォルニアのNGO Pacific Environmentによると、海上掘削施設近くでのニシンの大量死や、北東部での廃棄物の水中投棄によるSaffron codの急激な減少が報告されているという。
さらなる被害が予測される。新たな陸上パイプラインは、ニブヒの神聖な墓地を通過して建設される。建設の騒音によって、カリブーが影響を受け、トナカイは伝統的な放牧地から追いやられているとPacific Environmentは報告する。さらに、新しいパイプラインはサケが産卵する流域を通過することになっている。
新たな採掘施設と陸上をつなぐパイプラインは、絶滅の危機に瀕しているコククジラの重要な採餌域の近くで建設されることになっている。
シェルは、先日パイプラインを採餌域から離して、約20km南に移動する計画を発表した。しかしながら、ロンドンのNGO Friend of the Earthは、「プラットホームの移動を伴わないのであれば、コククジラの救出にあまり役に立たないだろう」という。
今年初め、一部の先住民族と環境活動家たちが複数の石油生産施設へ通じる道路を封鎖する抵抗活動を行った。今回のユジノサハリンスクでの会合では、先住民族がその権利のために立ち向かうための更なる決意が示された。
「障害は多いが、石油企業となんらかの合意に達することを期待している」とSulyandzyga氏は言う。「企業側は、会合で選出された議会のメンバーが、彼らに対して忠義的な者ではないと失望しているかもしれない。しかしながら、会合に出た彼らも分かるように、この選出は正当なものである。先住民族の権利が適切に代表されていると信じている」
にもかかわらず、先住民族コミュニティは、議会による交渉が6月1日までに満足のいく進展を得られなかった場合、抵抗活動を再開すると決定している。
「この会合によって創出された団結力と勢いは、現在の石油開発の問題に限らず、継続して先住民族の利益に資することにつながるだろう」とSulyandzyga氏は言う。
石油企業に何度か問い合わせたが、コメントは得られなかった。
【翻訳:FoE Japan】
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